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2016年08月09日21:28

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艦これ(仮)


第一章「瑞鶴」

頭を撫でられて気持ちよさそうにしていた暁だったが

「こ、子供じゃないんだから頭をなでなでしないで」
と言葉とは裏腹に残念そうに龍驤の手を払った

龍驤は払われた自分の手を見つめ
「ほうかほうか、けどな暁、大人のレディやったら子供の面倒を見るのも大人の努めやろ
あの二人だけやったらなんか転びそうで危ないし、うちはこんな足やからちょっとあの子らの面倒みれへんしな・・・・・・
ああ、大人のレディやったら、そういう細かい気配りができるもんやけどな・・・・・・」
とため息まじりに言った。

「そんな事言われなくても、わ、わかってたんだからね
私も今からあの二人の面倒を見ようと思ってたんだから」
そう言って暁は島風と雪風のもとに駆けていった

「あっ、おい、そんなに慌てて」
と龍驤が言い切る前に、まさにお約束通り盛大にすっ転ぶ暁だった・・・・・・

龍驤は天を仰いで、ため息をついて暁のところに行こうとするが、
「待って、龍驤さん」
それを瑞鶴が止めた

今にも泣きそうな暁に、島風と雪風が近寄り、何事もなかったように暁が立ち上がった

しばらく、なにやら揉めていたというか、賑やかに言い争いをしていた三人だったが、やがて仲良く三人で遊び始めた

それを見て

「平和やな・・・・・・」
と龍驤が呟くと、瑞鶴も
「そうですね・・・・・・」
と頷いた

「あれから・・・・・
もうすぐ一年になりますね・・・・・
ここも本当に寂しくなりましたね・・・・・・
もう・・・・・もう今じゃ6人しかここにいなくなってしまいましたもんね
皆・・・・・・他の皆は元気でやっているのかな・・・・・」
瑞鶴が寂しそうに言った

「・・・・・・せやな・・・・・・
ほんま、皆元気でやってくれたらええな・・・・・・
って・・・・・・うちにそないな事言う資格なんてないねんな・・・・・・・」
ははっと苦笑いしながら龍驤が言うと・・・・・・瑞鶴が凄い目で龍驤を睨みつけた

「龍驤さん」
低く、そして凄い怒りを含めた感じで言った

そしてしばらくすると悲しそうに
「龍驤さん・・・・・・
私が、私が言っても、なんの慰めにもならないのはわかります・・・・・・
でも・・・・・
でも・・・・・
皆、龍驤さんが無事・・・・・
いえ、どんな形でもここにかえってきてくれた・・・・・・
それだけで十分・・・・・・
皆きっとそう思ってる
それなのに・・・・・それなのに龍驤さんがそう思ってると皆悲しむよ・・・・・・」
そう言った

龍驤はなんとも言えない複雑な表情をしながら
「・・・・・・せやな・・・・・
これでうちまで・・・・・うちまで、赤城のようになってしもうたら、この鎮守府は終わってまうもんな・・・・・・
うちは大丈夫や、大丈夫やで、瑞鶴
少なくとももう一度、一緒に・・・・・・
もう一度一緒にうちと瑞鶴と赤城でこの大海原を飛び回るまではへこたれてる訳にはいかへんねん」
と力強く言った



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