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2017年03月05日01:00

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『ロサンゼルス暴動(Los Angels Riots)』とは?

トランプ大統領当選以降、多民族国家であるアメリカに、『白人至上主義』が蔓延し始めてるという事が、NHK『クローズアップ現代+』で報道されている。
もっとも当人たちによれば、
『今までマイノリティが優遇され、逆差別されてきた自分達は、本当の権利をとりもどすときに来ている』
そうな。


多民族国家と呼ばれているアメリカだが、白人至上主義・排外主義・LGBT排斥主義とされる人たちは少なくない。
例えば南北戦争後結成したテロ組織『KKK(クー・クラックス・クラン)』。
構成員は白衣と白い覆面をかぶって活動し、黒人・カトリック教徒等マイノリティを排撃し、暴力的な行動をとることが多い。
現代も数百万人の会員がいる。
加えて、近年台頭してきているのが、『オルトライト(オルタナ右翼)』
『白人こそが虐げられていると考え、その権利を主張している』
と語り、時に白人以外の人間に対して暴力をふるうこともあるという。
ちなみにトランプ大統領の支持率は40%と、近年のアメリカ大統領の中では最も低いが、それでも共和党の人間は87%彼を支持しており、人々の社会の断絶がうかがえる。


ヘイトスピーチ(憎悪表現)の一歩進んだ形、

『ヘイトクライム(憎悪犯罪)』。

人種、民族、宗教、性的指向などに係る特定の属性を有する個人や集団に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる暴行等の犯罪行為を指す。
(去年の相模原障害者施設殺傷事件もヘイトクライムという指摘がある)
近年有名なアメリカのヘイトクライムが、1992年の『ロサンゼルス暴動(Los Angels Riots)』。


暴動が最初に起きたロサンゼルスのサウスセントラル地区はかつて黒人地区であったが、ヒスパニック系が居住者として取って代わるようになり、一方では韓国系アメリカ人がそれまで黒人の所有していた酒屋や雑貨店などを買い取って商売をはじめていた。
こういった地区では商店などの経済競争が人種間の憎悪を高めていった。それまで黒人が一手に引き受けていた単純労働は、半分の賃金で働くラテン系移民へと移っていった。
また、韓国人(コリアンアメリカン)による極端とも言える黒人蔑視などもあり、韓国人商店と客である黒人住人との関係のみならず、黒人社会と韓国人社会全体が明確に断絶していた。黒人住民たちは韓国人商店の客扱いが酷く商品が値上がりしているとの不満を持っていた。


1991年3月3日、黒人ロドニー・キングがスピード違反を犯し、LA市警によって逮捕された。その際、20人にものぼる白人警察官が彼を車から引きずり出して、装備のトンファーバトンやマグライトで殴打、足蹴にするなどの暴行を加えた。
にもかかわらず陪審員裁判の結果、1992年4月29日に無罪評決が下された。(黒人の陪審員がいなかったとも)
たまたま近隣住民が持っていたビデオカメラでこの様子を撮影しており、暴行の映像が全米で報道され黒人たちの怒りを膨らませた。


ロドニー・キング事件のわずか13日後となる1991年3月16日、黒人少女(当時15歳)であるラターシャ・ハーリンズが、店とのトラブルの末韓国系アメリカ人の女性店主、斗順子(トウ・スンジャ、Soon Ja Du、当時49歳)に射殺された。
8か月後、判決が11月15日に出された。陪審員は16年の懲役を要求していたにもかかわらず、5年間の保護観察処分、およびボランティア活動400時間、罰金500ドルという殺人罪としては異例に軽いものであった。
この判決は黒人社会の怒りを再び煽ることとなり、無実の黒人少女を射殺するというこの事件により、黒人社会と韓国人社会間の軋轢は頂点に達した。


1992年4月29日、LA市警の警官への無罪評決が下されたこの日、評決に怒った黒人たちが手の付けられない暴徒と化し、ロサンゼルス市街で暴動を起こして商店を襲い、放火や略奪をはじめた。


有名なのが白人トラック運転手、レジナルド・デニーへの暴行。
若者の黒人たちによって、コンクリート塊でこめかみを強打されたり、倒れたところを頭部に数十キロの鉄の塊(エンジンブロック)を投げ落とすされるなどしている。この様子は地元TV局の取材ヘリから空撮されており、この衝撃的なシーンは幾度となく繰り返し全米にTV放送され、彼はロサンゼルス暴動におけるもっとも著名な被害者となった。(一命はとりとめる)
主な襲撃目標となったLA市警は自らを守るだけで手一杯の状況となり(デニーへの暴行でも最後まで現れなかった)、暴動を取り締まることはまったくできなくなっていた。


襲撃による被害額の半分弱が韓国人商店のものであるともされる。韓国人商店主らが防衛のために拳銃を水平発射しているシーンも幾度となくテレビにおいて放映された。
ちなみに彼ら韓国人店主らの多くはベトナム戦争の帰還兵だった。ベトナム戦争に参加した韓国人帰還兵に米国政府が移住許可を与えたため、70年代に韓国系移民が4倍も増えた。
彼らは主に競合相手のいない黒人街で商売を始め、従業員には黒人でなくヒスパニック系を雇い、閉店すると店を厳重にガードし、そそくさと韓国人街へ帰るというスタイルで商売していた。黒人の間では「自分達を差別しながら商売する連中」というイメージが定着し、そうした黒人による日頃からの韓国系への鬱憤が、暴動時の韓国人商店襲撃へと結びついたといわれている。


