2016年7月9日にBSブレミアにて放映されていたウルトラマン50 怪獣大感謝祭における企画の一つ、投票で選出されたウルトラ「名作」回ランキングの上位10作が発表され、順次BSブレミアにて放送されていた。
ファン投票の結果、選ばれた「名作」回はウルトラマンで2話、セブンで4話、新マンで2話、タロウで1話、レオで1話、と断然セブンに票が集まっていた。
http://www.nhk.or.jp/ultraman50/result/
さて、少し古い事になってしまったが、2009年にはウルトラセブンがBS11にて毎週土曜日午後6時30分より放映されていた時期があった。
セブンに関しては取り分け興味のある作品であった事と、自分の中で思い浮かぶ作品に関する事をまとめてみたいな、と思いついた事から観終わってからウルトラセブン感想日記のような事を始めた。
また、文章ばかりではどうかという事で、ネットでのお絵描きツールによるお絵描き掲示板で各話のイメージを描いてみて、これもまた自己満足であったかと。
始めた限り、目標は全話の感想であったので、どこまで続けられるか自信もなかったのだけど、どうにか全話書き連ねる事が出来たのは奇跡であったかも知れない(^^;
その事を思い出し、今回はBSブレミアにて放映されたセブンでのエピソードに限って、2009年頃に書いていた日記の再録と言う事を思いついてしまった。
再び読み直してみて、拙い事や不要な文面が多かった事にも気がついた・・・
不要な箇所は省くとして、2016年の今になって思いついた事も育つかあったので、それは後で追記と言う形で記してみる事に。
『至上最大の侵略』(後編)
脚本:金城哲夫、監督:満田かずほ、特殊技術:高野宏一
クマガタケで失踪したゴース星人、そこに囚われの身であるアマギが監禁された。
ゴース星人は30億全人類の皆殺し作戦を実行すると予告。
アンヌとの別離を語り、アマギを救出するためセブンとなったダンはもうセブンではなかった。
今もなお、伝説として語り継がれる感動の最終話。
*セブン最後の死闘。
昭和43年当時、セブン終了後の放映は同じ円谷プロの怪奇大作戦(番組は観ていない)だったのでこのままウルトラ・シリーズは完結すると想定されていた。
それ故にスタッフのただならぬ意気込みがエンディングに観る事が出来る。
『倒せ火を吐く大怪獣』とOPに歌われる初の怪獣が最後の怪獣とは。(^^;
改造パンドンとは、セブンに切断された左手と右足にゴース星人が義手・義足を取り付けたもので、改造と言っても特に戦力的な変化はない模様。
ゴース星人の本拠地が破壊された後に突然姿を現す改造パンドン。セブンが放ったアイスラッガーを右手でキャッチし投げ返すが。
*セブン、終演までの過程。
セブン全話に付いて考える事は多数にあるのだけど、終わりよければ全て良しとは言い切れない事が多く見受けられる。
まず話を終わらせる事が先にあるのだが、始まりがあればいつかは終わりがある訳でお話である以上はそれがいつかはやって来る。
宇宙人や怪獣と戦い続けてきたセブンであるが第48話で蓄積された過労がたたって『脈拍360、血圧400、体温約90度』の状態に陥っていた。
セブンは地球人ではないからだろうけど、体温約90度とは極端。
47話まではピンピンしていたではないかと言うのは野暮な話だろう。
まるである日突然ダンは苦しみ出して来た、と受け止められよう。
シリーズ全般に渡ってのエピローグとしての演出としてはこれまでの前後関係との関連性が極めて少ない、いや無に近いのだった。
シリーズは30分1話完結と言うスタイルなので、いつどこからシリーズを観ようとも話の内容が理解出来ないと言う事はないメリットもあるが、話の繋がりと統合性があまりにも少ない故にストーリーでの深みがなくただ薄っぺらい通過点として見過ごしてしまいそうである。
これ以上論述するのはキリがないし、あえてここから先は最終回について記述したい。
制作側は『セブンをどのように終わらせるか?』と言う事を明確にさせたのは第42話での制作の頃だったと伝わる。
まずこれまで観られたダンがダンらしくない行動の連続。
自分の正体を隠さなければならないと肝に銘じている以上、体調不良を公言出来ない。
体調不良から生じたゴース星人の二度に渡る侵入を許してしまった事。
それに輪をかけてひたすら苦情を言い続けるクラタの登場、アンヌの親切が仇になってしまっていること。
これだけ見せつけられると非常に辛すぎる。(汗
ならば、そっと誰にも知られずに、と言うところだろうけど48話では、なんとかしなければならないと言うセブンの責任感が大きくなってしまっていた。(ここまでが前回までの事)
ダンが救われた事と言えば、ソガはもちろんキリヤマ隊長がこの度の事に対してダンに辛く当たらなかった事が幸いだろうか。
隊長としても失態の連続は責任が大きいとダンへの転嫁させるところだが,一切触れなかった。
隊員達との絆が見えないところであったのだろう。
シューマンのピアノ協奏曲イ短調54番が響き、仲間達との別離と決心が切ない。
今もなお、伝説として語り継がれる感動の最終話だった。
*ストーリーの一部に沿って。
ここでは最終回でのストーリーの一部に沿って、気になる箇所を綴って終わりとしたい。
基地を抜け出したダンは道の途中でポインターを停車させていた。
そこで偶然コヤマと言う姉と弟に救い出された。
(中略)
その後、往診を電話で頼む姉のユミの声が聴こえて来た事でダンはまたもや逃亡を。
そこでアキオ少年は作戦本部と称する子供達の集まる小屋へと移動するのであった。
アキオ少年の作戦本部にはなんとテレビがあったのだ。
アキオ少年の家は裕福なんだろう。
ニュースを見るダンとアキオ少年。
登坂アナウンサー:『各駅とも避難する群衆が押し寄せ、大混雑となっております。東京も遂にゴース星人の魔の手にかかり、廃墟となってしまうのでしょうか。』
『人類は遂にゴース星人の奴隷となるのでしょうか。それとも人類の誇りとともに滅亡するのでしょうか。二つのうち、いずれかを選ばねばならんときが来たのです。』
アナウンサーと言うのは事件事故に対して報道に感情を込める事は不要なのだが、この登坂アナウンサーはまるでセブンに救いの手を差し伸べているかにも伺える。
またもやアナウンサーの発言を借りて、であるが『人類にはゴース星人の奴隷となるのか、それとも誇りと共に破滅を選ぶのか・・・』
最終回だけに最大級の危機が訪れる、この危機を救えるのはいったい誰なのか?と問いかけているようにも伺える。
もう戦えないほどに体力の消耗したダンがなぜそれまで立ち上がろうとしたのか?
