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2017年02月26日23:29

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過去を振り返って(9)

実の無い会議


課長との家電量販店でのOJTも終わりに近づいてきた、ある木曜日

課長が事務所内で、大きめの声を出す

「来たよ〜っ! 魔の木曜日が!! みなさん心してかかってね」

やる気のない重い声で社員の一人が「了解でーす」と答える

事務所にはオレと課長以外に、オレと同じ仕事をする先輩社員が3人いた。

【魔の木曜日】とは、仕事の発注元である電話会社の営業部のお偉いさん達との会議の事だ。
「毎週木曜日は大変だからね」と、事前に課長から聞いていた。


会議は電話会社の会議室で行われていた。
会議資料などが入ったダンボール箱を車のトランクに積んで
それに5人乗って電話会社に向かうのだが、みんな無言で表情が暗い。

10分ほど走った後、電話会社に着き会議室に入って、お偉いさん達を待つことになる。
しばらくして、3人のお偉いさん達が会議室に入ってきた。

軽く挨拶を交わし、全員が席に着く
課長が小声で、会議資料を全員に配るようにオレに指示してきた。

オレはダンボール箱から会議資料を引っ張り出し配りだす
その最中に、課長は電話会社のお偉いさん達にオレの紹介をはじめた
配るのにも気を使いながら「よろしくお願いします」と挨拶をした。

会議資料が全員のテーブルの上に置かれ、いよいよ会議が始まる。

お偉いさん達はしばらく会議資料を眺めて、お偉いさんの一人が
「今日は○○君から始めようか」と先輩社員の一人を指名した。

先輩は会議資料を見ながら、先週の契約状況の報告をする。

そして報告が終わると、お偉いさんが激しい口調で
「これ、どうなっているの? この間の日曜日は全然、契約が取れてないぞ!」と言った。

オレは会議資料を開いて、先輩の担当する家電量販店の日曜日の契約数を見てみる
そこには数件の契約数があった。全然と言ったが0では無い。

指摘された先輩は
「その日は他社がイベントしていて、そちらに集客してしまい契約が伸びませんでした。」と
説明をした。

家電量販店にブースを構えているのは、ウチが請け負っているこの電話会社だけじゃなく
ライバル他社もいるのだ。

「また言い訳ですか、それでも契約を取ってくるのが、あなた達の仕事でしょ?」
更に激しい口調で、お偉いさんは言った。

オレも前の会社で営業経験があったので、これくらいまでの責めは体験した事はあったが
この後、未経験の領域に入るのであった。




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