七夕に、ストリップ劇場に行ってきました。
以前ヲルガン座でストリップショーを観て、その女性性の美しさにガガーン!とヤラれて以来、
ぜひ次は本格的にストリップ劇場へ足を運んでみたい!
と思ってました。
が、いろいろ忙しくしているうちに、そのまま月日は流れて幾歳月…。
そして、なんと。つい最近になって、
広島の第一劇場が8月いっぱいで閉館する。という話をきき。
現在、西日本にはストリップ劇場が3つしかないそうです。
北九州と松山の道後温泉、そして広島。
そのうちの一つ、広島の第一劇場がこの夏でなくなってしまうとは。
これはなんとしても行かねば!と気負ってみたものの…
ん〜、何となく、行きづらい(汗)。
そう、やっぱり女子一人で行くには敷居が高い感じがあります。
想像するだけでも、いったいどんな顔してそこにいればいいのか。
だったらダンナと2人で行く?というのも何だかなあ…。
行きたいけど行けないもどかしさがありました。
と、そんなとき、渡りに船。
ヲルガン座の企画でゴトウイズミさんが、第一劇場ツアーを開催するときいて。
さっそく飛びついたのでした。ダンナと2人で初参加。
参加者は30名以上。やっぱりみんな興味あるよねえ。
まずはヲルガン座に集合して、イズミさんからマナーなどのレクチャーを受けます。
そうそう、そういうのが知りたかった。まったく未知の世界だから。
ざっくり教えてもらったことを意訳して説明すると、
ストリップはもはや伝統芸能の領域だとか。
なので一定のカタチとマナーがあります。
流れとしては、普通だと4人の踊り子さんが出演、一人づつ登場します。
最初は新人さん、あとになるほど大御所が登場。
一人30分くらい、各自が趣向をこらした演出で踊ります。
最初は衣装を身につけて踊って、だんだん露出度が高くなり。
そして決めポーズのときには、しっかり拍手。
もちろん元気のいい曲の時は手拍子を、ムーディなときにはそれなりに。
空気を読んで、舞姫が気持ちよく踊れるように盛り上げます。
そのあとポラロイドの撮影会があって、1枚1000円でこちらの望むポーズで撮らせてもらえます。
その後、もう一度アンコール的に踊ってフィニッシュ。
この流れを1人づつ4人やって、ショーとしてはだいたい2時間くらい。1日4回やるんだったかな?
と、このくらい流れがわかってると、ちょっと安心して個人でも入場できますね(笑)。
そしていざ、第一劇場へ初潜入!
まずはその、昭和レトロな佇まいの劇場そのものにウットリ。
花道があり、真ん中に回る舞台があり。
迷わず、できるだけ舞台の近く、かぶりつきに座ります。
思ってたよりこじんまりしたスペースなので、踊り子さんとの距離はかなり近い感じになりそうで、ワクワク。
もうね、座席の赤いシートが座られすぎて剥がれてる椅子もあって。
剥がれ度が高い椅子は、おそらくよーく見える(笑)人気の椅子なのでは?と予想をつけて座ってみます。
そして、ショーが始まりました。
内容を説明するのは野暮というもの、細かいことはおいといて。
やっぱりすごかった。
これまでに見たことのない世界でした。
昭和の空気ムンムンの伝統芸能。
常連のおじさんたちの掛け声もいいし、
白いスモークが煙たいまでに座席にかかってくるのもまた趣深い。
そしてもちろん、一番すごいのは踊り子さんです。
柔軟な体を駆使して、回る舞台であられもないポーズを決める。
拍手せずにはいられません。
あるがまますべてをさらけだす、という言葉そのままを体現してる。
その「さらけだしっぷり」に、こちらの奥にある、どうでもいいもろもろの常識、がふっとぶ感じがします。
アメノウズメの系譜につながるかな、と思いました。
きっと天の岩戸の前では、こんな感じだったかなあと。
伝統芸能の流れの中でも、お楽しみはポラロイド撮影会タイム。
今まで妖艶に踊っていた舞姫が、一度戻って衣装を着て、ポラロイドや宣伝グッズなどの入ったカゴを持って再登場。
「今日はありがとうございま〜す。ポラロイド撮りたい方いますか〜?」とか明るく笑顔をふりまきながら、ある意味ファンとの交流会。
