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2018年03月02日09:35

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ラクサンポ38

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。

NPO事務所、血相を変えて、スタッフの男が戻って来た。
川口
「どうしたんだい。助成金が出たから、少しはやる気になったんだ」

スタッフ男2
「今月、奨学金の返済ができなくなりそうなんだ。やっぱり、今月、どうしても払えそうもないです」

スタッフ女1
「ご両親に借りたら、けっこう豊かじゃなかったの」

スタッフ男2
「それがさあ、父親が入院するんで、お金がかかるんだって。ここの人たちさ、お金のことは相談できないもの」

川口
「毎月、いくらぐらい返済しているんですか」

スタッフ男2
「30000円、ちょっと。就職したら楽勝だと思ったら、非正規でしか働けないでしょ。ボーナスがないから苦しいときに調整できないよ」

川口
「全額、払えないのかい。一部なら助けられるかもしれないよ」 

スタッフ男2
「10000円ほど足りません。借金してもいいですか」

川口
「人助けになるんなら。喜んで出してやるよ」



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