色々思い出した動画と共に。

巨人、吉村禎章氏をコーチ招へいへ！打撃テコ入れ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=4796438


吉村ってのは札幌丸山球場での栄村との衝突事故さえ無かったら、不動のクリーンナップとして大成してたであろう選手ですが、大怪我から這い上がって代打の切り札になった。
そんな人でも今の巨人立て直すにはちと骨が折れるんじゃないでしょうか。
なんか気力感じないのね。阿部ぐらいか。

んで、ようつべ動画。神宮での伝説の原のバット投げホームラン。


https://youtu.be/5CcHJEFutCw


1992年のセ・リーグペナントレースは、上から下まで大混戦。
そんな中巨人は不調で、藤田監督どないすんのかな？と見てたら、西武から大久保を獲得、抑えの切り札に石毛をもってくると、二人の活躍であっという間に優勝戦線に駆け上がってきた。

そして迎えた7月のヤクルトとの神宮三連戦。
ここでも巨人の勢いは衰えず連勝、ヤクルトはなんとかそれを食い止めようと三戦目、エース格だった伊藤昭光に先発マウントを託した。対する巨人先発は桑田。

ヤクルトは桑田を4回でノックアウトするが、巨人も大久保の一発で反撃開始。
ここでなんと藤田監督、負けてるのにリリースエースの石毛を投入し、選手を発憤させる。
藤田監督って人の使い方すごく上手い方で、かつては先発槙原の調子が悪いとみるや、ブルペンで同じ三本柱の一人・斎藤を投げさせてそれを槙原に見せる。槙原「冗談じゃねえわ」と気合い入れ直し、見事勝ち投手に。
他にも近鉄との日本シリーズで香田を先発させて流れを変えたり、亡くなる直前には「原が監督なら巨人は大丈夫」と予言したりと、その聡明さは枚挙に暇がありません。
心臓に病を抱えて監督生活は1期目3年、二期目4年と短かかったんですが、もっと評価されて良い人です。

さて試合は9回。
まだ高津が台頭していなかったヤクルト、まだ先発の伊藤昭光が投げていた。（ブルペンではギャオス内藤と元巨人の角が待機していた）

勝利まで後アウト2つ、しかし岡崎に四球を与えて4番の原との勝負に。
一球目。低めに外れたボールを古田お得意のストライクに見せかけるキャッチングで捕球するも、審判の手は上がらずボール。
二球目。外のカーブ。ストライク。
三球目。内閣の高めでバッターを仰け反らせる。ボール。
四球目。三球目の流れから今度は外角低めで空振りを誘うも、原は乗らずボール。カウント1-3。（今で言う3-1やね）今にしてみればここで勝負は決まってたのかも・・・

そして運命の五球目。解説の平松正次さんが「内角甘いとこに投げたら打たれる」との忠告したにもかかわらず、魅入られたように内角に入ったボールを原は見逃さずバット一閃、特大の同点2ランホームラン。
このとき、原は雄叫びとともにバットを後ろに放り投げ、これが名シーンとして語られるようになりました。
ご本人は後で「後ろの人にあたったらどうしようか」なんて一瞬思ったそうですが(笑)
ワタシこの瞬間をテレビ中継リアルタイムで見てました。
この時の原は、ヤクルトバッテリーから執拗に内角キツいところを攻められてた。
巨人の4番としてのプライドや誇りがそのまま画面から伝わるような、凄まじいホームランだったのを今でも覚えてます。ボールのグシャリなんて音が歓声つんざいて聞こえてきたんやもん。


このあとはピッチャー内藤に交代して抑え、そしてその裏ヤクルトの攻撃。
今度は巨人の抑え・石毛を攻め立てて満塁。サヨナラのチャンス。
打席には荒井。しかし何か様子がおかしい。
なんと荒井、ベンチのサインを見逃してたのでした・・・恐らくはスクイズちゃうかったかなーと思いますが。
激怒した野村監督、なんと大観衆の面前で荒井の頭をヘルメット越しにバコンとひっぱたいた。
これまたメットの反響音がよー聞こえたわ・・・これで荒井のこの打席は終わったも同然となり、あえなく凡退。
だが石毛宏典このあと2アウトの2-3まで追い詰められ、正に崖っぷち。
そこで勇気を持って投じたスライダー、見事決まって三振。巨人ベンチは石毛を手荒い祝福。試合は延長戦へ・・・

テレビ中継はここで終わって、あとはラジオ頼りになったんですが、代打・大野雄の決勝ホームランが飛び出して、この死闘を巨人は制したわけです。


最終的にはヤクルトが優勝するんですが、この時の巨人は迫力ありました。
言うても巨人です、と。
まーこんな頃に戻すのは容易じゃないけど吉村さん、自身が酸いも甘いも知り尽くした人。ましてやこの時代の良いとこを知ってる訳で、成功体験ってのは大きいですぞ。



いやー昔のこと色々思い出したわ。
荒井はこのあと神宮での阪神との大一番に臨んだ時、迷わずバット振り抜いてサヨナラ勝ちしました。
伏線ってのはこんなとこにもあるのね。