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2015年11月28日21:04

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【文字起こし・後編】2015.11.21ラジオ・フォーラム第150回「小出裕章ジャーナル・拡大版」【「否」常識のススメ】

後編です。
小出さんの退官後の生活とか、真の豊かさとは何か、、日本の進むべき未来などについて、ゲストの水野誠一氏と語り合います。

それにしても、西武百貨店の社長を務めた水野氏のような人が、財界の中枢にいてくれたらなあ・・・とつくづく思いますね。

水野氏の著書、『否常識のススメ』はこちら↓
http://www.jlds.co.jp/book/2015/06/post-17.html#.VlmOcV7nEwE

なお、元千葉ロッテマリーンズの里崎智也氏の著書『非常識のすすめ』とは違うのでご注意くださいウッシッシ

https://www.youtube.com/watch?v=r4H8k-tNtxg#t=10m25s


文字起こし・前編
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1948207401&owner_id=23621043

ラジオ・フォーラム第150回
http://www.rafjp.org/program-archive/150-3/


【内容文字起こし】

ゲスト:水野誠一(実業家,元参院議員)
パーソナリティ:今西憲之(ジャーナリスト)

(10分25秒〜)

今西:お電話口は、引き続き、小出裕章さんに出ていただいております。えー、小出さん、今年の春ですね、京都大学をご退官されまして、長野県に、居を移されました。

小出:はい。

今西:どうして長野県だったんでしょうか?

小出:(笑)・・・えー、まあいろんな理由がありますが、私は暑いのが大変苦手なのです。

今西:はい(笑)。

小出:え・・・ただ、京都大学原子炉実験所という私の職場は、京都大学であるにもかかわらず、原子炉があるために京都の街中には建てることができませんでした。で、大阪府泉南郡熊取町という、もうすぐ和歌山県というところに建っていて、私は41年間その熊取町で生活してきました。とても暑いところで、よく41年間私の苦手な暑い土地で生きてきたなと、思いながら生活していました。そして、京都大学との雇用関係が切れる時には、どこか涼しい所に行きたいと、思っていたのです。え・・・ただ、一体じゃあどこにするかということなのですが、私は東京とか、大阪とか、まあ名古屋もそうですけれども、大都会はもうダメだと。このような都会の作り方は間違えていると、いうふうに長いこと思っていましたし、決して都会には戻らないと、

今西:はい(笑)。

小出:思っていました。ただ、これからどんどん年を取っていくわけですから、本当の田舎で生きることも難しいだろうと思いまして、地方の小さな都会、それも文化的なバックグラウンドのある都会で住みたいと、思ったのです。そしてまあ、あちこちを探したのですが、だいたい新幹線が通るようになると、その町というのはミニ東京のような町になってしまって、

今西:ハハハ(笑)・・・。

小出:とてもつまらない町になるように私には見えましたので、地方の都会で、新幹線が通らない、そして涼しいと、いうようなところを探して行ったらば、松本市というのはいい街だなあと、思いました。そして、まあ最後の理由というのは、松本市の今の市長は、菅野昭さんという方がやってくださっているのです。リスナーの方ご存知の方いらっしゃるかもしれませんが、彼はチェルノブイリ原子力発電所の事故が起きた時に、信州大学のお医者さんをしていました。甲状腺を専門にしたお医者さんだったのですが、チェルノブイリ事故後すぐに、仕事を投げ打って、ベラルーシに行きまして、チェルノブイリ事故でガンになった子どもたちの治療に当たるということをやった方だったのです。その菅谷さんが今、松本市長をやってくださっていますし、そのことは、菅野さんを市長として支えるという市民が、いるということですので、そういう町に私も住みたいと、思って最終的に松本を選びました。

今西:水野さん、今の小出さんのお話を伺われていかがお感じでしょうか?

水野:何かイメージとしてねえ、非常に小出さんと合う町ではないかなあと、いう感じしますね。僕もね、あの・・・松本市ってすごい好きな町なんですね。

小出:ありがとうございます。

今西:その菅野市長は、水野さんご存知でいらっしゃるんでしょうか?

