mixiユーザー(id:24203909)

2015年10月18日12:26

586 view

明治東亰恋伽(めいこい)

明治東亰恋伽 紅月夜の婚約者 (角川ビーンズ文庫) (※以下「小説上巻」)
http://www.kadokawa.co.jp/product/201203000177/
http://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g201203000177/
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4041003695?ref_=pd_ybh_16

明治東亰恋伽 恋月夜の花嫁 (角川ビーンズ文庫) (※以下「小説下巻」)
http://www.kadokawa.co.jp/product/201203000178/
http://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g201203000178/
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4041005566?ref_=pd_ybh_15

※上記2冊まとめて以下「小説版」

明治東亰恋伽 朧ノ刻の戯曲 (あすかコミックスDX) (※以下「漫画版」)
http://www.kadokawa.co.jp/product/321210000221/
http://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321210000221/
http://www.amazon.co.jp/gp/product/404120612X?ref_=pd_ybh_14

めいこし呉服店
http://www.famitsu.com/news/201508/11085704.html

昨日2015年10月17日の日記で紹介した「黒博物館 ゴーストアンドレディ」http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1947027022&owner_id=24203909&from=home_feed に出会う少し前、私はある作品に「夢中」になっていた。
「めいこい」の愛称で親しまれている「明治東亰恋伽」である。

メインヒロインである平凡な女子高生「綾月芽衣」が、奇術師によって明治時代の東亰にタイムスリップしてしまい、そこで出会った森鴎外・泉鏡花・川上音二郎はじめ明治時代の実在の歴史上の人物との交流を描いた伝奇作品である。もとは乙女ゲームだったらしい。

この作品を知ったきっかけは、今年の8/12〜17日、名古屋市中区栄の栄三越で開催された「めいこい」と三越のコラボ催事「めいこし呉服店」である。調べてみると、栄三越に限らず、三越伊勢丹では「めいこい」とのコラボ催事「めいたん呉服店(伊勢丹)」「めいこし呉服店(三越)」が全国の主な三越伊勢丹で開催されていたそうだ。
名古屋三越、栄・星ヶ丘両店の店内で無料配布されている広告パンフレット「三越 M CARD 通信 2015.8 名古屋版」の10ページにその広告が掲載されていた。「サカエチカ」のクリスタル広場前の栄三越ショウウィンドウにも「めいこし呉服店」の浴衣を身に纏ったマネキンが展示されて、大きくPRされていた。
お盆休み期間中に、栄三越6階特設会場で開催された「めいこし呉服店」に寄ってきた。
あまり広くない特設会場だったが、それなりに人も入っていた(栄三越6階そのものはガラガラだったが)。明治時代が舞台の作品なので、和テイストのグッズが多数売られていた。茶菓子を出す茶店もあった。
生憎、私にとって特に欲しいグッズはなかったし、グッズも茶店も値段が高かったため結局何も買わずに立ち寄っただけだった。
「めいこし呉服店」に行こうと強く思ったのは、「三越 M CARD 通信 2015.8 名古屋版」を三越店内で手に取り持ち帰って、「これ見に行きたいな」と強く思ったに他ならない。このパンフにはただただ強く感謝したい次第である。

「めいこい」について検索してみると、今年の7月に劇場版が公開され、名古屋では伏見ミリオン座で上映されていたらしい。毎週金曜日の中日新聞夕刊の映画上映案内には伏見ミリオン座の上映スケジュールが掲載されていたにもかかわらず、「めいこい」の存在は全く知らないでいた。

検索を続けると、角川ビーンズ文庫から小説版上下2巻と角川あすかコミックスDXから漫画版が出ていることを知った。
9月某日に小説版と漫画版を探しに本屋へ出かけたが、「ある」と思われた大型書店やブックオフでは、「めいこい」いずれの3冊も、角川の本棚にはなかった。その大型書店やブックオフでは角川の棚はスカスカだったのだ。
幸いなことに、後日別の店で3冊ゲットすることができて、まずは小説版の方から読んでみた。小説版を読了したら、次は漫画版を読んだ。
小説版は思った以上にライトな文体でお世辞にも「上手い」というほどの文章ではなく、漫画版も一巻のみのテンポの速い物語で決してボリューミーなものでもなかったが、小説版も漫画版も、ラストでは私の印象にグッと惹かれるものがあった。
すなわち、主人公綾月芽衣は、今まで自分が生きてきた「平成」の世を捨て、タイムスリップした「明治」の時代に留まることを決意したことが、小説版・漫画版共にラストを締めくくっている。小説版では森鴎外と・漫画版では泉鏡花と、明治の世で共に生きていく結末である。
謎の奇術師のせいで平成から明治時代にタイムスリップしてしまう自分にとって不本意な始末に遭った芽衣だが、明治の世で出会った森鴎外・泉鏡花・川上音二郎らと交流を重ねていくうちに、奇術師の力で平成に戻ることはできなくはなかったが、最終的には明治に留まることを決意する。小説版・漫画版ともに、タイムスリップ時の記憶喪失によって劇中では描かれていない平成の世に残してきた家族・友人たちと断ち切っても、明治の世で生きていく。
この「今まで生きてきた世を捨て、不本意ながらも自分が流されてきた世界で生きていくことを決意する」という結末は、その昔、私が見た生涯忘れられない夢と大いにリンクするところがあったので、「めいこい」の小説版、そして視覚的にもキャラクターの映える漫画版で大いにグッと惹かれたものなのだ。
なお、「その昔、私が見た生涯忘れられない夢と大いにリンクするところ」は、その後「ゴーストアンドレディ」で見事なまでに連結されてしまったのは、皮肉なものだった。

2015年10月18日時点で、今年も私もいくつかの本を読み、アニメもたしなんできたが、「めいこい」と「ゴーストアンドレディ」は、完全に別格扱いだろう。私の好きなジュブナイルポルノ小説でも、印象に残り今も手元で大切に保管しいつでも取り出して読めるようにしてあるものもいくつかあったが、「めいこい」と「ゴーストアンドレディ」は、2015年の私の大関・横綱級の印象度だった。
(※尤も、「ゴーストアンドレディ」単行本は上下巻同時に2015年の発行だが、「めいこい」は、小説上巻は2012年・小説下巻と漫画版は2013年の初版発行だった)
「その昔、私が見た生涯忘れられない夢と大いにリンクするところ」が描かれているからこそ、「めいこい」と「ゴーストアンドレディ」は、私にとって「大いなる印象」を残してくれた作品だった。私的かつ詩的なものかもしれないが、そういう体験があってこそ世に出ているエンターテインメント作品と出会えることは、何ともワクワクさせてくれるものだ。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する