こちらの記事には 「原発事故で不通になっていた・・・JR常磐線が１２日朝、小高―原ノ町駅間（９．４キロ）で運転を再開した」とありますが、福島県浜通り地方に在住経験のある方でなければ、何のことかわからないでしょう。
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■ＪＲ常磐線、南相馬で運転再開 避難指示解除で５年ぶり
(朝日新聞デジタル - 07月12日 10:53)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4089091
東京電力福島第一原発事故で不通になっていた福島県南相馬市内のＪＲ常磐線が１２日朝、小高（おだか）―原ノ町駅間（９・４キロ）で運転を再開した。同市南部に出ていた１万人超を対象とする避難指示が解除されたためで、５年４カ月ぶりに乗客を乗せた列車がＪＲ小高駅に到着した。
地域の伝統行事、「相馬野馬追」の騎馬武者が背負う「指旗（さしばた）」がたなびくホームに、乗客約１７０人を乗せた２両編成の始発列車が到着した。折り返しの電車に乗った、県立相馬高校１年の根本奈央美さん（１５）は「下りの一番列車を狙ってきました。ドキドキします。解除は待ち望んでいました」という。
だが、帰還する住民は１〜２割程度とみられる。小高区内の居住制限区域だった自宅から避難する川房行政区の佐藤定男区長（６０）は戻らない。「農業再開も困難だ。何を生業にするのか。（解除した）国の役人はここで子育てができるのか」と話した。
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写真を見て下さい。
2015年3月時点での図ですが、わかりやすいので使います。
赤線で示されているのが不通区間。
で、小高−原ノ町というのは、不通区間の北の方で、注釈にも「2016年春開通の予定」とあります。本日2016年7月12日は、この区間が開通したというわけです。
さて、２年前、２０１４年６月には、この図の中の黒線で示されている区間、 広野−竜田間という区間が開通しました。
その直前に、動労（運転士の組合）水戸支部の副委員長が、反対の声明を出しています。
http://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2014/05/f26330201.html
その一部を抜粋してみます。
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会社の放射線対策は、乗務員に積算線量計を持たせることだけです。積算線量が１日の使用で１�瀬掘璽戰襯箸肪�するとアラームが鳴る。鳴ったらその日は乗務はさせないって言うんですが、１日１�瀬掘璽戰襯箸箸いΔ里狼�制がないのと同じことです。
広野延伸後、広野までの行路を乗務した車掌の線量計が15㍃シーベルトになったことがあったんです。でも管理者は「線量計が壊れているかもしれない」と言って、二つ持たせて乗務させた。そしたら二つ目の線量計も14㍃くらいの値になった。それでも乗務から外さなかった。
線量計を持たせても何の規制にもなっていない。団体交渉で会社は「線量計を持たせるのは不安解消のためだ」と平然と言うんです。労働者を危ないところに行かせるという認識がない。というより、危険性を認めたら延伸できないから絶対に危険を認めない。
原発事故そのものが収束していないし、いつ何が起こるかわからない。その原発の十数�措蠢阿泙嚢圓�わけだから、原発で何か起きたらどうするんだとみんな心配しています。原発事故が起きたら、いち早く遠くに逃げるのが基本です。もし、電車がいわきから竜田に向かっている時に事故が起きたらどうするのか。電車はすぐにはバックできません。会社は「いったん竜田まで行って折り返すのが一番早い」なんて言う。事故のさなかに原発に近づくなんて、そんなでたらめな話はない。会社の言うことは絵に描いた餅にもなっていない。事故が起きた場合の「対策」があるかのように言うから、まったく非現実的な話になる。
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広野−竜田間が開通する前、広野まで開通したとき、運転士や車掌などの乗務員の積算線量計はその日だけで１５μSｖになるという労働環境。１日で１ｍSvにならないと乗務をやめさせないという基準ってどうなんでしょう。
さらに原発まで近づいたら、どれだけ被爆するやら。まして、その区間で呼吸していたら、大気中を舞う放射性物質を含む微粒子を吸い込むことになるでしょう。
こういう労働環境を放置する厚生労働省というのは、どういう仕事をしているのでしょう。
少なくとも、防護服を着させたり、防護マスクをかぶらせて乗務させるべきでしょう。
とはいえ、そんなことをしたら、乗客は怒りだすでしょう。
「運転士や車掌だけが防護服を来て、俺達はどうなるんだ」
いや、そもそも「復興」の雰囲気が壊れてしまいます。
だからそんな装備を装着させることはできません。
ひどい話です。
早く「復興」の外面を整えるために、住民や乗客や乗務員を放射性物質に晒させるJR東日本。
いや、日本の社会。
私たちは、こういう社会に住んでいることをよく認識しておきましょう。
【追記】
ちなみに、本日２０１６年７月１２日の昼間に、今回の小高−原町間の開通に反対して、同じ動労水戸支部がストライキを打ったはずです。
http://doromito.blog.shinobi.jp/Date/20160711/1/
ちょっと報道が見当たらないのですが、どうなったことですか。
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