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2016年10月20日23:53

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ノン子は大人だった・・・(中編)

・・・ノン子は自ら語り始めた。。10年経った今になってさえ、自分の事を想ってくれているこの男に対して誠意をもって対応するかのように。。。「どうして消息を絶ったのか?」・・「ここ10年間何をしていたのか?」・・「オイラが望む復縁にOKしてくれるのか?」
おっと、もう一つ・・・大事な事が抜けていた。。「どうしてオイラに会おうという気持ちになったのか?」。。

ノン子 『突然のメールには本当に驚きました。。返信メールを打ちながら、同時にこうも思いました。。「この人は、今になっても私の事を想い返している。。彼の恋愛の時計の針は、タイムトリップしてしまい・・いわば10年前のままになってしまいました。。その時計の針を動かし始めてあげなければならない(年齢的にも)。。頭がよく、金持ちで、優しいとひさん・・・それだけの人が私みたいな者に目を向けず、もっと素晴らしい女性とこれからももっと知り合いになれるはずだから・・・だからまた前に進んでほしい・・・その針を進めてあげられるのは、私しかいない、と思ったから。。ただそれだけです。。でも、家を出て、待ち合わせ場所に向かう最中こうも思いました。。「大好きだった人に10年ぶりに会うというのは、どういう気持ちになるのか、」・・・初めての気持ちなだけに、好奇心が出た・・・というかそれも知りたかったから。。走馬灯のように想い出して、涙が溢れてくるのか。。それとも自分の心は既に治まっていて、何ら感情も生まれないのか・・・結果は後者の方でした。。

また、この10年の間、大好きなヒトが出来ました。。そのヒトとは5年半付き合いましたが、彼に別れを切り出される形で別れてしまいました。。その別れを境に、次々といろいろな不幸の出来事が立て続きに起きて・・・男はもとより、人間とは一体何なんだろう、と思うようになり、人間不信に陥りました。。そうして、どん底の人生を送っていた時に、偶然「救世主」ともいうべき人が現れて、その人のおかげで今こうして立ち直っています。。

突然あなたの前から姿を消してしまったことは本当にすいません。。あの3ヶ月前に・・・私を結婚前提の彼女として紹介しようと、とひ家主催の福島の旅行に呼んでくれましたね。。賢くて優しいご両親のもと、裕福な家庭に育ち、頭もいいとひさん・・(とひさん!?・・どうして昔の・・昔のアダ名で呼んでくれないのか?・・昔のように「おにい」と呼んでくれ!!)
・・・そんな素晴しい家庭を間近で見て・・・・私みたいな者がこの家庭におさまってもいいものか・・・・そんなことを考えているうちに・・・家を出ていってしまった自分がいました。。。』
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それはウソだ。直感ですぐに噓だとわかった。・・・いや噓は言い過ぎだが、理由としては薄い。。確かに理由のひとつかもしれないが、あくまでも副次的な理由にすぎない。。5年半付き合った男の交際時期をさりげなく聞いてみた。。
・・・やっぱりカブッとるやないかい(笑)
ああ・・やっぱりそうか、好きな男が出来ていたのだ。5年半付き合ったその男の下に行ってしまっていたのだ。。突然消息を絶った理由・・・こうして10年経った今ようやく解明された。。「男」だったのだ。。(そのような思い当たる節は、今回想しても特段思い当たらない。。同棲していても気が付かないオイラって・・・女って恐ろしい。。)

だが、消息を絶った時の彼女の年齢はまだ25歳の時だった。一人と長く付き合っても、やっぱり25歳は多感だし、まだまだ遊びたい冒険したい年齢でもあろう。。(俺だって25歳の時に、福島の勤めていた会社を辞め、「お笑い」の世界に飛び込んだし。。)・・そこに俺には無い魅力的な何かを感じたというその男に魅かれた、というのも、運命だったのかもしれない。。
それに、俺に「好きな男が出来たから、別れてほしい」と別れ話を切り出したとしても・・・・俺の性格から考えて、結局喧嘩していつものように説得させられて抑えつけられて・・・説得に応じてくれないことは分かっていたはずだから・・・何も言わず出て行ってしまったのも仕方のないことだ。。

この10年間、男が出来て捨てられた過程を経て・・・男が怖くなって・・・それで未だに俺と同じ独身であることはよくわかった。。この10年・・男に捨てられていようがヤラレていようが何があろうと、ノン子は俺のノン子には変わりはない。。やっぱり俺はノン子のことが大好きだ。。

あんなに明るかった陽がいつの間にか暮れ始めてきて、辺りが寒くなってきた。。(来たときはあんなに陽が登っていたのに・・・いつの間に・・・)
喋り疲れ、喉も乾き、ブルってきた俺たちは、場所をららぽーと内の暖かいコーヒーショップへと場所を移し、温かいコーヒーや紅茶を飲みながら、第2ラウンドが始まるのである。。ここで俺は、ついに・・・抑えていた感情が噴き出すかのように・・ノン子に号泣しながら訴え始めた。。周囲も驚いていたが、そんなことはどうでもいい。。聞きたい奴は勝手に聞けばいい。。。
ノン子よ、「キッカケ」を与えに来ただけなんて言うな!!
つづく
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