真理の玉手箱、「モルモン書」
2016年7月27日 ·
2018.07.26.
（以下、本書のとびらの前置き頁から）
『モルモン書』についての概説
『モルモン書』は、古代アメリカ大陸に住んでいた民の神聖な記録であり、金属版に刻まれていた史実である。本書には、四種類の金属版のことが述べられている。
１．ニーファイの版。小版と大版の二種類があって、小版には霊的な事柄や、預言者達の務めと教えについて特に詳しく載せられており、一方大版は民に関わる世俗の歴史が大部分を占めている（ニーファイ第一書第９章２−４節）。然し、モーサヤの時代以後は、大版にも主要な霊的重要記事が含まれている。
２．モルモンの版。モルモンがニーファイの大版から短くまとめ、多くの解説文を加えて構成した記事である。この版にはまた、モルモン自身が書き継いだ歴史と、その息子モロナイが付け加えた記事も載っている。
３．エテルの版。ヤレド人の歴史を伝える記事で、これを抄録したモロナイは、自分の解説を織り込んで「エテル書」と言う表題を付け、全体の歴史に組み入れた。
４．真鍮の版。紀元前６００年に、リーハイの民がエルサレムから携えて来た版で、これには、「モーシェの五書・・それに、世の初めからユダの王ゼデキヤの統治の初めに至るまでのユダヤ人達の記録・・また・・聖なる預言者達の預言」（ニーファイ第一書第五章１１−１３節）が載っている。モルモン書にはこの真鍮の版からの引用が沢山見られ、イザヤを始め聖書から、或いは聖書に載っていない預言者達【の言葉】が沢山引用されている。
『モルモン書』は、一つの例外はあるものの、他は全て各々主要な著者の名を冠した「書」として知られる十五の主部、即ち区分から構成されている。最初から「オムナイ書」までの六つの書は、ニーファイの小版からの翻訳である。そして、「オムナイ書」の次に「モルモンの言葉」と呼ばれる挿入記事があるが、これはニーファイの小版に刻まれた記録と、次の「モーサヤ書」以降の記録のつなぎであり、且つ「モーサヤ書」から「モルモン書」第七章に至る長い部分は、モルモンがニーファイの大版から抄録した記事の翻訳である。そして、「モルモン書」第八章から巻末までの残りの部分は、モルモンの息子モロナイが父親の生涯の記録を刻み終えて後、（「エテル書」として）ヤレド人の記録の抄録を作ってから、「モロナイ書」として知られている部分を付け加えた。
紀元４２１年、或いはそれに近いある年に、ニーファイ人最後の預言者・歴史家であったモロナイは、神が昔の預言者達を通じて予告された通り、末日に明らかにされるように、その神聖な記録を封じ、主に託して隠したのであった。それから約１４００年後の紀元１８２３年、既に復活していたこの同じモロナイがジョセフ・スミスを訪れ、更にその４年後に記録の刻まれているその版を渡したのであった。
本版について、―――過去に出版された英文の『モルモン書』には、その本文に些細な誤りが幾つか残っていたため、出版前の原稿と預言者ジョセフ・スミスが校訂した初期の版に合わせて適切と思われる訂正を加えた。(当私訳は英文１９９０年印刷版より翻訳)
ログインしてコメントを確認・投稿する