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2017年12月15日19:50

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恋愛童話 おませな彼女の悩み事

キーンコーンカーンコーン
「みわちゃん、一緒に帰ろうー。」
「あ、ひとしくん。。。私、保健室行きたいから、先に帰ってて。。。」
ひとしくんは小学校5年生のメガネくん。頭が良くてかわいい子。
みわちゃんと呼ばれた女の子は小学校6年生のぽっちゃりさん。なんか顔色が悪いみたい。。。
2人はおさななじみで、実は両思い。2人はいつも一緒でした。

トントン
「失礼します。ともゆきくんいますか?」
「ああ、みわちゃん、いらっしゃい。どうしたのかな?」
みわちゃんは保健室にいる学校カウンセラーのともゆきくんに会いに来たようです。
ともゆきくんは27歳の若手のカウンセラーで、学校の皆にとって、頼れるお兄ちゃんのような存在でした。たまに金髪にしたりもしますが、優しいお兄ちゃんです。
「私、もう学校来たくないねん。」
「え?どうしたんだい?」
「同じクラスのこうちゃんがいじめるねん。いっつもデブデブってからかってくるねん。」
「うーん。それはつらいね。」
コソコソ
保健室のドアの向こうに怪しい人影が。
なんとひとしくんがいて、話をこっそり聞いていました。
(みわちゃん、こうちゃんて奴にいじめられてたんやな。許せへんな。こうちゃんはオレがしばいたる!)
そしてひとしくんは6年生の教室に向かって行きました。

「みわってデブやんなー。あははは。」
6年生の教室で、少し背の高い、外国人のようなイケメン顔の男の子が真ん中で何やら楽しそうに話しています。
「みわちゃんがデブやって?お前がこうちゃんか。」
「そうや。お前、みわといっつも一緒におる5年生の子やろ。なんか用か?」
「みわちゃんのことデブデブ言うの、やめろ!今度言うたらオレが!」
「オレが何やねん。」
「しばくぞー!」
「生意気なやつやな。分かった、決闘しよう。俺が勝ったらこれからもみわをいじめる、お前が勝ったらもうデブとか言わへん。これでどうや?」
「の、望むところやー!んじゃ、行くぞー!」
そして男2人の決闘が始まりました。

コンコン
体の大きな女の子が入ってきました。
「失礼します!あの、6年生の教室で、こうちゃんと5年生のひとしくんが決闘かなんかやりだして、止めようとして、そのー。。。」
「南方ちゃんやん!何があったん?」
「いや、私空手習ってるやろ?すぐ間に入ったんよ。そんでこうちゃんとひとしくん投げ飛ばしてもて。。。そんでな。。。」
「投げ飛ばしたんや!そんで2人は?」
「いや、それがな。。。投げ飛ばした勢いで私の。。。私の、パ、パンツが見えてな。」
「パンツ?」
「あ、みわちゃん、私だって一応乙女やもん、かわいい水玉のパンツやったんやで。」
「う、うん。それで?」
「2人が鼻血出しとるねん。」
ともゆきくんは爆笑し、すぐに6年生の教室へ駆けつけました。
「男ってエロやなー。むかつくわ。」
とかなんとかグチグチとみわちゃんは怒り、南方ちゃんは顔を赤らめて話を聞いていました。
「ひ、ひとしくん、どう思ったかな?水玉パンツ。。。」
「え?それって。。。南方ちゃん。。。ひとしくんのこと好きなん?」
トントン
「北村です。みわちゃん、南方ちゃん、おるやんね?」
「あー北村ちゃん!どうしたん?」
「ひとしくんが鼻血出すことになったん、みわちゃんと南方ちゃんのせいやと思って。2人に説教しにきたんよ。私のひとしくんやのに。」
「それってどういうこと?北村ちゃんもひとしくんのこと好きなん?」
北村ちゃんは美人です。でも、今村くんという男の子と仲が良いのでみわちゃんはビックリしてしまいました。
(ひとしくん、モテるんやなー。。。)

一方その頃6年生の教室。
ともゆきくんに笑われながら、こうちゃんとひとしくんは鼻血の手当てを受けました。
「2人とも、決闘は危ないって分かっただろう?大体、こうちゃんがみわちゃんをいじめるのも、ひとしくんがみわちゃんのこと悪く言われて怒るのも、一緒の理由だもんな。」
ともゆきくんが2人を諭すと、2人はポカンとしました。
「カウンセラーはなんでも知っている。2人とも、みわちゃんが好きなんだろ。」
「え?え?いや、その、えーと。。。」
2人はオロオロしてしまいました。
「ジャンケンで勝った方から告白するっていうのはどう?」
「よーし!ほんならジャンケンやー!」
「ちょっと待った!」
6年生で優しいと人気のある、かっちくんが割って入ってきました。
「僕もジャンケンさせてもらおうかな。」
「えー?かっちくん、ほのかちゃんと仲良いやんか!マジでー?」
ひとしくんはビックリです。
(みわちゃん、モテるんやな。。。)
そこに女の子3人がやってきました。
みわちゃん、南方ちゃん、北村ちゃんです。
「あれ?ジャンケン大会?」
「ジャーンケーン、ポン!」
ひとしくんがパー。こうちゃんとかっちくんはグー。ひとしくんの勝ちです!
「では、司会をつとめるともゆきです!ひとしくん、みわちゃんに話したいことがあるそうです!それでは、ひとしくんからどうぞ!」
ひとしくんは、急に告白することになってしまいました。

ドキドキ
皆の思惑が色々交差する中、ひとしくんは緊張でお腹が痛くなってきました。
「ひとしくん、話って?」
「あ、あの、その、実はな。。。」
そこでキューっとお腹が痛くなって、ついに!

プー

ひとしくんはオナラをしてしまいました。

「プー?」
みわちゃんが繰り返すと、
「プ、プ、プロポーズやねん。結婚しよう!」
ひとしくんは、オナラをもじって告白しました。
みわちゃんはしばらく黙っていました。周りの皆も黙っていました。が。
「あっはっは。面白いなー。ええよ。結婚しよう、ひとしくん。」
みわちゃんが大笑いして、ともゆきくんも安心したように笑い出しました。
「それでは、告白大会は、これで終了です!」
ともゆきくんがそう言うと、周りの皆は我に帰りました。
「ちょっと待ってや。オナラでなんて納得いかへん。」
こうちゃんがそう言うと、
「そうやねー。私はオナラより恥ずかしいパンツを見られた仲なんやから。」
と、南方ちゃんが答えます。
皆がひとしくんオナラの告白に文句をつけ始めました。
「あちゃー。ひとしくん、んじゃまたそれぞれ素敵な告白を、6年生の卒業式にするということでどうかな。それまでこうちゃんもみわちゃんをいじめたりしない。」
ともゆきくんが提案すると、ひとしくんは大きく首を動かしました。
「ともゆきくん、ありがとう。それじゃ、卒業式に!」
そしてひとしくんはさっそうと帰ってしまいました。

(卒業式どうなるんやろう。。。それまでに私も痩せてよう。。。)
みわちゃんは、ライバルたちがいるのを知りました。
そして、急にやさしくなったこうちゃんや、話しかけてくることが多くなったかっちくんが何となく自分を好きなんだと気付きました。
(うーん。。。恋の悩み事で痩せたらいいのに。。。)
ともゆきくんは密かにこう思っていました。
(皆おませだね。ま、卒業まで楽しませてくれそうだな。ふふふ。)

卒業式の告白は、どうなったでしょうか?
次回をお楽しみに?





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