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2017年04月04日00:19

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2017年冬アニメレビュー1『けものフレンズ』の奇跡

「けものフレンズ」流行の軌跡 たーのしー!フレンズ急増の背景
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=14&from=diary&id=4500061

さあ、2017年の冬アニメも終わりましたのでまとめレビューといきたいと思いますが、

その前に巷で噂のあの作品のことを語らねばいけないと思います。
まず最初に今期を総括すると、ここ最近の冬アニメは不作なことが多かったですが、
今期はいつになく豊作揃いだったと思います。
正直、どれが覇権を取ってもおかしくない・・・
・・・そう思っていた時でした・・・
あまりにも意外な作品が覇権となったのです。
そう『けものフレンズ』です。
ダークホースどころの話じゃありません。
正直、私もまったく気にも留めてませんでした。

放送前「え? 動物の擬人化ネタなんて今更? にゃんこデイズとカブってるし、30分も何やんの?
    しかも放送前に原作のスマホゲー終了とか、始まる前にオワコンじゃねぇか」

1話「うわっ、なにこれ。CGカクカクだし、話も単調だな。こりゃダメだ。
   でも面白くない訳じゃないから切るのは止めとくか」

2話「うん、まぁまぁ面白いかな・・・」

3話「うん、まぁ面白い。面白い・・・」

4話「・・・・・・」

5話「・・・・・・あれ?」

6話「!!? バカな!? ハマってるだと!?」

7話「お替りを! もっとお替りをよこすのです!!」

8話「ライブのダンスショボイ・・・なのになぜハマってしまう!!?」

9話「続きを!! はやく続きが観たい!!!」

10話「いや、ちょっと待て。もう10話だと? いやだ!! まだ終わらないで!!」

11話「ふざけんなあぁぁぁぁっ!!! 監督のうそつきいっ!!」

12話「なんだよこれっ!? オワコンどころか神アニメじゃねえかっ!!!」

いや、マジでこんな感じ。
しかも全話見た後で一話から見直すと、実はかなり丁寧に作り込まれているわ、
話や演出のバランス良いわ、各所に伏線貼ってるわで・・・・・・
つまらないと思ってたら、本能では面白いと感じていたことが解り・・・
はっきり言おう、けものフレンズは覇権どころか化け物であると。
一体誰が予測できただろうか?
クオリティも決して高いとは言えず、それほど珍しい設定や演出でもない。
ましてや放送前の各コンテンツが大コケして放送前には既に死に体状態アニメが大ブレイクするなど・・・
奇跡を通り越した異常事態である。
なにしろ大半がつまらないと思っていたのに、気が付いたら虜になっていたのだ。
最初は「なんでこんなのが人気あるんだ?」「ステマだ」「一過性に過ぎない」と
騒いでいた評論家や海外勢も終盤には掌返しで絶賛。
最後まで抵抗していたアンチも11、12話の衝撃展開に絶句。
ついに今期覇権を勝ち取ったのである。

こんなことがありうるのか? と思う人もいるが、
アニメの世界では「まったく注目されていなかった作品が社会現象クラスの大ブレイクを起こす」
ってことは実は珍しいことではないのだ。

例えば『ガンダム』と『ヤマト』
実はこの二作は初期の頃は、リアル路線が受け入れてもらえず、打ち切りになってしまったのだ。
しかし再放送で大ブレイクし、アニメ史を塗り替える程の大ヒットになった。

例えば『セーラームーン』
実は放送当初はイロモノとして扱われ、ほとんど注目されてなかったのだ。
しかし日常と非日常のミスマッチ感が大きく受け入れられ大ヒット。
今はプリキュアシリーズに受け継がれている美少女バトルものの金字塔。

例えば『ドラゴンボール』と『キン肉マン』と『遊戯王』
実はこの作品、原作は当初打ち切り寸前だったのだ。
しかし、路線変更が功を奏し、今ではどちらも世界的に人気な作品である。

例えば『トップをねらえ』
実はこの作品は元々ガイナックスが『オネアミスの翼』の大コケで出た大赤字を補填するために作られたもので。
当初はパロ要素の強いイロモノ作品に過ぎなかったのだ。
このヒットがなかったら後のエヴァはなかった。

例えば『JOJOの奇妙な冒険』
実は前作の『バオー来訪者』が打ち切りを喰らっていたのだが、女性誌でバオーの人気が再燃。
作者が再評価され。後のJOJOに繋がることになったのだ。

例えば『ファイナルファンタジー』
実はこれが出るまで、製作会社のスクウェアは倒産寸前だったのだ。
(最後の賭けということであのタイトルになったらしい)

