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2016年06月24日08:48

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「見わたすかぎり人生」「ヴィクトリア」「壁」&「ロストックの長い夜」

 …昨日の話し。

 午前中、DVDでパオロ・ヴィルズィ監督のイタリア映画「見わたすかぎり人生」を観て、京橋フィルムセンターへ。

 正午、マヤ・ヴィトコヴァ監督のブルガリア映画「ヴィクトリア」。
 午後4時、ユリアン・ペルスラー監督のオーストリア映画「壁」。
 午後7時、ブルハン・クルバニ監督のドイツ映画「ロストックの長い夜」を観てまいりました。



 ☆「見わたすかぎり人生」(2008)監督 パオロ・ヴィルズィ 出演 イザベラ・ラゴゼーネ、サブリナ・フェリッリ、ミカエラ・ラマグッティ、エリオ・ジェルマーノ、ヴァレリア・マスタンドレア、マッシモ・ギーニ

 大学の哲学科を優秀な成績で卒業したマルタ。しかし、就職難のローマで職を得られず、偶然出会ったシングルマザーのソニアの家にベビーシッターとして同居することに…。
 マルタはソニアの紹介で同じ勤め先にコールレディとしてパートタイムの仕事を得るが、そこは彼女の予想以上にクレイジーな会社であった。
 そんな仕事にも次第に馴染んでいったが、そんな時、非正規雇用労働者のための組合活動をしているジョルジュに出会うが…。


 これは、…なかなか侮れない映画だ!

 一見、軽薄で、チャラチャラした感じの作りのコメディなのですが、高学歴ワーキング・プアや非正規雇用、ブラック企業など今をトキメクようなテーマが内包されている社会風刺喜劇なのです!

 メインの役どころの女優サンたちが魅力的なのもいいッスねぇ。(笑)



 ☆「ヴィクトリア」(2014)監督 マヤ・ヴィトコヴァ 出演 イルメナ・チチコヴァ、ダリア・ヴィトコヴァ

 『1979年、西側社会に憧れるポリャーナは共産主義体制下のブルガリアでは子どもを産みたくないと思っている。にもかかわらず、へそのない不思議な娘ヴィクトリアが生まれ、「この10年を象徴する赤ん坊」に選ばれる。国家からさまざまな特別扱いを受けて贅沢に育つヴィクトリアだが、1989年に体制が崩壊すると彼女の人生の基盤そのものが大きく揺らぐ。危機に直面した娘と母、2人の関係が問い直されることになる』


 ブルガリア映画です。

 …う〜む、なんだか、やたら長いばっかりで、何を言いたいのかサッパリわからない!

 155分、2時間35分ですよ。長過ぎるよ〜。
 どうも実話をベースにした物語らしいのだが、そのわりに監督の独り善がりなイメージ・シーンが突然出てきたり、あまりにも説明不足で不親切なストーリー展開にウンザリしてしまった。



 ☆「壁」(2012)監督 ユリアン・ペルスラー 出演 マルティナ・ゲデック

 『女がある朝、美しい自然に囲まれた山小屋で目覚めると、越えることのできないガラスの壁の中に閉じ込められていた。その向こうではすべての生き物が石になっているように見えるのだった……。犬と牛、猫と共に彼女はこの新しい生活に臨む。映像化が難しいとされるマーレン・ハウスホーファーの同名の原作小説( 1977年、同学社 )を基に、ある女性の感情の変化を描いた意欲作』


 オーストリア映画です。

 「善き人のためのソナタ」「マーサの幸せレシピ」のマルティナ・ゲデックの、ほとんどひとり芝居です。なかなか身体を張った熱演です。

 スティーヴン・キング的な発想の不思議な物語で、面白いんです。ある種、SF的な発端なのですが、次第に如何に生きるべきか、みたいな哲学的な物語になっていくのが興味深いです。

 …アルプスの山岳風景が、本当に美しい!



 ☆「ロストックの長い夜」(2014)監督 ブルハン・クルバニ 出演 ヨナス・ナイ、デーヴィッド・シュトリーソフ、トラン・レ・ホン、ジョエル・バスマン

 『1992年8月24日に旧東ドイツの町、ロストックで実際に起こった難民襲撃事件を綿密に再現した作品で、現代史的な側面を持つと同時に現在の社会情勢の中での個々の意見や行動や立場を問う。いたってタイムリーな作品。多くの人々にとっていまだ、あるいは改めて突きつけられる難しい問題がテーマになっている。暴力はどのようにして生まれるのか、どこへ進んでいくのか、我々にリアルにかつアーティスティックに体験させてくれる』


 ドイツ映画です。

 これは、本当に「ドキッ」っとさせられる映画でしたね!…いやぁ、これは、本当によその国の出来事と見過ごすわけにはいきません!

 1992年にドイツのロストックで起きた、ベトナム難民住宅襲撃事件までの24時間を、ネオナチの若者、その父親である政治家、ベトナム難民の女性の視点から描いたドラマ。
 ブルハン・クルバニ監督は1980年生まれ。政治的な理由でアフガニスタンから逃れてきた両親のもとにドイツで生まれ、育った若者です。事件当時、まだ少年だった彼の手によって、このような先鋭的な作品が作られることの素晴らしさ!


 …ついこないだ、横浜で起こった在日韓国人に対するヘイトスピーチの騒動を思い出してしまいました。

 機会があったら、ぜひとも観るべき映画だと思います。


 

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