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2016年08月24日13:12

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息子のこと

FBには書いていたことなのですが・・・。

実は昨年9月より、息子と一緒に働いていました。
息子は推薦で技術系短大に進学したものの、友人とのオンラインゲームにはまり、深夜まで遊んだために寝不足が続き、大学でも居眠りばかりで授業について行けなくなりました。
そのため大学を無断で欠席するようになって、気付いた時には決定的に単位不足になり、中退したのです。
その後に就職させるべく運転免許を取らせ、就職活動をさせたのですが、惨敗続き。
遊ばせるわけにもいかず、今の会社に頼んで働かせてもらっていました。

息子は軽度の発達障害があると言われたことがあります。
興味や関心があることは覚えも理解も早いのですが、そうじゃないことは全くダメ。
会社で仕事を教えても、それは同じでした。
いずれは私も息子の前からいなくなります。その前に生きる手段を教えなくては、と気ばかり焦りを募らせていました。
次第に口調も態度も厳しくせざるを得ず、息子にとって居心地のいい職場とは言えなかったと思います。
それでも1年弱、休むこともなく、息子なりに頑張ってくれたと思います。
私も年齢や体調面の焦りから、厳しさが増すばかり。しかし息子のペースとは合わないままでした。

8月16日、現場での作業であまりにも仕事を理解しておらず、激しく叱責をしました。
それが息子の限界だったみたいです。
翌、17日。出張する私は息子より早く家を出ました。夜、帰社すると社長から息子の汚い字で書かれた退職届を手渡されました。会社が留守の間にポストに入れられていたそうです。
呆れかえって帰宅しましたが、息子の姿はありませんでした。

「友人のところにでも行っているのだろう」と高をくくっていましたが、息子はわずかな着替えと荷物をまとめ、50ccのスクーターであての無い旅に出ていました。
「食べているのだろうか、ちゃんと寝ているのだろうか」と心配し、メールをしたところ、数日空いてから返信が届きました。
「もう、簡単には帰れないところまで来ている」
「どこにいてもいいし、どこで生きてもいいけど、世話になった社長には、ちゃんと自分の口で話をし、お詫びをしなさい」と返しました。
電話を受けた社長が、「親父さんにはどこにいるかを話なさい。心配をかけたままじゃダメだ」と言われ、初めて息子から連絡が着ました。

今は長崎の佐世保にいるそうです。
激しい雨の中、不器用な運転で転倒し、フロントカウルの大破したスクーターで、息子はそこまで行ってしまいました。
大学を辞め、高校卒業から時間が流れていく中で、息子は気の許せる友人たちがいなくなり、いつしかひとりぼっちだったのでしょう。
愚痴をこぼしたり、喜びを分かち合う相手もなく、失意のままひたすらに走り続けて、たどり着いた街のようです。
奇しくも私の若い時と同じ行動でした。

私は厳しすぎた自分の言動を悔い、息子のいなくなった職場の寂しさに打ちのめされました。
そこまで追い込んでいたのだろうかと、情けない気持ちになりました。
同時に、男の決めたことと、息子の決意を応援する覚悟も決めました。
電話口で厳しすぎた事を詫び、一つだけ息子にお願いをしています。
「お父さんにはお父さんがいなかったから、『お父さん』って何をするのかわからなかった。だからお前には厳しいばかりのお父さんになってしまった。でも、お前はとても優しい奴だから、いつか家族を持ったら、優しいお父さんになってほしい」
そう言って、不覚にも泣いてしまいました。

今、息子は遠い街で生きていくために懸命にもがいています。
自分なりに考え、私も知らなかった手段を活用して、足がかりを作ろうとしています。

がんばれ、息子よ。
いつか、笑って一緒に酒を飲みたい。
それだけを願って、お父さんも頑張るから。
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