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2016年12月05日00:13

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移転によって発生する各種問題・・。

前にも触れたこの件ですが。
色んな問題を孕んでいて、多角的に観た場合どうあるべきか、
かなりデリケートな問題ですねえ。

あくまでも日ハムの視点だけで云うと、やはり移転するにしても各種条件が揃わない限り、
相当苦しい経営を強いられる恐れがあると観ています。
その中でかねてから囁かれている、候補地「北広島市」。

漠然と、利用者(ファン)だけで観るなら、近隣だったり所要時間の短縮だったりという
利便性を主体に利点を前提として歓迎する向き、その逆もまたあるわけですが・・
先ず以って、数少ない情報しかなく、おまけに構想の中身が全く見えない状態では
判断し難いですが、正直成功の可能性は現状「低い」「厳しい」と思いますね。

北海道の場合、商圏構造が他府県と比べて特殊・・というより極めて歪で、
広大な面積の割にバランスが悪く、まさに「一極集中状態」にあります。
言うまでもなく「札幌市」に寄り過ぎている。

しかもその札幌市、更にその中で一極集中にあり、JR札幌駅〜大通り周辺〜すすきの界隈・・
この狭い範囲に商圏の大半が凝縮、その他地下鉄沿線上にごく限られた商圏が僅かに点在、
全体的には「居住圏」が覆っているような状態です。
東京や大阪のように、各々の地域で繁栄し、四方八方に伸びている状態ではない・・

なので、他府県のような距離感覚は、札幌では全くといっていいほど当て嵌らず、
中心部から僅か地下鉄で10数分の距離でさえ「遠い」とされてしまう・・
そんな感覚の中で、隣街に位置する北広島市は、僅かの距離にあるにもかかわらず
俄然「遠い距離」としてみなされてしまうという。

そしてその北広島市は、札幌のベッドタウン的な様相にあり、商圏というよりも
居住地区の構造なため、ここへ出向くメリットと言うのは特段のものがない状態です。
だからこそ、球場誘致により活性化を・・との目的があるわけですが・・

少ない情報の限りでは、構想には球場周辺にホテルや遊興施設のような構造とし、
「ミニタウン状態」を築く・・という内容のようで、野球観戦以外でも利用を見込む
「通年型の施設」とし、利益構造を構築しようとしている、と。

しかし、こうしたある種「リゾートタイプ型」に類似する開発は、そこに存在する意味・価値があって
初めて具現化するものであり、この場合は球場施設の更なる周辺が相応の活性された状態、
言うなれば「ついでに立ち寄れる何か」があって初めて機能化するもの。

丸々一日フルに遊べて・・のような盛りだくさんの構造ならまだしも、
あくまで球場というメーン施設に華を添える程度だと、わざわざ遠隔地まで足を運ばせることは
中々困難だと思います。なので、北広島市自体がもっと大開発するような、
連動した都市開発をするぐらいでないと、気軽に沢山の人を常に流入させることは困難でしょう。

しかし観ていると、あくまで北広島市は誘致のみに邁進、
日ハムが移転=街が活性化し、自動的に潤う・・という「おんぶにだっこ」な雰囲気にあります。
これでは、静かな住宅街にポツンと歪な格好でボールパークが横たわってるだけ・・
のような状態で、全体的な雰囲気はある種「異様」なだけになります。

その球場は文字通り、プロ野球の開催があって初めてフル稼働するわけですが、
では野球開催は年間どれほどかというと、今年の場合・・

●オープン戦 7試合
●レギュラーシーズン 60試合
●ポストシーズン <クライマックス戦> 5試合 <日本シリーズ> 3試合

合計で75試合・・即ち75日しかフル稼働する日がない、ということになります。
しかも、今年は最後まで戦えたのでこの日数ですが、Bクラスで終えれば70日以下となります。

一年の内有力な稼ぎ時はたった2ヶ月少々しかない。
残りで如何に収益を上げるかが相当な鍵になるでしょうが、上記のような歪な構造だと、
ここへ足を運ぶ動機が高まり難いでしょう。

