ゆっくりと過ぎていく、
この街では
僕は頭をやられたようだ
バス停のたもとに寝そべり
泉のほとりを散策し
せせらぎをのびやかに泳ぎまわる魚を掴まえる
ゆっくりと過ぎていく
この世界に迷い込んでいれば
ぼくにだって恋人がいたよ
とてもきれいで美人だった
ぼくらは彼女のソファで一緒に座り
彼女の手料理を食べていた
窓の外を見れば、一面に広がる海に星が輝いていた
ゆっくりと過ぎていく、、愛を探し求めている時は
バスに乗って街に出掛ける理由なんて何もない
石畳の道に出かける理由は何もない
ゆっくりと過ぎていく
ここでの日の光を浴びていれば
ぼくは眠りの中でも目の前をまっすぐ見つめ、道に迷ったりはしないように最善を尽くす
真っ昼間に花開く夏の真っ赤な薔薇のように
ゆっくりと過ぎていく
そして、ぼくは昇る朝日を見つめていたのさ
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