mixiユーザー(id:10881945)

2018年06月02日13:45

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報道が権力の監視を担うのは重要である一方

報道の監視が弱い気はするのだよな。記事とはあまり関係ないが。
権力でも報道業界自身でもないところから報道を監視するシステムは欲しいところ。

誤報や捏造報道などの業界特有の不祥事に対して甘いという印象もあるがそれは印象でしかないのでまあ良いとしよう。
実際、社員の個人的犯罪に対しては一般企業では単に会社員としか報道されないところ、
報道の社員だと社名から報道されることが多く、そういったところは業界でも身内に甘いと言われないように戒めているのだろう。

私が問題にしたいのは取材方法で、とりわけ専門性の高い領域における手抜き取材が困る。

もう少し詳しく言うと、専門家のところに取材に来るのだが、
取材に来る前に下調べしてくるのは素晴らしい姿勢だと思う。
ただ下調べの際に筋書きまで立ててくるらしく、
専門家のところに取材に来るのはその筋書きに沿った発言を貰うためということがあるように思う。
その専門家から話を聴く上で真に重要なのはその人がその問題についていかなる見解を持っているかだと思うが、
記者にとっては欲しいのは専門家の見解ではなく専門家の言質なのではないかと思うことがある。

これは結構前の話になるので今は違うのかもしれないし、
具体的なことを明かすわけにはいかないので差し障りのないところだけ書くのだが、

記者が事前に甲という問題について、下調べの結果Aという筋書きを立て、専門家のところに取材に行った。

専門家「甲はBだと思います」
記者「Aという可能性はないのですか?」
専門家「可能性はありますがCを踏まえて考えればAよりはBと考えるほうがいいと思います」

で、記事には「甲に詳しい専門家さんは、こう語る。"甲はAの可能性があります"」と載る。

最近は知らないが5〜6年前にうちに来た記者はこういう報道のしかたをしたわけだ。

好意的に見るなら、筋書きを変えるとまた色々調べ直さなくてはならないので手間を省くためにこういうやり方をしているのかもしれないが、
敵意を持って見るなら、利益があって書きたい内容を書いているのではないかと疑う話にもなる。

こういう報道の仕方は捏造ではないものの、
(実際、Aという可能性はあるとは言っているので)
読書、視聴者に正確な情報を伝えているとはいえず、
専門家の名前を悪用する行為でもあり、大いに問題にしたいところだ。

報道の場合、取材源を保護する必要もあるので何から何まで透明性を得ることは妥当ではないと思うが、
専門家の名前を使うのだったら、その取材過程に行き過ぎがないか外部から監査する仕組みは欲しいところではある。

これがただの企業ならば、そこまでで求めるものでもない。
ただ報道業界は公共の利益の名の下に一歩踏み込む権限と、多大な影響力を持つ。
(公益性の大義名分が立てば人の実名や私生活を晒したり、無許可で人の撮った映像を使用したりできる)
それだけに、報道に対しても外からの監視は欲しい。
報道が権力を監視し、報道でも権力でもない何かが報道を監視するような。



■「NHKよ、報道現場の萎縮克服を」 研究者ら申し入れ
(朝日新聞デジタル - 06月01日 23:17)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5137588
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