しかも北海道は冬期が長いので、遊園地のような施設は通念稼働が事実上不可能。
となると、必然的に屋内施設を主体にせざるを得ない・・
屋内施設は建設や維持管理に経費が余計に掛かる・・
ホテルにしても、そこで宿泊する動機には、フルに一日遊興出来る内容であるのと、
主体にある野球開催の日しか大きな稼働は見込めない・・

そう考えると、年間通じて定期的にアトラクションやイベントを企画し、
施設の内容をマイナーチェンジし続ける必要がありますが、果たしてそこまでの試算まで
見通せるのかどうかは・・・

○【球場構造と稼働率の問題】

もう一つの問題が、この球場の構造。
以前「開閉式ドーム」の構想が一部ありましたが、その場合はやはり冬期積雪の影響度と、
技術的な問題、それに掛かる試算を考えると不透明な点が複数あります。
仮に密閉型ドームであったとしても、建設費と維持費にはどれほど掛かっていくのか・・。

もう一つが「稼働率」。
純粋なプロ野球ホーム開催は、上記のように年間で僅か70日前後。
練習その他で少しの日数を上乗せしても、基本的に営業稼働でないと利益が発生しないので、
残る大半でどれほど営業稼働させられるかが、償却面での鍵と思います。

そこで真っ先に浮かぶのが「コンサート」等の催事営業。
キャパ数も不明ですが散見される所を観ると、どうも3万数千・・4万までにはないようです。

借りる側であるプロモーターの視点で考えると、キャパ自体は充分な規模でしょう。
問題は「賃貸料」と「立地条件」。単純に比較対象である札幌ドームより安くなることは
想定出来ますが、どれほどの率で安くなるか・・。

一方の立地条件。コンサート動員の核は何と言っても演者、即ち「催事内容」如何ですが、
立地条件が悪ければ、動員力にも影響を及ぼす恐れがあります。
つまり、「札幌ドーム」やその他市内の会場より、行きにくいとされる可能性がある・・

そうなると、会場料の割高さを考慮しても、下手すると遠くの新球場を借りる動機、
メリットが下がる可能性があり、場合によっては札幌ドームを借りた方が総体的に得策・・
ということが起こる可能性があります。これは借りるプロモーターにとって頭を悩ませるでしょう。

この辺りはコンサートに限らず、各種イベントの企画や主催者にとっても同様。
少し遠方の北広島まで多くの動員を図るには、余計に中身が勝らないと手を出し難くなる。

更に催事賃貸ともなると、各種要件が発生します。
障壁となるのは「グラウンドの芝」。こちらも聞こえて来るのは“天然芝”を考慮してるとか・・
そうなると、コンサート等はステージの重量物が乗るので、「養生対策」が避けられません。

人工芝でもやはり同じで、天然に比べればまだ楽ですが、天然芝だと
作業や手間、時間と神経を要しますので、借りる側にとっては大変「使い難い」。
プランによっては変更を余儀なくされるケースも出て来るかもしれません。
また、アリーナ客席部も例外ではなく、養生には相応の手間が掛かることが予想されます。

こうしたことまで総合すると、使いやすくて割安、その分と観客の利便性・動機とで
相殺した結果、どれほどのメリット、アピールポイントが球団側から提示されるか・・
札幌ドームと比べてどれほどメリットがもたらされるか・・不透明感が否めないでしょう。

こうしたことの大半は、単なる日ハムファンにとっては直接殆ど関係がないことで、
重要なのは行きやすいかどうか、観戦しやすいかどうか、その他の楽しみがどれほどあるか・・
そんな所に限られるでしょう。しかし、応援する球団の収支や経営状態が悪ければ、
応援する選手の年俸、戦力全体構成、熱の高まり具合、果ては球団存続面にまで及ぶことで、
それはファンの側に巡って降りかかることでもあります。

「そこまで知ったこっちゃない・・」というスタンスならばそれはそれ、
話の手前で終わる意味のないことですが(笑)、純粋なファンとして観ると、
とりわけ広い北海道全体にまでようやく浸透した地元球団の経営や存続にまで
影響する・・と考えると、これは単に球団だけの問題でもなくなって来る・・
という気がしてなりませんねぇ・・。 

日ハム本拠地問題巡り4者協議
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4325218
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