水野:お名前はもちろん知ってますし、お書きになったものも読ませて頂いてますが、直接お会いしたことはないんですけど、一度ね、ぜひお会いしたいと思うんで、そのうち、あの・・・ぜひ、小出さんを訪ねながら、ご一緒に、何かお会いできたらいいなっていう感じしますね。

小出:ああ、ありがとうございます。水野さんがおいで下さるんであればぜひとも、菅谷さんに声をかけて、ご一緒したいと思います。

水野:よろしくお願いします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

今西:えー小出さんそれでですね、あのー、やっぱりリスナーの皆さんですね、一つ心配しておられることがあるんです。

小出:はい。

今西:と言いますとね、まあ小出さんが京都大学から退官されてですね、いわゆる熊取6人衆、まあ原発にですね、こう・・・厳しい目を向けてこられた研究者の方がですね、だんだん減ってくると。で、まあ現在ですね、小出先生が退官された後ですね、今中(哲二)先生だけがいらっしゃるというような状況なんですけれども、小出さん、そういう志をですね、継ぐような研究者ってのがなかなかいらっしゃらないでしょうか?

小出:はい。まあ残念ながら、私の職場であった京都大学原子炉実験所には、私たちの後を継いでくれるような研究者というものは、残念ですし、申し訳なくも思いますけれども、今中さんが最後で、たぶんこれからは出てこないだろうと思います。

今西:まあ今年もですね、日本からはノーベル賞を取られた方が二人いらっしゃいました。やはりこう、ノーベル賞を取られた方の研究を見ていきますとですね、パッと聞くと、我々一般人では分からないんですが、やっぱりこういう広い分野、いろんな分野の研究ってのはすごく大切だなあと思うんです。そうすると確かに、原発を推進するような研究というのも、大事かもしれません。けれども、原発はどうなんだと、大丈夫なのかという研究もね、すごく必要だな。そういういわゆる幅の広さと言うのか、度量と言うのかですね、

小出:知識、科学的な知識というのは、まあ時を経るに従ってもちろん増加してくるわけですけれども、でもその知識を、コントロールする知恵が全く伴ってこないという、そういう状態になってしまっているのです。今現在も日本の国は、大学で、いわゆる理工系はどんどん伸ばすけれども、文科系はもう要らないというようなことを言い始めているわけですけれども、

今西:はい。

小出:理工系で得られる知識というのは、確かにまあ、知識としては蓄積するわけですけれども、それは本当に使っていいものなのか、使っていけないものなのか、というようなことは、むしろ理工系の知識ではなくて、人間としてどう生きるか、どういうことが幸せなのか、ということの方から判断するしかないわけで、まさに文科系の学問というもの、知恵というようなものをもっともっと、広く深く獲得していかなければいけないのだと私は思います。残念ながら今の日本の国は、全くそういうことが考えることができないという人たちが、動かしているように見えます。

今西:どうしてこう、その辺こう、懐深くいろんな分野、今日本は見れないんでしょうか?

水野:そうですね、まああの、やっぱり明治維新以降ですね、その西洋文明というものにあまりにもコンプレックスを持ちすぎて、その・・・独自の文化というものを全部全部捨て去ってしまったと。それによって、やはりその、大いにひずんだ、社会っていうのができちゃったと思うんですよ。

今西:はい。

水野:ただ、その文明というのが、科学技術も含めて、絶対ではないってことが、21世紀になって分かってきて、みんな慌て出したわけですね。それは環境問題一つ取ってもそうだし、資源問題ひとつ取ってもそうですが、そこで、あの・・・やはりもう一度文化というものに立ち返る必要があるなと、いうことが僕は21世紀のテーマだと、絶えず言ってるんですが、

今西:はい。

水野:逆にですね、その途端にね、やっぱり理系だと。やっぱり文化は煮ても焼いても食えないものだと。

今西:はい(笑)。

水野:まあ、不要不急のもので、そんなものはどうでもいいっていうふうにね、なってしまうとね、これ逆行なんですよ。

今西:はい。

水野:21世紀構想は実は文化が、非常に重要な意味を持つというのを、私が最近出した本で『否常識のススメ』って本があるんですけど、そこで書かせて・・・小出さんにも読んで頂いたんですけど、

小出:はい。ありがとうございました。

水野:まあまさにそんなことを申してます。

今西:なるほど。まあその中でどうでしょう水野さん、何かもし小出さんにご質問がありましたらと思うんですが。

水野:そうですねあの・・・やはり、小出さんがね、その・・・引退された、まあ引退と言うか、現場から離れられたということで、非常に不安に思ったり心配してる人たちって多いと思うんですけど、やはりこのラジオもそうですけど、もっともっと自由な立場でね、発言の場を増やしていただきたいと思うんですけど、その辺は何かお考えになっていらっしゃいますか?

