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2017年03月28日13:47

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「教訓」とは何か。

毎度おなじみ、何か一度起こると蓋をする・・というある種の
「盲目的・無思考的対応」というべきか。

事が学生未成年、しかも多数の犠牲ゆえこういう対応に至ることについて、
一面では理解出来るフシはあろうし、一定の妥当性もある。

但し、あくまでも事故原因や対策等が一定程度成され、確立される見通しが立った暁には、
「安全にまた再開されること」を念頭に置くことが前提で、それには何より
教育上にある有用性はもちろん、本当の安全環境の良化と、登山レジャー全般の
発展向上にも繋がるからだ。

この辺り、成人を対象にした同類の事案、更には救助活動にも言及した、
いわゆる「迷惑をかけるな」論や「最初からやるな、近づくな」論にも関連するが・・。

リスクや危険というのは、実際に事故が起こらなければ、
またはその直前にまで至らなければ本当の意味合いや怖さ、重さというのが判明しない・・
という「悲しい性質」を内包しているものであるが、現実にはそこにこそ本質があるもので、
「失敗を経ることで教訓を学ぶ」ということなくして人は進化しないものである。

無論、いたずらに貴重な命を失い、悲劇が起こることとの対比を深く鑑みた場合、
出来るだけリスクを減らすことはもちろんのこと、「だったら最初から手を出さない」
という一番簡単な結論を求めがちになる、至ってしまうのも必然な面はある。

しかし、元来が人間は「自然の中で生かされている」という大前提を考えた時、
だからこそ「自然の猛威に抵抗しない」という理屈と、
だからこそその自然と「どう対峙し克服の術を身につけるか」という理屈は、
常に相関関係にあるという、「デフォルトのテーマ」である・・
ということを無視してはならない。

そのことを考えた時、本件は学生による、まさに「安全登山」のための技術会得の機会であり、
いたずらに自然と対峙しようとした背景は根本的にない、といってよい。
当然、学生未成年であることを前提に、なお一層の慎重さが計画や準備にあったか否かは、
一般成人の類とは性質を異としたもので見透かさねばならないのは言わずもがなとしても。

そうして会得してゆく技術の数々と、技術以外で学ぶ要素の数々は、
以後成人を経て生きゆくどの場面かで役立つ可能性と、他方では
登山業界のどこかしか、あるいはレスキュー方面への昇華があるとした時、
「経験値を重ねることの尊さ」は、理論や机上のレクチャーとは比較しようのないものである。

とりわけ、過酷な自然が前提にある登山という分野を前にして、
体力的な素養を武器に克服するプロセスには、何物にも代え難い貴重性がそこにある。
加えて経験値の観点でも、早くから出来るだけ多く積み上げることは何よりも重要性が増す。

もしもこの中から将来、レスキューの道に進む者がいたならば、
それは我々庶民にとっての大変貴重で有力な人材として寄与するものになる。

もしもこの中から将来、登山道具の開発や類する安全工学の道に進む者がいたならば、
その過程で更なる安全な道具や先進的な手法さえ生まれていく可能性が内包されている。

それらは安全構築や救助の界隈に留まらず、「経済的な発展や進化」とも密接に絡むもので、
そこで生まれるものは国内に限定しない、「国際貢献や経済的寄与」にも
繋がっていくものである。だからこそ、その「歩み」を止めてはならない側面がある。

登山レジャーの分野にて、国内のみで言うならどれだけの需要と経済利益があるか、
一口に示せない面はあるも、もしその歩みを止めたならどれだけの損失があるか。

一方、レスキューに特化するなら、登山レジャーその他で救助を要する場面を前提にした時、
実際の活動知見と経験値は、数多くの訓練よりも遥かに有効となり得るものである。

また単にレジャーを禁止、または極度の制限をかけることは、登山者自身のリスクを抑えるのと、
対して救助者のリスクを抑えるという利点に対し、反面では登山者自身のスキルはもちろん、
レスキューにおける経験則とスキルも自ずと低下することを意味する。

そして何よりも、存在や技術等の数々は恒久的に繋いでいかねばならないものであるからして、
尚更そのスキルや経験値は絶えず継承しつつ、更に向上進化を目指すのが必須なのである。

そう考えゆく時、危険要素や事故をを前にして闇雲にフタをすることは、
総合的な利益と損失の秤にかけた末に、果たして利益の方が大いに勝るのか否か・・
そのことをよく鑑みねばならないだろう。

このことを漠然と「風が吹けば桶屋が・・」に当て嵌めることが適切か否か・・
という議論が起こる事は考えられ、時に不適切な印象さえ派生するだろうが、
しかし、その側面が非常に大きいのも否定しようのない事実なんである。

■高校生の冬山登山自粛を=スポーツ庁
(時事通信社 - 03月28日 06:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4498570
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