「自律神経整い風邪予防」
かつては朝から寒空の下、庭先などでゴシゴシと背中をこする光景が見られた乾布摩擦。今も根強い人気があるという。なぜ健康にいいとされるのか。
乾布摩擦はその言葉の通り、乾いた手ぬぐいやタオルといった布で上半身などの肌をこする民間療法。
特別な道具や場所も必要とせず健康維持が図れるとあり、教育現場や家庭で実践されてきた。
最近は様々な健康法が広まったこともあり、乾布摩擦を見かける機会は少なくなった。
しかし、「寒い時に自然と手をこすることや、夕方にむくんだ足をさすることも乾布摩擦と同じようなもの。実は今も身近です」。
「健康の維持には37兆個もある人間の細胞へ良質の血液を十分に流すことがかかせない」
寒さやストレスで血管が収縮すると、血行不良で体に必要な酸素や栄養分が行き渡りにくくなる。体温も低下してしまい、体調を崩す原因になる。
しかし、摩擦をすれば皮下にある毛細血管が刺激で拡張し、血の巡りが良くなり体もポカポカとする。
誰かに施術してもらうマッサージとは異なり、自分で体を動かすことも、ストレッチ運動のようになって体を温めてくれるという。
さらに温かさで気持ちも良くなるので、自律神経のバランスも整うと言われる。
自律神経は体の動きを活発にする交感神経と安静に副交感神経で構成されている。ストレスや生活習慣の乱れで交感神経が一方的に優位になるとアドレナリンが過剰に作用し、筋肉が緊張して寒さと同様に血管が収縮する。しかし、摩擦で血管が拡張してストレッチ効果も加わり体の緊張が緩む。体もリラックス状態にしようとする副交感神経も活発に働くようになる。
自律神経のバランスが良くなれば、冷え性の改善だけでなく、風邪などの疾病予防、首や肩のこり緩和、便秘の解消など様々な効果が出てくるという。
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