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2016年12月03日22:45

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11月の読書記録。

とりあえず、先月よりいったな…というか、先月の読書記録がない!!前々から思っていたけれど、ここに投降した記事っていつの間にか消えてないか?それともこちらの思い過ごしか?
それはともかくとして、先月はページ数がいったわりにはナイスが少ないな。
今月は師走ということで、何かとイヴェント事が多くて、なかなか読書に時間が割けないだろうけれど、それでも何とか本を読んでいきたいな…

2016年11月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5294ページ
ナイス数:69ナイス
http://bookmeter.com/u/4147/matome?invite_id=4147

■子どものライフスタイル (アドラー・セレクション)
概ね興味深く読めたが、他の人も指摘しているように、訳に問題があること、殆どの症例を「甘え」という概念に落とし込んでいること、症例が男子に偏ってること、左利きに対する偏見が伺えることなど、問題が散見される。それと同時に、幾つかの症例となった子供に自分の子供時代と被るところがあって、身につまされたのも事実。いみじくも僕自身が左利きだったので、そのことによる弊害が指摘されているのは、幾分反発を覚えつつも、納得せざるをえない部分があった。後、各症例の子供に対してアドラーが、肯定的に接しているのが印象的だった。
読了日:11月29日 著者:アルフレッドアドラー
http://bookmeter.com/cmt/60647467

■なぜ日本の音楽はマーケティングを誤ったのか 弱虫のロック論2
リアルタイムの音楽シーンに殆ど今日が持てなくなって久しいが、本書の著者平山雄一は還暦を過ぎてもなおライブハウスに足を運び、ミュージシャンと交流し、様々なイヴェントを立ち上げている。まずはそのヴァイタリティに感服。また、本書のキー・ワードである「弱虫」はある意味ロックの本質をついているようで、かなり共感が持てた。「そうか、弱虫でもいいんだ」みたいな。後、驚かされたのが、著者が長いこと俳句を嗜んでいたという事実。そのことによって、歌詞を見る目が変わってきたというのは目から鱗。ただ、タイトルがちょっと頂けない、
読了日:11月27日 著者:平山雄一
http://bookmeter.com/cmt/60606757

■一人称小説とは何か−異界の「私」の物語 (MINERVA 歴史・文化ライブラリー)
タイトルに反して、殊更一人称ということに拘っている感はないが、かなり興味深く読めた。一人称で綴られる小説のストーリーや構成、そこに潜む著者の意図をわかりやすく読み解いていくその語り口は、端正で嫌味がなく、好感が持てる。取り上げられている作品のうち、既読のものはもちろん、未読の作品も殆ど違和感がなく、その作品世界に入り込んでいける。それだけ著者が諸作品を緻密に読み込んでいっているいうことだろう。また、有名作品だけではなく、一般にあまり知られることのない作品の隠された魅力を引き出してみせるのも心憎い。
読了日:11月26日 著者:廣野由美子
http://bookmeter.com/cmt/60585299

■人間の絆 下巻 (新潮文庫)
前巻から続くミルドレットとの痴話沙汰には若干辟易。位置づけとしてはファム・ファタルなににも係らず、性格的にはそういう要素が殆ど見受けられない。個人的には「こんな女のどこがいいんだろう?」といつまでも彼女に執着するフィリップにイラつかされることしきり。これだったら、前巻に登場したプライスのほうがずっとましだったと思うのだが。その一方で心温まるのが、アルセニー一家との交流。アルセニーの奔放で、大風呂敷を広げ、駄法螺を吹きまくるその姿は、不思議と嫌味を感じない。この一家との係りの顛末は本書を読んでのお楽しみ?
読了日:11月24日 著者:モーム
http://bookmeter.com/cmt/60541437

