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2016年03月12日18:42

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我が家の新しい家族

もしかしたら気が付いた人もいると思うけど
私達の友人が我が家に引っ越してきました。
 
今年83歳の未亡人のドロシー、
そして相方が黒猫のCrybaby(クライベイビー)。
2月末に5年ほど住んでいたアパートから我が家へやってきました。
  
彼女との出会いは約5年ほど前。
トッドがタクシードライバーとして働いていた時に
お客さんとしてタクシーを利用して下さってました。
その当時はドロシーとご主人一緒に利用して下さっていました。
ご主人はその当時確か83歳、彼女は78歳。
第二次世界大戦で兵士として戦争に行った経験のあるデールは出会った時から既に車いすが必要でした。
トッドは彼の父が車いす生活の長い人だったということもあり、
車椅子利用者の事をよく承知していて、
持ち前の力で、彼の体を抱えてタクシーの乗降を手伝ってました。

そんなトッドの事を二人とも気にいって下さっていたようで、彼を指名して利用してくれており、
タクシー業から離れてからもトッドに電話で連絡を下さり、
Uberみたいに利用して下さったり、ビジネス抜きで時折4人で遇って軽い話などしたりと
交流を頻繁に取っていました。
というのもご夫婦には子供がおらず、ドロシーの兄夫婦がいるが
かなり疎遠になっているために、何かがあったら大変だと私達夫婦も心配していたからである。
出会った当時は既に80代に80代間近の二人で、先の事を考えてはいるものの何も準備をしておらず、
80代のデールの末を心配して、トッドが何かがあっても大丈夫なように
最後の準備だけはしておいた方が良いと、ずっとデールを説得していた。
そして出会って数か月経った頃、デールがドロシーが独りになっても大丈夫なようにと
最低限の準備を始めだし、亡くなった後の処理を遺灰にしてもらうように手配・支払いまで全て行った。
そしてこの支払いが完済した数か月後に、デールはこの世を旅立った。
 
そしてこの世を旅だった時のエピソードは未だに忘れない。
余りにもスピリチュアルで、行くべきして私達は彼に会いに行ったとしか思えないタイミングで
私達はデールと直接会い、彼の体調が良くないためにトッドが救急車の手配を済ませ
救急車が到着し、デールが車に乗るのを確認した1時間後、
彼は病院で息を引き取った。
11月の感謝祭の直前の出来事でした。

ご主人を失ったドロシーは私達も感心してしまうほど気丈に振る舞い、死後1週間、私達の目の前で泣くことはしなかった。
でもやはり相方を失った彼女を私達はとても心配していました。
 
これってどんな人に出も起こる現実。
もし私が彼女の様に未亡人になったら。
そう考えることが結構ありました。
まだ子供がいない私にとってはとっても身近に起こり得ること。
 
そんな気持ちがあの老夫婦を見ていた時に
時折考えがよぎっていたのでした。

そんなこともあり、彼女がご主人を失った直後に
「彼が亡くなったら絶対に猫を再び飼いたいと思ってました。
だから子猫を探したい」と行った時は、私は自らCraigslistや
Petco、HumaneSocietyなどで子猫を探し、彼女が選んだのが最初の雄猫でした。
オレンジのタビーの子猫。ちょっとタフっぽかったので、彼女はその坊やをToughy(タフィー=タフな子)と命名。
しかしながら名前の通り、非常にタフな猫に成長しドロシーの手を持て余すようになってしまい、
飼い始めて1年経とうとした頃に逃走してしまいました。
探せども見つからず。
探す間も私はあの猫は戻ってこないと直感し、同時期にもっと彼女にとって優しい、人懐っこい相方になってくれるような子猫を探すことに決めました。
そこで出会ったのが、今のCrybabyです。
この子の両親はとっても人に懐いていて、きちんと子猫たちを教育してくれていたようで
Crybabyは小っちゃくて、よく喋るけど、最初からとても人懐っこい子猫でした。

実はこの子を選んだ理由はもう一つあります。
もしドロシーに何あった時、最悪の事態があっても私達が里親になれるように、私達にも懐いてくれるかどうかも見ていました。
私達には犬が2匹いますので、この子達とも仲良くできる子であって欲しいと考えていました。
彼女が飼うとはいえ、私が子猫を選ぶと言う事は私にも命の責任があると思ったからです。
 
その気持ちが伝わったのか、まだ1歳の坊やとはいえトッドや私にとても親しくしてくれています。
今現在、モモと駆け回ることがありますが、大きなケンカになることはありません。
 
そしてデールが亡くなった頃から私の中で、いつか彼女と住むことになるんじゃないかと考えることも出てきました。
今までトッドの勧めでルームメートを何人か迎え入れたことがありますが、
正直良い結果が出たことがありませんでした。 兎に角おんぶに抱っこな人達が多く、
迎え入れる前から私の中で今回は良さそうだと思うことがあんまりありませんでした。

しかし今回、トッドが「ドロシーをルームメイトとして受け入れようと思うんだけど」と言って来た時、
私の中で既に答えが出てました。
「いいんじゃない?」
私がOKをさらっと出した時、トッドはちょっとビックリしていたようですが、この問題に対しては1年以上考えてきてたので
心の準備はバッチリで来てました。
 