小出:え・・・残念ながら、できないだろうと(笑)、思います。

今西:(笑)。

小出:え・・・水野さんもたぶんご存知だと思いますが、福島第一原子力発電所の事故の後、大阪のローカルなラジオ局の、毎日放送という放送局が、私の発言を連日報道してくれるような時があったのですが、

今西:たね蒔きジャーナルですね。

小出:はい。「たね蒔きジャーナル」という、大変優れた報道番組だったと私は思いますけれども、1年ほど私を出してくださった後に、とうとうたね蒔きジャーナルは番組ごと潰されてしまうということになったのです。今あの、水野さんがおいで下さっているラジオフォーラムは、たね蒔きジャーナルが潰されてしまったので仕方なく、ということで、

今西:ハハハ(笑)。

小出:まあいわゆるカンパを集めて今日まで続けてきて下さっているわけですけれども、そういう形でいつまで、このラジオフォーラムも維持できるか、私は不安に思っていますし、私の発言を拾ってくださるような、え・・・いわゆるマスコミ、マスメディアというのは、これまでもまあ、なかったわけですし、これからますます無くされていってしまうのかなあと、私自身が不安に思っています。

水野:あの、私はですね、逆にね、小出さんもっと世界に向けて、発信して頂いていいんじゃないかと思うんですよ。

小出:ハハハ(笑)、はい。ありがとうございます。

水野:もう日本はね、非常に不思議な国で、世界から言われると、海外から言われると、「なるほど」と思うけど、自分たち国内の発言というものをね、本当に、あの・・・尊重しない、変な国ですから、

小出・今西:(笑)。

水野:ひとつね、もっともとっとね、世界に世界に向けて発信していただいてね、それが日本に返ってくると。まあこういう仕組みを作っていきたいなと。僕らもお手伝いできたらと思います。

小出:ああ、ありがとうございます。

今西:それで、小出さん、2015年ですね、残りあと1ヶ月程となりましてですね、今年はですね、戦後70年という節目の年でしたがですね、そんな中でですね、安全保障関連法案のですね、成立などがありました。小出さん、今年1年ですね、日本という国をどのようにご覧になっておられましたでしょうか?

小出:はい。本当に愚かな国だと、私は思います。先ほども水野さんが仰ってくださったけど、水野さんが『否常識のススメ』と、いう本を書いてくださって、え・・・その副題は、「成長神話の終わりに」と、なっています。

今西:はい。

小出:つまりこれまで、ガムシャラに日本というこの国は、成長成長、経済経済、金金と言って、やってきたわけです。え・・・そのために米国の属国のような、状態を続けてきたわけですけれども、今後一層米国への属国状態を強めて、海外に自衛隊が戦闘地域まで行くという、そんなことまでしてしまっているわけで、何で・・・歴史というものをきちっと見ることができないのかなあと思います。成長神話はもう終わっているわけですし、もっと時代というものを長く先を見て、どうすればこの日本という国が、本当の豊かさ、美しさというのはどんなところにあるのかということを考えなければいけない時期だと、私は思いますが、残念ながら、私の思いとは全く、逆の方向に今日本という国が行っていると思います。

水野:全く同感ですね。やっぱりね、豊かさの・・・定義ってものをね、変えていく今最大のチャンスだと思うんですよ。

今西:はい。

水野:まあ本当にあの・・・いわゆる西洋文明的なね、豊かさではなくて、やはり生活文化的なね、豊かさとか、優しさとかね、そういうものを、もう一度見直していかないと、もう地球は本当に壊れてきますね。

今西:はい。そうですね。分かりました。えーまだまだですね、お話をお伺いしたいところなのですが、小出裕章ジャーナル拡大版もですね、お時間となってしまいました。小出さんどうもありがとうございました。

小出:こちらこそありがとうございました。

【文字起こし終了】


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(ウィズニュース - 11月17日 16:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=220&from=diary&id=3716760
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