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2017年01月06日14:42

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「欲望の資本主義2017」観ました。どうなる世界、どうする日本

NHKのBS1スペシャル「欲望の資本主義2017」見ごたえありました。主題は資本主義は持続可能か?持続成長は可能か?インタビューを集めた構成になっていました。余計な解説がないのはいいけど英語やフランス語が聞き取れなくて字幕だけでは理解がいまいちの所もありましたが、彼等の代表作を読んでみると目から鱗が落ちて世の中クリアに見えてきました。

写真左はサンダースの選挙政策として書かれたスティグリッツの本、
写真中はセドラチェクの処女作にしてベストセラー、
写真右は自由貿易批判のE・トッドの本、パチ物と思っていたがこれが歴史の歯車を回したかも。

インタビューの大所は、
ジョセフ・スティグリッツ、ノーベル賞経済学者
「30年前に資本主義のルールが一部の金持ち有利に書き変えられた。これで格差が拡大したために成長が停滞しているのだ。ルールを訂正して格差を是正すれば成長は可能だ。社会的共通資本に投資の余地はいっぱいある」 サンダースのブレーンとして米国経済政策を批判、サンダースが勝っていたらルールは訂正できたかもしれない。

トーマス・セドラチェク、「善と悪の経済学」がベストセラー
成長が前提の資本主義には否定的、「資本主義は成長が前提だと一体誰が言ったんだ、バイブルか空にでも書いてあるのかい?凪の時でも嵐の時でも走れる船でなきゃおかしいだろ」

エマニュエル・トッド、フランスの歴史人口学者
「経済学はきらいだ、経済のことしか言わない、人間の活動は広い、そのほんの一部の現れが経済なのだ、人間活動の総決算が人口に現れるのだ。世界人口の停滞減少が始まったことがすべてを物語っている、グローバル化が世界の需要と人口を潰しているんだ」

スコット・スタンフォード、アメリカのベンチャー投資家
「イノベーションが企業を成長させるんだ、自動操縦の車で我々は成長する。人間が車を運転すると危ないので交通違反とされ今のタクシーは駆逐されるだろう、それで世の中成長するかって?そんなこと我々の考えることじゃないよ、我々を突き動かしているのはテクノロジーへの愛だ」

「規制を排除して各自の利己的行動に自由を与えれば見えざる手によって全体もうまく行くと言って自由にお墨付きを与えたアダム・スミスは間違っていた」とスティグリッツが言ったのには驚いた。アダム・スミスファンの私としては聞き捨てならんが、セドラチェクがすぐ反論してくれた。「スティグリッツはアダム・スミスの道徳感情論を読んでない、アダム・スミスの経済論は国富論と道徳感情論の両輪になっており共感(シンパシー)が大前提なのだ、勝手な解釈は許さん」

白熱した議論でした。NHKが今こんな番組を作ったのに驚きです。トランプ効果か?歴史の転換点を感じます。いずれが正しいか?歴史が証明してくれるのを見届けたいものです。もう30年は厳しいか?せめて20年長生きしてこのビデオを再度観てみたいものです。

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