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2017年05月22日22:13

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DC−3福島に飛来する

5月22日。
健康診断を終わらせた私はその足で福島空港へ向かう。

午後1時半。
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福島空港の気温31度。暑い。
昼下がりの空港に発着する飛行機は皆無。
ヘリコプターと固定翼機が訓練を繰り返すだけ。

どこで聞きつけたか展望デッキに人が集まってくる。

お目当ての飛行機は神戸空港〜仙台空港〜福島空港と飛んでくるはずなのだが、ちょっと遅れている様子。

待つことしばし。4時少し前
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恐ろしくゆっくりしたスピードで滑走路に進入するプロペラ機。

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ジェット機のようにタイヤから白煙を上げるでもなく、その挙動は実にゆったり。
機首を返してエプロンに向かいます。

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後部にステアリング機構を持つ車輪を有する「尾輪式」の飛行機。
その名は「ダグラスDC−3」

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おどろくべきはその機齢。なんと77年。
1940年製造…昭和15年製造のこの機体はスイスの高級時計メーカー「ブライトリンク」が所有する機体。
今回は「ブライトリンクDC−3ワールドツアー」の一環として、スイスからヨーロッパ、中東、アジアの国々に寄航してようやく本日、こうして福島空港にお越し下さったのです。
福島からは北海道〜樺太〜ロシア〜アメリカ〜大西洋横断〜ヨーロッパと進み、スイスに戻って世界一周を成し遂げる予定です。

昭和15年と言えばゼロ戦のデビュー1年前(皇紀2599年)
太平洋戦争開戦前に生まれた機体が現役で空を飛ぶことに感動と尊敬の念を禁じ得ません。

機体を正面から見てみましょう。

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ダグラスDC−3は1万機を遥かに超える生産機数を誇る航空史に残るベストセラー。
客席はわずかに32席(最大)。
とは言え、現代の私から見るとその威厳のある存在感に驚くばかり。

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降機したクルーに花束が贈呈されます。
27日まで福島空港に滞在する予定です。

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この場合、前輪と言うのが正しいのでしょうか?
着陸装置は固定式。つまり出っぱなし。
見るからに頑丈そうなメカが無類の信頼性を誇ったのでしょう。

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このDC−3は機体内部は現在の規定に合致するように改造が施されていると聞きます。
しかしながら外観は限りなくオリジナル。
中でも称賛するべきはエンジンもオリジナルと言う事。

搭載されるエンジンはプラットアンドホイットニー社製の「ツインワスプ空冷二重星型14気筒エンジン」を二基。
1基あたりの出力は1200馬力を誇ると言います。

最近私たちが見るプロペラの飛行機は小型機を除けばターボプロップファンエンジンを搭載しています。
タービンの出力をプロペラ軸に伝えるターボプロップファンエンジンとは違い、このエンジンは星型エンジンの回転を利用してプロペラを回します。


星型エンジンの動き。
円形に配置されたピストンがクランク軸を廻しプロペラを駆動させます。


ターボプロップファンエンジンの仕組み。
圧縮した空気を燃焼させることによって得られたエネルギーを減速機を用いてプロペラ軸に伝えます。

星型空冷エンジンの飛行機を見ることが出来るとは思いませんでした。
エンジンカウルのディティールとプロペラの奥に見えるエンジンロッド。
感動です。

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空港の東にある展望台からDC−3を俯瞰します。

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世界一周の長旅。
クルーの荷物もさぞかし大量でしょう。
画像のように乗降は後部のドアから行います。
ゆえに駐機中のDC−3の客室の床はかなり傾いています。

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DC−3から伸びる影。
ユーモラス。

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大阪伊丹空港からIBEXエアラインズのCRJ700が到着しました。

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二機をひとつの画面に収めてみました。
DC−3は1930年〜1940年代にかけて一世を風靡した飛行機
CRJ700は2000年代に入ってから開発されたニュージェネレーション世代の飛行機。

時代は変わっても飛行機の本質は何ら変わりません
私が飛行機に惹かれる理由も分かって頂けるでしょうか。

DC−3の世界一周が無事に成し遂げられることを祈念いたします。











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