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2017年01月04日23:45

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2017、瓦のお話

あけましておめでとうございます(遅い)
特にこれといって書くようなことも無いのだが暇なので何か書く。


今日ちょっと見積もりに行ったんだけど、あぁ仕事の話です。
現場の瓦が廃盤なんですよね。よくある話なんですが。

和瓦(和形J形)は一応規格があるんですよ、JISがね。
JってのはJAPANのJ。
主に、49A形、49B形、53A形、53B形、56形、60形の6種類。
簡単な話、1坪で何枚かって事。49Aなら49枚、53Aなら53枚。
民家で主に使われるのは53Aかな。
AとBの違い?縦横の長さが微妙に違う程度。
大工が作った屋根の寸法に対して真物(加工しない瓦)だと割り切れない数字が出たりしたときにABを使い分けるってのが本来の目的なんだけど説明がめんどい。
そしてどこの屋根屋さんも53Aだけで葺く事が多いかな。
瓦の割付って地割っていうんだけど、コツがあるんですよ。まぁ建築系の方や工業系の方は何となく分かるかな。逃げってやつ。
どこに逃がすか、どうやって逃がすか?はその職人さんの美学とか腕なんだけどね。
築年数が80年とかの物件だと56とか60もありますが規格がない時代の産物なので寸法はまちまち。修理の際は非常に困ります。
他にも地方の小さい窯元なんかだと規格外の寸法の瓦なんかもあります。
ただ和形に関して言えばなんとかなる。変な寸法でも加工して調整することができますからね。

他にS形とF形という瓦があるのだが、S形もF形も一応規格はあるんですよJISがね。
S形はS字の瓦、F形はフラットのF。
基本S形は坪49枚、F形は40枚で規格の寸法も決まっています。
では何が面倒か?という話ですが、S形は施工が面倒。
ことF形はもっと面倒。細かい形状が製品によって違うのです。
主に山の高さや重ねの形状、防災仕様におけるロック爪の位置、形状。
こいつらは加工だけじゃ納まらない場合がほぼほぼ。

約20年前は三州瓦の窯元は約130社ほどありましたが、不景気や時代の流れで現在約20社程。
当然潰れてしまった会社の製品は廃盤となっており基本入手不可。
こういう製品に時々当るんです。
今回の現場も該当、しかも雨漏り・・・。
既存の瓦を剥いで下地直さないとならんのだが葺き替えるのもなんだかなぁ。
勿体無い気もするのよね、瓦自体はそんなに悪くないのですよ。
既存の瓦乗せてもコストかかっちゃうしかといってスレートなんか葺きたくないし。
むー。

スレートについて。
長いからこれで終る。
皆さんスレートは良くないです。私が瓦職人だからって話ではなくコストの話です。
もちろんスレートの施工もしますし。
単価の話は具体的に書けないので簡単に話すが瓦:スレート、約10:6。
これは初期費用、イニシャルコストになりますがスレートって劣化と退色するんですよ、10年くらいで白くなります。
劣化退色を防ぐためには塗装しなきゃならんのです。その際のコストを10年で1回だと計算するとですね・・・。
あら不思議!瓦:スレート、6:10になるんです。
まぁ坪数によって増減するので大体の目安と受け取って下さい。

屋根工事をされる方はよく考えて屋根材を選ぶ事をオススメします。



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