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2017年09月12日12:32

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仮に足利義昭が首謀者だったとすると

仮にそうだったなら、義昭を庇護している毛利氏にも信長暗殺計画を伝えていたのではないか?
そうすることで幕府再興計画の成功率が高まるだろうからな。
毛利氏が信長暗殺計画の詳細を事前に知っていたならば、
そしてそれに加担する意図があったならば、何があっても羽柴秀吉とは和睦すまい。
和睦しなければ秀吉軍団の中国大返しは成功せず、共謀者明智光秀に対する脅威をひとつ取り除ける。

ゆえに、この仮定に基づく場合、毛利氏は計画を知りながら義昭を見限り、
あえて秀吉を支援した可能性が高い。

ただ、上手くすれば宿敵たる織田氏を潰滅に追い込み、
自ら義昭を奉じて入洛できる可能性の高い計画をあえて知りながら、
また失敗しても織田家の弱体化を期待できる計画をあえて知りながら、
当時織田氏の一方面の軍団長に過ぎなかった羽柴秀吉に恩を売るだけが利益になりそうな行動を、
毛利氏が望んだかというと、あまり考えにくそう。
光秀に主導権を握られるのを嫌ったという考え方はできるかもしれないが、
その場合、織田勢力は光秀以外の誰か(信長の遺児ないし重臣)に継承されることになり、
毛利氏の向き合う情勢は信長時代とあまり変わるまい。

つまり足利義昭としては、事前に計画を知りながらそれを毛利氏に秘匿する利益はあまりなく、
毛利氏としては、事前に計画を知りながらあえてそれを妨害する利益もほとんどない。


どちらかというと足利義昭は事前に信長暗殺計画を知らされておらず、
元々何らかの動機により叛意を懐いていた明智光秀が、千載一遇の好機を得て急な決断のもとに信長を弑逆した。
その後、大義名分なり後援なりを求めて紀伊雑賀を通じて足利義昭と連絡を取った、という形なのではないかと想像する。

この場合、明智光秀が足利義昭に忠誠を誓った忠臣だとするとなぜ事を成してから連絡を取ったのかという部分に疑問符が付く。
義昭の返り咲きが主目的ならば義昭と調整の上でやっておけば、
いざ事を成した時に毛利氏によって羽柴秀吉軍団を少なくとも牽制、上手くすれば崩壊に追い込める。
機が熟したら信長を殺すので毛利氏には絶対に羽柴と和議を結ばせないようにという依頼を出しておくほうが計画の成功率は高まるだろう。

それなのに光秀がそうしなかったのだとすれば、
そうしたくなかった理由があったのかもしれない。

例えば、事前に義昭に連絡して毛利氏の協力を依頼すれば、
毛利氏と光秀との関係はともに義昭復権を目論む共謀者ということになる。
勢力の大きさから考えても、義昭の身柄が毛利氏の手中にあることを考えても、
どちらかというと義昭-毛利輝元の調略によって光秀が内応した形であり、
光秀自身が変後に主導権を握れる見込みはきわめて薄かろう。
しかし、義昭-毛利氏への根回しなしにいきなり信長を弑逆し、事後に呼応を呼びかければ、
光秀のみが首謀者であり、毛利氏をも含めて呼応する者に対して影響力を行使できる可能性が高い。

その辺のことを考えると、光秀が一にも二にも旧主義昭を思っていたとは考えがたい。

彼の目的は飽くまでも信長を殺して自身が成り替わること、
その大義名分として、あるいは呼応する勢力集めの広告塔として、
変後に旧主足利義昭に連絡を取ったのかもしれない。

実際、毛利氏の備中高松城での対応を見ると、何となくだが後手に回った様相だ。
変を知っても追撃を諦めたように見える。
事前に変に備えていたようには見えず、やはり義昭・光秀・毛利氏共謀の目は薄いのではないかと思う。

光秀は、信長を弑逆して彼が義昭を担ぎ上げて名乗りをあげれば、
織田の旧臣の一部、交戦中の宿敵、付いたり離れたりの国境地域の国人衆などが呼応し、
ライヴァル(羽柴秀吉、柴田勝家、滝川一益など)は総崩れになると期待したのかもしれない。

実際、滝川一益の東国方面軍は崩壊した。
織田信孝・丹羽長秀の四国方面軍も四散した。
柴田勝家の北国方面軍は変の報せを受けるのが遅れた上に、秘匿に失敗して上杉方の妨害に遭い帰還が遅れた。
ここまでは光秀の目論見は多分当たった。
ただひとり、羽柴秀吉の中国方面軍のみが迅速に状況を纏めて帰還し、
ゆえに光秀は十分な呼応を得られず、敗亡した。

という状況が最も尤もらしい気がする。


まあ、私は研究者でないから、詳細は知らない。
持っている素人知識からの想像で、大した根拠はないが。

■【本能寺の変】書状原本発見で「動機」めぐり議論白熱−光秀の単独謀反否定、義昭黒幕説に疑問も
(産経新聞 - 09月12日 09:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=3&from=diary&id=4761469
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