■人間の絆 上巻 (新潮文庫 モ 5-11)
6百数十頁というかなり大部な本なのに、殆どそのヴォリュームを気にすることなく読了することに。孤児が伯父夫婦に引き取られるというストーリーからディケンズの影響が伺えるが、実際ディケンズへの言及がみられたのは、わが意を得たりという感じ。生まれつき不具ということもあって、なかなか素直になれず、つい憎まれ口を叩いたり、自分の思いとは違う言動に出てしまうフィリップの姿にはついイライラしてしまうが、同時に不器用な自分の姿を投影することに。ツンデレで面倒臭いけど、なぜか憎めないプライスの自死が非常に傷ましく思えた。
読了日:11月22日 著者:モーム
http://bookmeter.com/cmt/60494524

■「待つ」ということ (角川選書)
タイトル通り「待つ」をテーマにした哲学エッセイ集。著者後書きにもあるが、内容に一貫した流れがあるわけではなく、やや雑多な印象を受けるが、興味深い記述も少なくない。まず介護や医療の現場からストーンズ、ベケットの戯曲と著者の守備範囲の広さに驚かされる。そこから「待つ」という言葉を軸にして紡ぎだされる言葉には、学問的な立場を超えた真摯な姿勢がうかがえる。個人的には終盤の『ゴトーを待ちながら』を扱った箇所がとりわけ印象に残ったか?いわば無間地獄とも思える状態でひたすら待つ登場人物の姿は悲喜劇的とさえいえる。
読了日:11月19日 著者:鷲田清一
http://bookmeter.com/cmt/60438412

■教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書)
愚直にも未だに教養主義の効用を信じている者として、心が痛くなる内容だった。かつて教養主義的風潮が花咲いていた時代を古き良き時代と回顧するのは、本当に時代錯誤で馬鹿馬鹿しいことなのか?とつい問い質したくなる。本書が出て早十数年近くを経た昨今、いわゆる反知性主義が世を席巻し、大学が知の牙城とは程遠くなっても、教養や知への憧憬を抱く人はある程度いるわけで、誰かがそういう層を掬い上げる役割を買って出るべきではないか?そんなことを思わされた。本書の終盤で綴られる前尾繁三郎のエピソードに教養のある種の神髄を見た。
読了日:11月19日 著者:竹内洋
http://bookmeter.com/cmt/60437432

■入門!論理学 (中公新書)
タイトルに冠せられた「!」という記号が、かなり端的に本書の特徴を表していると思う。ともすれば眉をハの字にして取り組まねばならないと思われがちな論理学を、数式を用いず、なるべく嚙み砕いて、しかもざっくばらんな語り口でまとめた良書。とはいえ、著者自身も述べているとおり、それなりに高度な領域まで扱っているので、一度読んだだけで全部が把握できるというものではなく、佐藤優氏も述べている通り、本来ならメモを取りながら読み進めるべきだろう。とりあえず、本書を足掛かりにして、他の論理学関係の本を読んでみたくなった。
読了日:11月17日 著者:野矢茂樹
http://bookmeter.com/cmt/60400031

■批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)
怪奇映画による影響で、その実像が殆ど知られていない『フランケンシュタイン』という小説が、これ程多様な読みを許容するものだということに驚きを禁じ得ない。個人的に「フラン〜」といえば、英文学史の徒花的な存在だったので。その一般的なイメージと大きく乖離した原作『フラン〜』が意外にも豊饒な意味を包含する作品であるということを様々な文学理論を駆使して論じた本書は、まさに多様な読みを許容する一冊。本書は文学理論、文学批評の入門書としてうってつけだし、近代英文学を概観するのにも一役買ってくれる。英文科の学生必読の書。
読了日:11月16日 著者:廣野由美子
http://bookmeter.com/cmt/60376571

■アドラーを読む―共同体感覚の諸相
最近興味を持ち始めたアドラー。とりあえず入門的なものを…ということで手に取った本書。非常にわかりやすくそれなりに興味深く読めたのだけれど、その反面腑に落ちないところが散見されたのも事実。とりわけ子供の問題行動の主な原因を甘えであるというのは、あまりに一面的ではないか?と思えてならない。後、子供をほめることの弊害を説くのも「何だかな…」という思いが拭えない。その一方で「共同体感覚」という概念は、廣松の「共同主観性」を想起させるもので、更なる探求の余地あり。とりあえず、他のアドラー関連の本を読む気にはなった。
読了日:11月14日 著者:岸見一郎
http://bookmeter.com/cmt/60340514

