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2018年07月08日01:03

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ドイツとオーストリアに行ってきました #2 ひとりぼっちの王様とみっつのお城(前編)

<二日目 状況開始>
入国のドタバタから一夜明けて二日目。
ここからが旅行本番といったところですが、この日は朝からツアーに参加です。
かの有名な「例のあの城」ことノイシュヴァンシュタイン城、それからリンダーホーフ城を巡るお城巡りツアーなのです。

このツアー、普通コースとちょいお高めコースがありまして
旅行の手続き開始時には普通コースで行こうかと計画してた訳ですが
本契約時になぜかちょいお高めコースに格上げされてて
あっれー? という感じだったのですが
まぁいいかと訂正せずにそのまま放置←
結果これが功を奏すことになるわけですが

集合場所の大型ショッピングセンター前には八時集合
前日同様これは眠いと言いながら集合場所に行ってみると
同じようなバスが三代ぐらい停まってる
しかもどれもノイシュヴァンシュタインの看板出してる

ヨメサン「一体どれが本物なのだ」
俺「わかりまへん」

わかりまへんでは済まないのでツアー案内の書類を出して片っ端から聞いてみる作戦
俺「あのー、このツアー行きのバスはどれでしょう」
ガイドのおばちゃん「プレミアム……あぁ、これで合ってますよ、ようこそ」
まさかの一発成功 ねこるとに電流走る
でもないか

しかしこれはちょいお高めコースを選んで大正解
座席は足伸びゆったりクロスシート
コーヒーマシン設置で各停車スポットごとに運転手さんがコーヒーを振舞ってくれる
しかも道中お菓子食べ放題
ガイドのおばちゃん「運転手が神経質なので移動中にコーヒーは入れられませんが、お菓子はここにおいてますので自由に食べてくださいね!セルフサービスです!それになんとバナナもありますよ!」

というわけで謎のバナナ推しを回避してコーヒーとお菓子を頂きながら約二時間。
かのノイシュヴァンシュタイン城のあるフュッセンに到着。

ここで今回巡る三つのお城を建てたバイエルン王国第四代国王
「狂王」ことルードヴィヒ二世について
多少のご説明をしておかねばなりますまい

十九世紀のドイツは日本で言う戦国時代のような感じで
各地の小国が散り散りに点在していた状況でした
その中で北のプロイセンに対する南の大国 バイエルン王国(現:ドイツ連邦共和国バイエルン州)の国王として1868年に即位したルードヴィヒ二世ですが

執務に忙しい父王マクシミリアン二世のもと
孤独な少年時代を過ごした彼は
中世騎士道や伝承の中のヒロイズムに対する憧れをその成長の過程で強めていきます
さらに同時代の音楽家であるリヒャルト・ワーグナーのオペラに
自身の思い描く理想の世界を見た彼は
己を満たす世界を築くため私財を投じてオペラの舞台となる城の建設を命じます
普墺戦争での敗北により弟オットーが精神を病み
敗戦による巨額の賠償が生じている中で
公務を投げ出し城の建設を推し進める彼を
議会は精神錯乱の状態にあると判断
彼を軟禁し精神科医を監視役に付けます
その決断が下された翌日
彼は軟禁先の城の近くにある湖で
精神科医とともに水死体となって発見されたのでした

今回僕等が辿ったのはそんな悲しい王の作った三つのお城
この中で完成しているのはただひとつ
リンダーホーフ宮殿のみです

彼の王の経歴に思いを馳せると
お菓子とかバナナとか食いながら巡るのは若干アレな気もしますが
とにもかくにもノイシュヴァンシュタイン城到着です

バスが着いたのはお城のある山の麓
こっからシャトルバス・馬車・徒歩の三つのルートでお城にあがれます
集合・出発時間だけキツく指示されて各自解散
シャトルバスで行けばノイシュヴァンシュタインが最も美しく見える絶景スポット
マリエン橋に寄れるということでこれを選択
時を同じくして
Tシャツにワッペンベタベタの革ベストにジーパンにサングラスという
如何にもアイアムハーレーダビットソンなコワモテ白人の軍団が
ハーレーに乗ってやってきて
おとなしくシャトルバスの停留所でバス待ってるという
彼らのバイクには興味あったが
いかんせん時間の都合上絡むことはできなかった

そのマリエン橋から撮ったのが画像一枚目となります
いやまさしく絶景であった
この城は以前ドイツ滞在の折にも訪れてるわけですが
いかんせん冬だったこともあってマリエン橋は凍結のため進入禁止
さらに城全体に霧がかかってて
勇壮なオペラの舞台というよりはラストダンジョン魔王城という様相を呈していたので
この快晴下改めて彼の城の美しさを噛み締めることができたような心持ち
ガイドツアーはデルタドライバーのような装置を耳に当て流れる音声を聞くというシステムで
完全日本語対応
非常にわかりやすくできておりました
古城のステレオタイプとして語られるノイシュヴァンシュタイン城ですが
トイレは水洗だし
召使の部屋には内線電話が引かれてるし
電気ランプを使った人口洞窟があったりして
当時の最先端技術が各所に導入されてる実はハイテクな城
のみならず各部屋の装飾には
ワーグナーのオペラはもちろんのこと
北欧神話やキリスト教世界果ては東洋的な意匠が見事に調和した素晴らしい完成度
ルードヴィヒ公は
『自分が死んだらこの城を完全に破壊せよ』
との命を臣下に下していたそうだが
それに背いた者たちの英断は賞賛に値する
この城が残っていなければ
彼はただの狂人としてのみ
歴史に記されていたかも知れないのだ

場内見学してお城パズルの並ぶお土産屋を眺めてたら
意外と時間が押してる事に気づいたねこると一行
馬車に乗って麓に帰ろうとするが、
――乗れんっぽい
出発待ちの馬車のみならず待機中の馬車もどんどんと席が埋まっていく
中国人による割り込み攻撃を受けたところで我々は諦めた
来た道をダッシュで戻ってバス乗り場へ
ちょうど来たバスへ飛び乗って麓へ付いたのが十分前!
昼飯にサンドイッチ買ってバスについたら五分前!
ギリギリであった!

チョコレートとコーヒーで癒されながら
我々は次の目的地
リンダーホーフ城へと向かうのであった――

To be continued!!






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