地球における侵略宇宙人との攻防を使命としたセブンであるが、地球人のピンチを救いたいと言う感情も多いだろうけど、やはり警備隊隊員達とのこれまでの絆があった事もダンは忘れなかったのだ。
(中略)
ダンからの告白を受けて直ぐ様にアンヌは泣いている訳ではなかった。
告白のあとにしばし空白があったものと観ているが、劇中でのシーンは『マグマライザー発進!』と、アマギを救えなかった迷いを振り切り、非情の指令を発するキリヤマ隊長が映るのである。
シーンはまたダンとアンヌに戻る。
そこで振り返ってダンの顔を見つける様子、アンヌは涙を流していた。
それまでの間はダンはアンヌに正体を明かしたあと、『今、話した通り』と言うように帰らなくてはならない事を諭していた。
アンヌが見せる涙はこれが初めてである。
ダンとアンヌとの表立ったロマンスと言うのが、思い出してみてもあまりなかった事しか記憶にない。
強いて言うと、企画の中における設定の中でのダンとアンヌとのロマンスがエピソードの中で演出されていなかったりする。
確かにおみそのようにダンのあとを付いて来るとか、月からの帰還を待つアンヌの姿だとか、ガッツに囲まれてしまったダンをかばうような仕草とか、そう言った断片的なパートは多かった。
けど、どうなんだろうか本当の恋人のようなシチュエーションが盛り込まれていなかったのだ。
ダンはアンヌの事をどのように思っていたのか。
またアンヌはダンの事をどのように思っていたのか。
ダンがアンヌへ語るのはこの告白だった。
ダン:『アンヌ、僕は・・・僕はね、人間じゃないんだよ!・・・・・M78星雲からきた、ウルトラセブンなんだ!』
アンヌはためらう事なく、ダンの事を理解したのであった。
もし自分が宇宙人だと知れたら、ダンは終始その事に恐れていた,だから何も言えなかった。
でもその告白が別れの言葉へと導いて行くのである。
ダン:『明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだ。』
アマギを救出する為に変身をしたセブン、そうアマギを救う為に最後の変身をしたのだった。
(中略)
主のいない改造パンドンが暴走し出して来た。
一方的にパンドンからの攻撃を受けるセブン、我を取り戻したキリヤマ隊長は目の前で瀕死の状態で戦っているセブンに対して、自分たちの仲間『モロボシダン』である事に、もう誰もセブンとは呼ばず『ダン』と呼んでいるではないか。
セブンと地球人の心が一つになった瞬間。
ここであの12話でのEDでダンが心の中のつぶやきがあったにも関わらず非公開となってしまった故にあのセリフが反映されないのが、惜しい。
この辺りは,ググぅ〜!!と来てしまうのであった。(泣
ダンは戻って来なかった、けれどダンはみんなを攻めてはいないはず。
このシーンを含めて、セブンが去ったあとはこれからの地球は自らの手で守っていかなければならない事を感じさせる。
ナレーションも隊員達も触れてはいないけど視聴者達には解る事。きっと警備隊隊員達もそのように悟っていたに違いない。
アンヌは最後に空を眺めていた。
『いつかまたダンと会える日が、きっと来る。』と。
(ウルトラセブン・完)
*2016年での一言
まぁ、最終回だけに2009年当時から色々と書いておりました。
改めて読み直してみましたが、当然と申しましょうか、今回ばかりは何も言う事はありませんね・・・
この度の名作回に含まれなかったウルQ、エースでのエピソードがエントリーされなかったのが残念でもありました。
名作回ではなく、個人的に印象に残った回はシリーズ中では色々とあるのですが、そのようなストーリーだけでエピソードを振り返るような事も試みてみたいなと考えつつも、そのように実行できるようなきっかけも機会もないのが現実なんですけどね。
(おわり)
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