■大乗仏教概論 (岩波文庫)
概ね興味深く読めたが、本編、原注と読み進めていくうちに「あれ!」と思わされ、更に訳者後書きを目にして「なんじゃこりゃ!」と突っ込みたくなった。詳細は本書を繙いてもらうとして、要は実際に大乗仏教の概要を知るには適していないが、著者の仏教思想としては読むに値するということ。ただ、この認識もどこまで妥当か自信はないが…とりあえず、仏教については、様々な系統と要素が複雑に絡み合って、一筋縄ではいかない何かと厄介なものだということは理解できたか。後、訳文に著者独特の息遣いが感じられないのが、個人的に残念だった。
読了日:11月11日 著者:鈴木大拙
http://bookmeter.com/cmt/60270963

■悩める人、いらっしゃい 内田樹の生存戦略
内容はともかくとして、「シックでリッチな男性向け雑誌に連載されていた割には、質問の内容がしょぼいな…」というのが第一印象(笑)。その内容は、というとその8〜9割方が既に作者の他の著書で読んだものと被っているけれど、それでもやっぱり読んでしまう。著者が意図している「メタ人生相談」というスタイルが成功しているかどうかは定かではないが、問題への視点のずらし方はある程度示しているのでは?という気がする。後書きにもあるが、終盤は政治的トピックが集中するのに若干辟易。数年後続編が出るとしたらどんな内容になるのか?
読了日:11月10日 著者:
http://bookmeter.com/cmt/60247964

■ラカン入門 (ちくま学芸文庫)
難解な内容にもかかわらず、平明な文体で意外なほどさくさく読み進めることができた。理解の程は怪しいが、ラカンの思想の全体的なイメージはおぼろげながらつかめた気がする。かなりの頻度で出てくる数式は殆どチンプンカンプンだったが、そこは「こんな感じかな?」と想像を膨らませて何となし理解した気になったというのが実情(笑)。先に『分析入門』の一部を読んでいたので、そこと重複する部分もあったため、よりイメージが鮮明になったか。後、最終章のジョイスを援用した精神分析が刺激的。晩年まで旺盛に活動したラカンの姿が感動的。
読了日:11月9日 著者:向井雅明
http://bookmeter.com/cmt/60217813

■人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス (光文社古典新訳文庫)
タイトルに反して、戦争と殆ど無関係な『精神分析入門講義』からの収録があるのにやや首を傾げてしまうが、概ね興味深く読めた。とりわけ戦争をテーマにした最初の二つのテキストはカントの『永遠平和〜』と併せて読むべきものだと思う。それから『裳と〜』は僕自身、鬱を患った経験があるため、興味深く読めたものの、幾分一面的という印象を抱かざるを得なかった。それからタイトルとは殆ど関係ないとはいえ、『講義』の抜粋は、以前読んだ訳よりも格段にわかりやすく、訳者にはぜひフロイトの著作のアンソロジーを編んでもらいたいと思った。
読了日:11月4日 著者:フロイト
http://bookmeter.com/cmt/60126949

■ナボコフの塊――エッセイ集1921-1975
一瞬、「魂」と読み間違えそうなタイトルに冠せられた「塊」という言葉に、多くの読者は虚を突かれた気になるだろうが、本編を一通り目を通してから解説を読めば、あっさりと腑に落ちる。ある程度ロシア及び旧ソ連の文化事情に通じていないとわかりにくいトピックが少なくないが、それでも著者の機智に富んだ言い回しや、辛辣な表現に惹かれて、ほぼ淀みなく読み通すことができた。個人的には著者の翻訳論がとりわけ興味深く読めたか。それと同時に、今日では殆ど言及されない夥しい数の文学者の名前に、歴史に名を遺すことの意味を考えさせられる。
読了日:11月3日 著者:ウラジーミル・ナボコフ
http://bookmeter.com/cmt/60094115


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