また不思議ではありますが、彼女を他人と思ったことが一度もなかったんです。
家族と言うのとも少し違いますが、でも違和感が全くないのです。
正直なことを言うと、これが私の亡き祖母だったら絶対にOKは出せませんでした。
小さい頃からどうしても好きになれなかった、母方の祖母は叔父の家族と一緒に住んでいたので、
決してそのような心配はありませんでしたが、私の中では一緒に住めない人リストに載っている人でした。
 
家族だからと言う人もいるでしょう。
でも馬が合うひとと合わない人がこの世にいるのは確かです。
私にとって、ドロシーはとても波長の合う人だったのです。
恐らく前世で何らかの形で出会っているのでしょう。
  

彼女を受け入れてからというもの我が家は一変しました。 
私の中ではデメリットが一つもないのです。
  
彼女が引越ししてきてからというもの、
今までに比べ家の中のエネルギーや雰囲気が優しくなった気がします。
彼女は私が作る食事をなんでも挑戦してくれるし、美味しい美味しいと食べてくれるし
日本食だけじゃなく、野菜も好きな人で
私が今まで食べたかったけど、トッドが面倒くさがったり、避けたりしている食事を難なく食べてくれます。
一緒に食べてくれる相手が出来たお蔭で、料理をするのが久々に楽しくなりました。
 
またCrybabyが来てから、我が家の犬モモの好奇心が少し猫に行くようになりました。
いつもなら留守番をしている間、つまらなさそうにしている我が家の娘ですが、
私達3人がいない間、どうやら色々うまくやっているようです。

そして、ドロシーの生活や体にも変化がありました。
彼女は独りで生活をしていた時は、食事の買い出しや郵便受けのチェック、洗濯物を洗う時以外殆ど家の中から出なかったのですが、
今は週に何度も積極的に外に出るようになりました。
特に私達が参加しているグループが2つには一緒に参加しています。参加するのが楽しみだそうです。
糖尿病を患っており毎日2回血中の糖度を測定するのですが、
その糖度も引っ越して以来かなり低い水準を維持するようになりました。
しかも(昨日はミルクシェークを楽しんだ)お菓子を時折楽しんでも何の問題もなくなりました。
 
ただ今週の月曜日、私達二人と2匹で散歩中、
偶々彼女の目を離した一瞬、彼女が突然私の真横で転倒し
顔をコンクリートに強打し、あごの下を深く切ってしまうアクシデントが起こりました。
倒れた彼女を興した時に彼女の胸元に血がついているのに気が付き、
咄嗟に顎を手で抑えました。
顎からの出血がひどく、私はただ手で押さえて止血するしか手立てがありませんでした。
幸い、(この時心の底からアメリカに居て良かったと思いました)私達が歩いていた通りを車で走行していた住民男性が、
「すみません!助けてくださいませんか?!」と私が叫んだのが聞こえて、気になってUターンして私達の元へ来てくださりました。
彼のお蔭で、トッドと連絡を取ることが出来ました。
その時すでに、私の手の中は大量の血で溢れ、血を見ると吐き気がしてしまう私も、
失神しそうになりましたが、ひたすら彼女が無事でいることに集中して、意識が遠のきかけるのを必死で引き戻してました。
この時ほど携帯電話を持っていなかったことを深く後悔したことはありません。

本当にラッキーだったのは、トッドがタオルを何枚か持って数分で駆けつけてくれたこと。
そして家から2分ほど離れた場所だったことが何よりもラッキーでした。
そして倒れた時、胸から落ちたために、確かに顔を強打してましたが、目の辺りを打たず、
あごの皮膚の部分と唇の内側が切れた位で済んだことは不幸中の幸いでした。
また、傷口を抑えて止血をしていたためか、確かに大量の出血があったにも関わらず
貧血を起こすこともなく、意識もしっかりとしており、帰宅後には出血は殆ど収まっていました。
 
実は数年前、ドロシーは荷物を取りに貸ユニットスペースに独りで歩いて行った時に、足を何かに掛けて転倒したことがありました。
その時は眼球の周りの骨が割れ、眼球が落ちて陥没を修復する手術を行うほど酷い状態に。
今回の事件が起こった瞬間、咄嗟にあの時の悍ましい事件が頭をよぎりました。
入院していた彼女をお見舞いした際、あの恐ろしい状態の顔を見て、
いつかこんなことが再び起こる可能性があると、思っていました。それがまさか引越しして2週目に起こり、
正直自分がわずかな注意をそらしていたがために起こったハプニングだとショックを受けました。
しかし、彼女が私を慰めてくれて、自分を責めないでねと何度も言ってくれたのには本当に救われました。
 
 
二人で、今度は手押し車で散歩しに行こうと決めました。
 
 
今回このことをこの場で言ってよいものかと思ったけれど、
でも恐らくいつかは皆が似た様な事を選択することもあるだろうと思うので
載せることにしました。
 
私達は無理して彼女を受け入れたわけではありません。
むしろ、彼女が来てくれてとても感謝しています。
トッドだけじゃなくて、私の心境も変わってきました。
とても不思議なのは”助ける”っていった気持ちとは全く違う感覚です。
私達皆同じ一つの地球で生きている。
その上で生きている人達は家族。そんな感じです。
当然ながら全員とそんな風になれないのが現状です。
 
ただ、気の合う人と一緒に生活できるというのは、
沢山の発見と気づき、幸せが増えるんだと言うことを今学んでます。
彼女が今一緒にいてくれていることで、私の毎日の生活が更に楽しいと実感できるようになってます。

そこを誰かにわかってもらえたら嬉しいなと思い、
私達の近況を書いてみました。
 
 

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