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2018年09月14日05:06

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小説 夏の終わりに 16

小説 夏の終わりに 16
 結局俺は千夏と暮らすようになった。三島由紀子が時々訪問することと、受け入れ施設が見つかるまでと言う条件だ。三島由紀子の動きは素早かった。すぐに千夏のアパートを解約し、千夏の衣服を俺の部屋へ持ち込む。俺の部屋は片付けられ、家具が増える。押入れも不要なものが捨てられ、千夏と俺の衣類が別々に保管される。
 アパートの筋向いのコンビニで、千夏がすぐにバイト出来たのも幸いだった。生活の時間差が出来、独りで過ごせる時間も確保できたのだ。
 世の中うまく出来ていて、コンビニのオーナーは三島由紀子の兄であったので、事情を理解してくれたし、タバコを買ったり弁当を買ったりするので俺も面識があった。なにより千夏は別なコンビニでバイトをしていたので重宝された。住まいが近くなので他のバイトの急病などのときのヘルプが出来たし、深夜のバイトでも嫌がらない。
「よか娘が来てくれた」
 配達のの帰りにタバコを買いに寄った俺に、オーナーは笑い、使い捨てライターをおまけしてくれたりする。俺にとってのラッキーはそれだけでは無い。千夏は働き者で、掃除をこまめにするし、洗濯物をきちんとたたんでアイロンまでかけてくれる。食事も作ってくれるのだ。毎日野菜炒めか煮物で過ごしていた俺の偏った食生活が大きく変化し、バランよくなったのだ。新聞配達を終えても、千夏がまだ寝ている時間だと、俺は近所の公園にバイクを停め散歩をする。トイレも済ませられるし、運動不足の解消だ。新聞販売所の所長が
「竜さん、最近若返りゃせん?女でも出来た?」
「ちょっと親戚の事情があって・・姪っ子を預かっている。姪っ子が飯を作ってくれるから食事のバランスがいいのかも・・」
「ふ〜ん・・何歳?」
「15」
「高校生?」
「いや、高校は言っておらず、コンビニでバイトしてる、
「ひょっとして、稲荷神社んとこのコンビニ?この前タバコ買いに寄ったら可愛い娘がいたけど」
 所長が集金でアパート近くに来たのを見たことがある。きっとその時に見たのだろう。
 千夏と暮らし出して10日も経つと、俺は以前から千夏と暮らしていたような気分でいれるようになった(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 雨が降りそうで降らない今朝でした。頭痛がひどいので、今日の天気も怪しデスね。予報は曇りに換わっていますが・・今日も思考力無し。日記は義務感(笑)
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