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2018年09月06日00:17

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コウモリは一生の多くの時間をねぐらで過ごし,ねぐらの利用は分布や生息密度,採餌と繁殖の戦略,社会構造や移動,生理や形態に密接に関係していると考えられる.>が<雪の中で冬眠するコウモリ>小天狗蝙蝠>>

>がいるとは!


コテングコウモリMurina ussuriensis による
模擬枯葉のねぐら利用と繁殖
谷岡   仁
高知県香美市


摘     要
コテングコウモリMurina ussuriensis のねぐら利用が
確認されている麻製の模擬枯葉を,2015 年4 月下旬か
ら2015 年11 月下旬にかけて四国剣山山地の森林内に設
置して利用状況を調査した.模擬枯葉は,林床近く(低
位置)と樹冠部近く(高位置)に複数設置した.その結
果,妊娠から出産哺育期にあたる4 月下旬から6 月下旬
にかけては,複数メスによる単一模擬枯葉の利用が毎回
観察され,6 月には幼獣を含む哺育集団が高位置の模擬
枯葉で確認された.集団内の成獣や幼獣の数は毎回変化
し,利用された模擬枯葉もほぼ毎回異なった.一方,7
月から11 月下旬にかけてのメスによる模擬枯葉利用は
稀で,すべて単独での利用だった.オスの模擬枯葉利用
は調査期間を通して稀で,すべて単独での利用だった.
コテングコウモリの出産哺育集団が人工のねぐらを利用
した報告はこれまでなく,容易に製作できる模擬枯葉は
観察が難しい本種の哺育生態を研究する道具の一つとし
て有用と考えられる.

は じ め に
コウモリは一生の多くの時間をねぐらで過ごし,ねぐらの利用は分布や生息密度,採餌と繁殖の戦略,社会構造や移動,生理や形態に密接に関係していると考えられる.
コウモリのねぐら利用の詳細を把握することは生態
や行動を理解する基本であるとされる(オルトリンガム
1998).
コテングコウモリMurina ussuriensis は樹木の洞や割
れ目,樹皮下,枯葉内,地上や落ち葉の下,家屋内,ト
ンネルや坑道内,雪中【!】など多様な場所をねぐらとして利
用するコウモリである(Kawai 2015)

   【略】

考     察
人為的に作製したねぐらにコテングコウモリを誘引し
て研究を試みた例はこれまで3 例報告されている(松岡
2008;船越ほか2009;谷岡2013).しかし,これまでの
設置高は高くても2 m をわずかに超える程度であり,
7 m を超える高さ,すなわち樹冠部やその下部付近に設
置した例は本研究が初めてである.過去の研究では妊娠
期から幼獣の分散期にかけての継続的なねぐら利用の観
察の報告はないが,本研究の結果,妊娠期から出産哺育
期にかけて複数メスによる単一模擬枯葉の利用や哺育集
団の利用があることが明らかになった.また,本論文は
本種の哺育集団が人工物を利用した初の報告である.哺
育活動の詳細な観察はFukui et al.(2012)のみで,人工
物への哺育集団の誘引は,本種の出産哺育活動の観察の
可能性を広げると考えられる.

   【略】

,ねぐらの高さ
利用の変化の背景には樹冠部における捕食者からの安全
性が関連している可能性がある.
メスの集団での利用時には大タイプの模擬枯葉を利用
することが多かった.6 月12 日の10 頭の成獣と2 頭の
幼獣の利用では,小タイプの模擬枯葉内が休息個体の群
塊で一杯になった.哺育集団では成獣十数頭が幼獣とと
もに集団となることもあり,内部の狭い小タイプよりも
大タイプの利用を好んだものと思われる.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/56/2/56_167/_pdf/-char/ja



■まるでボールみたいに…雪の中で冬眠するコウモリ発見
(朝日新聞デジタル - 09月05日 17:50)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5275520
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