も〜、この身近な感じがたまりません。
私たちも最初は「いや、でも、ポラ撮ってみたいけど、その写真どうするの」
とか思って、一人目の方のときは遠慮してましたが、だんだん我慢できなくなっちゃって(笑)。お二人目からは毎回撮影。
写真を撮ることより、この時間自体、踊り子さんと最接近できる交流自体が嬉しいんだなあと。
そのツールとして、ポラロイドがあるだけで。
まずは衣装を着たまま撮影したい人が先。そのあとで脱いで撮影、という流れです。
常連さんはもう何枚何枚も撮ってるのでしょう。たいがい衣装を着たままでツーショットとかが多かったです。あんまりがっついてない。
でも私たち素人は、せっかくなら、やっぱり、さらけだした感じで撮影したい。がっついてます(笑)。
ので、毎回脱いでから撮影させていただきました。
ある踊り子さんの撮影の際に「どんなポーズがいいですか?」と問われ、
「じゃあ(ヌードを)ばっちりと(笑)お願いします」と言ったとたん、
「はい!ばっちりですねっ!」と、一瞬の躊躇もなく、体操選手レベルのV字開脚。
うおお〜っと、場内ツアー客どよめき。
観音開きとはよく言いました。思わず拝まずにはいられません。
エロスとか、そういうのとはまた別次元。
なんというか、健やかな感じなのです。うまく言えないけど。
誤解を恐れずいうならば、豊かな肉体をあらわした国宝の土偶をみたときのような感覚にちょっと近かったかも(もちろんボディラインは全然違いますよ!)。
で、撮影しようとポラロイドを構えていたのが、あまりのナチュラルな開脚っぷりに動揺して慌てて撮影してしまうと、
「あら、(ポーズ決め途中で)ちょっと顔がヘンだったかも。大丈夫ですか?」とか気をつかってもらったり(汗)。
その方は20年近く踊ってらっしゃるそう。
てことは、40歳前後?でも、ぜんぜんそんな風にみえない!鍛えあげた美しい肉体。
でも踊りの繊細さ妖艶さは、たしかに2年くらいの新人さんとは違います。
もちろん、新人さんはそのフレッシュさがまた良いわけで。
いろんなキャリアの方がバランスよく出演するのも、どの趣向もオリジナルでカブらないのも、やはりプロの仕事だなあ、と感嘆した次第。
また、別の踊り子さんとはツーショットで撮影。しかしこちらも他所様にはお見せできない露出度です。なかなか、ありえない感じの写真です。
ついつい、いっぱい撮影してしまいました(汗)。
しかし、8月末までにもう一度来れるかどうか、その保証はありません。
最初で最後かもしれない第一劇場での記念だしね。
お客さんも若い人はあんまりいないのだと思う。
ツアーで30人以上が来てるのをみて、踊り子さんみんな驚いてらしたから。
私たちは、なくなってしまう、と聞くまで行かないことが多い。
私も今になって、もったいない、ずっと続いてほしい、と思うけど、いままで行ってない奴がいう資格はない。
興味があることは、先延ばしせず体験。いいと感じることに、ささやかながら一票いれる行動をするのは大事だなあとあらためて思いました。
ほんと、しかし、すごい。何と言ってもナマですよ。
しかも目の前数メートルに。観音開きで。
AVとかと違って生粋のショーですし。
プロの踊り子さんだから、場の空気も読んで、エネルギーの交換がおきているのが感じられるし。
こんなすごいものが、広島からなくなるのは本当に残念です。
8月末までやってるので、興味のある人はぜひどうぞ。
踊り子さんは、だいたい10日おきに交代するみたい。
個人では行きにくい人は、次回もう一度8月にヲルガン座でツアーをするそうですよ。
終演後はぽーっとした心地の中、夜の繁華街の濃厚で雑多な空気をまといつつ、家路につきました。
とてもエネルギッシュな、人間の原初的な女性性のエネルギー、アメノウズメの頃から変わらない湧き上がるエネルギーを感じられて、とても満ちてきて、そして何かが解き放たれた感覚のある、不思議な時間でした。
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