[指揮]ローラント・ベーア
[演出]ウィリアム・ケントリッジ
[独奏・独唱]
スティーヴ・ダヴィスリム(T)
林正子(S)
アンドレ・シュエン(Bs) / 他
[演奏]東京フィルハーモニー交響楽団
[合唱]新国立劇場合唱団
私にとっては何年かぶりのハズレ公演だった。魔笛を幾度となく観てきたが
最も面白みのない出来だった。
まずタミーノが声は美しいものの声量不足で女性歌手にも引けを取る。
抑揚のない平板な歌には飽き飽きだ。
パミーナ役の林が好調だっただけに余計タミーノには精彩がなかった。
夜の女王や3人の侍女はすべて日本人なので声量不足が心配されたが
思った以上に声は出ていた。しかし、きちんと歌うことにかけては及第点
かもしれないが、人を感動させるような芸術的側面は感じなかった。
まあ全く存在感のなかったモノスタトスよりはましではあるが。
演出にプロジェクションマッピングを使うこと自体はいいとは思うが
色の変化もないワンパターンでは飽きてしまう。
唯一の救いは、合唱団の統制の取れた歌を聴けたことか。
大野体制となって初の舞台なので当然大野が振るものとばかり思っていたが
違った。ちょっと先行き心配な気もしてきた。
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