例えば『ロードス島戦記』
当初は雑誌のD&Dリプレイ記事に過ぎなかったのが、TRPGブームの先駆けとなり、
ある意味ラノベの先駆的存在ともいえる作品に・・・

例えば『ポケットモンスター』
実はゲームが発売した当初は、携帯ゲーム機自体が既に衰退してて、オワコン寸前だったのだ。
このゲームがなければ後のDS等も生まれてなかった可能性もあったのだ。

例えば『月姫』と『ひぐらしのなく頃に』
当時、同人ゲームは二次創作が主流で、オリジナルは片隅で細々とやっている程度だった。
実際、最初は全然売れなかったらしい。
しかし、口コミで人気が爆発し、アマチュア作品がアニメ化と言う前代未聞の事態になったり。
(もっともこの二作のブレイクを期に市販ギャルゲーが衰退し始めたが・・・)

例えば『リリカルなのは』
前にも語ったが、この作品は『とらいあんぐるはーと』というギャルゲーのパロディスピンオフに過ぎなかったのだ。
それが今では、劇場版が出るほどの大人気作。本家は既に痕跡すらないwww

例えば『ラブライブ』
実は当初はただの読者参加企画に過ぎず、一期の評価はイマイチだったのだ。
しかし一気終了後から人気が上がり始め、ついには紅白出場にまで上り詰める。

例えば『孤独のグルメ』
実は本来この作品は超マイナーな作品だった。しかし十数年後に変わり種漫画を紹介するサイトで紹介されて人気が爆発。
今では中年男性のバイブルと化し、ドラマもシーズン6が出来る程の人気作。
プチグルメ漫画の先駆者となったのだ。

そして例えば『君の名は。』
実はアマチュア上がりの新海監督は一部のヲタクの間でしか注目されていなかった。
それがまさかの240億円越えの大ヒット。今や宮崎駿と並ぶほどの有名アニメ監督に。

・・・と言うように、よく知られている大ヒット作の大半は。
実は当初は注目されてなかったり、人気が今一つだったものが多いのだ。
そして今、新たにけものフレンズがその候補に入ったのである。

もちろん、現時点ではまだ候補に過ぎず、
本当に伝説になるかどうかはこれからが本番である。


・・・と、前置きが長くなってしまったが、
ならばなぜ、死に体だった筈の『けものフレンズ』が覇権にまで至ったのか?
・・・・・・実の所、
現時点では「よく解らない」としか答えようがない。
なにしろ大半の人が「気が付いたらハマってた」のだから。
先も言った通り、クオリティは決して高くない。
話も演出も特に奇をてらったことはしていない。
強いて言うなら

『普通に面白かった』

からである。
なにをあたりまえなことを言ってるんだ? とお思いでしょうが、
実は今はその『普通に面白い』ものを作るのが意外と難しいのだ。
なぜなら下手に作っても大抵の人がこう評してしまうからだ。

『ありきたり』

だと。
最近の作品はこのありきたり評価を警戒して作る傾向が強い。
しかし、ありきたりと言うのは良い意味で言えば『定番』『王道』。
一番消費者に受け入れやすい題材でもあるのだ。
そのため、斬新さと定番のバランスを取ろうとしている。
最近流行っている『異世界転生もの』や『学園能力バトルもの』も
定番に大きなアレンジを入れて作られたものである。
しかし、やりすぎてしまい、今ではこれらも『定番』→『ありきたり』になってしまっている。
そんな中けものフレンズはあえてその逆、
『王道中の王道』を最後まで徹底して貫き通して作られているのだ。
もちろんそれだけではないが、
下手に斬新さに頼らずに基本に忠実にした分、シーンやキャラの一つ一つを丁重に作り、
絶妙に張っておいた伏線や布石をラスト2話で一気に爆発させる。
いうだけなら簡単だが、実際にそれを作るのは大変なことなのだ。
その大変なことをスタッフは見事やってのけたのだ。

今思うと『君の名は』が大ヒットしたのもこのあたりなのかもしれない。
この映画を面白くないと言っている人は大抵こう評している「話がありきたり」だと。
だが消費者の大半は「その『ありきたり』を評価している」のだ。
であれば、あれほどヒットしていたにも関わらず、業界には全然評価されていないのも解る気がする。

クオリティが低くても、『ありきたり』でも、
面白いものは作れる。

けものフレンズはそれを篤と示したのだ。

当分、この興奮は収まりそうにない。

残りのアニメについてはまた後日。
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