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2016年01月23日05:42

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五代友厚の信念

「私利私欲で物を考えず、社会に役立つことを生きがいとした」
そんな五代の言葉がミュージアムに掲げられている。
「天下の貨財は決して之を私すべきものに非ず。（略）利すると共に人を益してこそ始めて意義あり」。
政財界の人々に日々復唱してほしい信念だ。

21日の北海道新聞〝今日の話題〟より

明治の女性実業家広岡浅子をモデルにしたNHKドラマ「あさが来た」が高い人気のまま、物語の後半に入った。舞台となっている大阪では、ゆかりの施設が来館者でにぎわっている。

その一つが、大阪商工会議所が運営する大阪起業家ミュージアム。家電の松下幸之助ら105人の功績を紹介している。
最初に展示されているのがドラマで準主役級の五代友厚だ。

ヒロインあさの成長に大きな影響を与える役回り。五代に関する著書がある大阪大名誉教授の宮本又郎さんによると、交流を示す史料は見つかっていないが「ありえない話ではない」と推測する。

テレビ同様イケメンで、人を引きつける魅力があった。
商工会議所の前身•商法会議所の初代会頭で、現在の大阪取引所の設立などにも力を尽くし、49歳でこの世を去る。葬儀は4300人が訪れ盛大だったという。

その場面が近い。NHKが先日、22日の放送で「最期」を迎えると明かし、それを嘆く「五代ロス」なる言葉がネットで飛び交う。

大阪市内4カ所に銅像があるが、人物をドラマで知った市民は多いと宮本さんはいう。
会社に名を残さず財産もつくらず、そのため記憶から薄れた。

「私利私欲で物を考えず、社会に役立つことを生きがいとした」
そんな五代の言葉がミュージアムに掲げられている。
「天下の貨財は決して之を私すべきものに非ず。（略）利すると共に人を益してこそ始めて意義あり」。
政財界の人々に日々復唱してほしい信念だ。