翌日の4月30日、当時の市長トム・ブラッドリー(黒人。翌93年9月末退任)は非常事態宣言を発令した。
暴動鎮圧のために州兵は元より、4,000人を超える連邦軍(陸軍、および海兵隊)部隊までが投入され、さらには司法省が、ロドニー・キング事件について、公民権法違反(第7篇。人種差別行為禁止)容疑でのFBIによる再捜査をアナウンスするなどの努力によって、6日間にわたった暴動はようやく収束を見た。


暴動による被害は死者53人、負傷者約2,000人を出し、放火件数は3,600件、崩壊した建物は1,100件にも達した。
被害総額は8億ドルとも10億ドルともいわれる。(おおむね850億円から1000億円)
韓国人街は市警が暴動鎮圧に消極的だったと厳しく非難した。また彼らは『無実の我々が犠牲を強いられた責任は市当局にある』と述べた。
この事件での逮捕者は約1万人にものぼり、そのうち42%が黒人、44%がヒスパニック系、そして9%の白人と2%のその他の人種が含まれていた。


暴動後、ロドニー・キング事件の再審理を求める世論が盛り上がり、FBIが公民権法違反で再捜査を行った。再審理の結果、暴行の指揮をしたクーン巡査部長と直接関与したパウエル巡査の2人が有罪評決。キング氏に約382万ドル(当時レートで約3億9700万円)の賠償金を支払うよう評決を下した。


X JAPANは、このロサンゼルス暴動を悼み、人種愛を願ってバラード
『Crucify My Love(この愛を磔にして殺して)』
を作曲している。(僕は『Tears』に次いで好きな曲だったりする)
『Color(色)』は肌の色を暗示。
Youtubeに載っているので、最後に掲載してこの記事を締める。
今後ロサンゼルス暴動のようなことが、アメリカ、日本および世界に起こらないことを祈る。





【Lyrics / 歌詞】
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《CHORUS 1 / 1サビ》
Crucify my love
If my love is blind
Crucify my love
If it sets me free
Never know
Never trust
"That love should see a color"
Crucify my love
If it should be the way
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《CHORUS 2》
Swing the heartache
Feel it inside out
When the wind cries
I'll say goodbye
Tried to learn
Tried to find
To reach out for eternity
Where's the answer
Is this forever
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《VERSE 1》
Like a river flowing to the sea
You'll be miles away
And I will know
I know I can deal with the pain
No reason to cry
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《CHORUS 1 Repeat》
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《CHORUS 2》
'Til the loneliness shadows the sky
I'll be sailing down
And I will know
I know I can clear clouds away
Oh Is it a crime to love
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《CHORUS 2 Repeat》
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《CHORUS 1'》
If my love is blind
Crucify my love
If it sets me free
Never know
Never trust
"That love should see a color"
Crucify my love
If it should be the way
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【日本語訳】
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《CHORUS 1 / 1サビ》
自分の愛を 磔にして殺して
この愛は 目が見えていないというなら
自分の愛を 磔にして殺して
それで自由になれるなら
知りもしないし 信じもしない
"そんな愛に 色をわからせろ"だなんて
自分の愛を 磔にして殺して
そうなる定めにあるのなら
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《CHORUS 2 / 2サビ》
心の痛みを揺さぶって
隅々までそれを感じて
風が泣き叫んだとき 自分は別れを告げるから
解ろうとして 探そうとして
永遠にたどり着こうと
答えはどこなのか これは永遠なのか
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《VERSE 1/ Aメロ》
海へ流れる河のように
貴方は遠くへ離れていって
そして知ってしまう
痛みなど扱えてしまうことを
涙を流す理由もなくて
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《CHORUS 1 Repeat / 1サビ 繰り返し》
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《CHORUS 2 / 2サビ》
空が孤独に曇らされるまで
自分は河を下りつづけて
そして知ってしまう
孤独の雲など晴らせることを
ああ そんなことは 愛に対する罪なのか
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《CHORUS 2 Repeat / 2サビ 繰り返し》
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《CHORUS 1' / ラストサビ》
自分の愛は 目が見えていないというなら
この愛を 磔にして殺して
それで自由になれるなら
知りもしないし 信じもしない
"そんな愛に 色をわからせろ"だなんて
自分の愛を 磔にして殺して
そうなる定めにあるのなら
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『「これは気持ちがすごく落ち込んでる時に、"どうせなら、とことん­落ち込んじゃえ"と思って、自分にとって痛い曲を作りたかったと­いう......"何もかも全部終わっちゃえばいい"みたいな、そういう­心境から作り始めて。で、すごくキレイなメロディーで、すごく残­酷な詞を書こう、って。
"CRUCIFY "って日本語じゃないから、たぶんピンとこないと思うんだけど、­英語だとすごく強力な言葉なんですよね。すごく残酷な言葉で......­(曲タイトルの意味は)"自分の愛を迫害してくれ"っていうこと­でしょ?まぁ、ラブソングに近い雰囲気で書いたんだけど、実はい­ろいろなメッセージが入ってて。
僕はロスアンジェルスに住んでて、暴動とかもそうなんだけど......­これは、人種間の愛を描いている曲なんですよね。ホントは。
"もし、愛が肌の色を選ぶなら、自分の愛を終わらせてくれ"みた­いな......最初から英語で(詞を)書いちゃったんで、うまく訳せな­いんだけど、そういうことを入れつつ、すごく痛い曲にしたかった­。プロモーション・ビデオを見てもらうと、もっと分かるんじゃな­いかな、と思うんだけど』
『SHOXX』97年3月号(音楽専科社)より


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