福島・浜通り日帰り旅行、行ってきました。
九州に申し訳なくなるほどのいい天気で…。
今回、4人で行く予定が、2日前に急遽3人になった。
これがなかなかショックな話で…。
今回の旅行は、西の方の職場から赴任してきている先輩・後輩を、東京にいないとなかなか行けない所に連れて行こう、ってことで計画した。
「福島・浜通りに日帰り」と。
金曜日、出勤してすぐ、後から誘った後輩がまじめな顔で話してきた。
「福島の旅行ですけど、そんなに原発に近い所に行くとは思っていなくて…」
「あまり後ろ向きな態度でご一緒しても、不快な思いをさせてしまうので…」
と。
えっ?(゜▽゜)?えっっ? ここでキャンセル??
ていうかむしろ、原発近くに行くのが目玉みたいな旅行だったんだけど…。
あ、これは、本当は他の理由があるけど、それが言えないから原発を口実にしてるのかな??
地図を見せながら、国道6号線を通って南相馬の方へ抜けると説明した。
「国道ってもう通れるんですか」…うん、3年ぐらい前から通れるよ。
「この国道、原発から10キロ以上離れてたりするんですか」…いや、そんなに離れてないねぇ。
あ〜…こりゃ、本物だ…!
まさか、こんな身近なところに…。
「そっか、わかった、まだぎりぎり切符買ってないから大丈夫。気にしないで」
とだけ言って、反論も説得もせず、了解した。
向こうも申し訳なさそうにしている。
残念だ〜。
が、これはもう、しょうがないのだ。この問題に関しては、織り合えないものと割り切るしかない。
これは個人的に「ジェットコースター理論」と呼んでいる。
ジェットコースターは、全然平気な人もいれば、絶対に苦手って人もいる。
つまり恐怖や不安というのは、人それぞれで、理屈ではないということ。
だからジェットコースターが絶対に苦手という人を無理やり乗せれば、それはもはや虐待。
「放射能怖い」と感じるのも同じで、やはり人それぞれなのだと。それは責めるべきものではない。
そして、相手を説得しようと思っても、無理。無駄。
できることは、相手のことを否定して罵り合うようなことをしないこと。お互いに。
今回はそれができて、丸く収まった。
よかったよかった。
…と、気持ちの中ではすんなり収まらなかった!
えーまじかよ〜、なんかその人が某宗教の信者であることがわかっちゃった時みたいな…。
この先、対し方がぎこちなくなったりしないかな…とか。
少し悶々としてしまった。
これで学んだこと。
福島の人たちは、「帰る・帰らない」問題をめぐって、恒常的に、広範囲にこういう苦悩を抱えている。
親しかった友人、先輩後輩、ご近所…いや家族内すら、この問題で分裂、衝突してしまう。
それまでの関係が引き裂かれてしまう。
これはキツいよ。ただの日帰り旅行でさえ、あんなに悩んじゃうんだから、それが生活となれば。
それを実感した。
となれば、今回のキャンセルショックも、無駄ではなかったってことか。
ちなみに、西から赴任してきている先輩の方は今回、原発に比較的近いところに行って、
「煙突しか見えない。建屋は見えないんだね」と、もっと近くに行きたい様子だった。
ほんと、人はいろいろ。
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