朝9時前に、川崎市民ミュージアムに向かう。
午前11時、山本薩夫監督の「箱根風雲録」を。
午後2時、内田吐夢監督の「逆襲獄門砦」を観てまいりました。
☆「箱根風雲録」(1952)監督 山本薩夫 出演 河原崎長十郎、中村翫右衛門、河原崎国太郎、山田五十鈴、轟夕起子、瀬川菊之丞、岸旗江、坂東春之助、飯田蝶子、薄田研二、清水将夫 、石黒達也、清水元、嵯峨善兵
今から300年前、徳川四代将軍家綱の寛文年間の物語。箱根の西、三島側一帯は水源がなく、稲作ができなかった。そこで、湖尻峠を堀抜いて芦ノ湖の水を引く大工事が企てられ、江戸浅草の商人・友野与右衛門が土地の農民と力を合わせて、この難工事をすることになる。
だが、江戸幕府の役人たちはこの工事を妨害し、与右衛門を何度となく捕らえるのだった。
工事開始から三年目、ついに工事は完成。芦ノ湖の水が箱根用水を通り、三島に注がれた。
タカクラ・テルの「ハコネ用水」を原作に、山本薩夫が監督した、前進座総出演の時代劇です。
2度目の鑑賞です。…初見のときは、あまりに地味で寝落ちしてしまったので、今回は気合いを入れてガンバって観ました!
友野与右衛門ら農民たちと、幕府側と、彼らにからむ山賊一味が三つ巴のドラマを見せるのです。
ん〜、いい映画だとは思います。…が、なにしろ地味で。(笑)
前進座の映画だと、「どっこい生きてる」は傑作でしたが、ねぇ。
☆「逆襲獄門砦」(1956)監督 内田吐夢 出演 片岡千恵蔵、植木基晴、高千穂ひづる、加賀邦男、片岡栄二郎、伊藤久哉、市川子太夫、薄田研二、月形龍之介、高堂国典、八汐路恵子、松浦築枝、毛利菊枝、赤木春恵、戸田春子
幕末の動乱期。江州野沢藩の藩主・右亮介は、勤皇派に加担しようとしたが、幕府の圧迫を怖れ、息女・美鈴姫を京に送って朝廷に苦衷を知らそうと計った。
新たに赴任してきた大官・脇群太夫は、過酷な税の取り立てを行い、領民の怨みをかう。そして、領民の他領への出入りを禁じ、砦の構築のために重労働を課した。
脇の飽くなき奸計をしった領民の怒りはついに爆発!大官屋敷になだれ込んでいく…。
「飢餓海峡」で知られる名匠・内田吐夢監督による時代劇です!
千恵蔵が実子・植木基晴と共に出演し、一匹狼的な猟師を熱演。
「ウィリアム・テル」が下敷きになっているのが、面白い!リンゴを矢で射抜く場面も、ちゃんとあります。…この映画ではミカンになってるけど。(笑)
クライマックスのモブ・シーン(群集場面)がものすごいんです!
日本映画黄金時代の底力を感じます。
「箱根風雲録」も「逆襲獄門砦」も突き詰めれば同じテーマだと気づきます。
御上はろくなことはしない、ってことですな。庶民を、ナメんなよ〜!チキショー!!!
ログインしてコメントを確認・投稿する