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2018年03月05日23:40

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バス運転手不足の現状

■「8時間のインターバル規制では足りない!」バス運転手、睡眠4.5時間の過酷勤務
(弁護士ドットコム - 03月03日 09:32)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=5010979


よく「バス運転手募集」という広告を見掛ける。
新聞の折込求人広告や新聞での広告、そして実際にバスによく乗られる人ならば、車内広告で頻繁に恒常的に掲示されていたりするのを目にする人も多いであろう。

一般の普通の人は、この募集を見て、どの様に思っているであろうか?
おそらく、
「いくら募集しても募集しても、全然人が来ないんだろうねぇ…」
そう考える人が多いのではないだろうか。

実は、現実は少し違う。
確かに若年者の車離れと運転免許取得人口の減少、まして大型二種運転免許既所持者は極めて少ない事は確かであるが、
運転手募集に対する応募者は、そこそこの数居るのである。

以下、公営(都営、市営バス事業者各局)は別として、
民営(私鉄系バス事業者など)各社についての話とする。

バス事業者は慢性的な欠員状況の為、小まめに募集を行い、それに応募してきた受験者に対し入社試験を行う訳であるが、
実は意外にも、この試験に合格し最終的に内定に至る人は、そんなに多くはないのである。
実際に受験者や運転手、元運転手の方々などから上がった声を総合的に見ても、
「〇〇バス、△△交通はかなり厳しく、難関」
「△△バス、〇〇交通はかなり緩く、比較的受かりやすい」
といった、ほぼ共通した答が上がっている。

受験に当たり、まず最低条件として絶対条件でクリアしていなければならないのは、「健康状態」
これは試験の項目の中で「健康診断」として運輸の厳しい基準で判定されるが、
これは当然の事である。
「バス運転手が運転中に気を失って…」という事故事例をたまに聞くが、そうなってからでは遅い。
心電図、血圧、脳波などで異常が有ると、合格は困難だと思った方がよいが、これは仕方無い。

次に、過去の交通違反歴。
各社共、運転記録証明書の提出が必須となっている所が多く、その中で特に「違反の累積点数が2点以内まで」を条件にしている所が多い。
バス運転手は「道路交通のプロ」なのだから、違反をする傾向にある人は採用をしない、
これもある程度納得出来る。

次に、「実技試験」
これは、今一つ不思議な感じもする。
一発だろうが教習所だろうが「大型二種」という難関の公的免許を実際に取得しているのだから、実技はそんなに必要だろうか?
実際、実技はかなり重要視していて引っ掛かる人が多い、という会社が幾つか有るのも事実である。
ところが、無事に内定し入社すると、まずは大型車の運転の仕方から、車両感覚、安全に注意すべき部分、などといった基本的な事から研修をスタートする事になる。

そして、当然の事であるが重要視されるのが、面接

筆記試験として、クレペリン、その他一般常識を中心とした試験、
会社によってはOD式運転適性検査という筆記の検査を実施している所もある。

他に、現在勤めている会社への勤務状況・素行などが調査される。

以上を全て勘案し、内定者が決定する。


という事で、普通の人にはあまりなじみが無いと思いますので、バス運転手の募集に対する一般的な入社試験の詳細について記述しましたが、
「募集しても募集しても人が来ない」のではなく、また、
「とりあえず受ければ、誰でも簡単に入れる」のではなく、意外にかなり狭き門、
という事をお伝えしたかった訳です。


では、なぜ常に頻繁に募集をしているのでしょう?

まさに、入ってくる人が少ない、出ていく人が多い、為です。
現在、運転手として勤務されている人のほとんどが残業、公休出勤を余儀なくされており、少しでも給料の為、というのはもとより、
電車と同じで時刻表の時間にバスを走らせない訳にはいきませんから、とにかく乗務しなければいけない、
それが会社、運行管理者からの指示、そして使命感で何とか続いてはいるものの、心身的にきつく限界状態で、
やむなく辞めざるを得なくなる方が多く、その為常に欠員状態、
ところが、会社側は募集はするものの、幅広く門は開いて、採用は少数、
最低限の採用条件には合っていなければなりませんが、更にその上に、「良い人」ばかりを採ろうとします。
会社は「良い人」を採ったところで、労働条件が悪いと、いずれ出ていってしまうのは、明らかに見えています。
なぜ会社は「今、居る人」を大切にしないのでしょう?

バスを利用している方々は、それぞれのバス会社の「イメージ」があると思います。
「〇〇交通のバスは、運転手さんが親切、運転が丁寧、車両も綺麗でイメージが良い」
「△△バスは、運転が雑で、運転手も無愛想でイメージが悪い」
各社毎に、そういうイメージをお持ちだと思います。

ところが、あまり表には出てこない、現役運転手・元運転手、関係する人、から見た、会社側についての評価に対しては、
お客様側から見たイメージとは別に、かなり違った結果が出ており、元運転手の声でも、
「〇〇バス、△△交通は極めて悪質なブラック企業だから、そこは転職は絶対にやめた方がよい」
というのを、何社か聞いております。
しかも多くの方が同じ事を言っており、常に欠員、募集をしているのを見ると、分かる感じがします。
逆に、「△△バス、〇〇交通は待遇面が良い」という、お客様から見たイメージとは別に、意外に良い評価の会社も勿論有ります。


バス現役運転手の人は、「昔は良かった。今は最悪…」とよく言われます。
「昔から居る人はまだ良いが、これから入られる人は大変」とも言われます。
激務の上に、会社は人を大切にしなくなった、と言います。
ついに「ブラックな業種」という言葉まで聞かれる様になりました。
なぜ会社は、人を大切にしないのでしょう?
貴重な人材も、大切にしないと出ていきます。
入社を希望される方々を、「良い人」を選んでいる余裕なんかないでしょう。

軽井沢や広島など各所で、バス事故が話題になりました。
この時も、「運転手の男」などと、運転手が悪者にされましたが、
運転手だって、大勢のお客様を乗せ、いざ出発する、
その時点で「大勢のお客様の命をお預かりしている」事は自覚しており、
事故など起こしたら、お客様の命、そして自分自身の身すら危うくなる事を充分承知の上で仕事をしている訳です。
事故など起こしたくて起こす人など誰も居ません。

現場の運転手は、会社の為、そして利用されるお客様の為に、心身を犠牲にしてまで頑張っている訳です。
会社側・経営側は、劣悪な勤務状況・労働条件の改善、「今、居る人」を大切にすること、
貴重な人材を大切にしないと、バスの運行も会社も成り立たなくなりますよ。

国の法制的な面も含めた、労働基準の改善を望みます。


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