「釈迦に説法」
自分より精通している人にわざわざ教えること。
まあ、さすがに自分を釈迦に例えるのはおこがましいのだが…
先日、仕事の終わりに友人(学生時代の同期)とスナックへ飲みに行く。
その際、最近ハマっているらしいスコッチのボトルを出された。
「最近、こいつが好きでな…」
なんでも、急に目覚めたらしい。
朝ドラの受け売りかと思ってた俺、少し反省しつつ話を聞く。
「この銘柄な、同じ年数(8年)で同じ名前やのに500円くらい値段が違う物があんねん。
なんでかわかるか?」
初めての銘柄だったので、知らなかった俺。
素直に知らないと答える。
「こいつはな。単一のシングルモルトだけのやつと、モルト同士をブレンドしたものがあってな…」と友人。
「…ああ、『ヴァッテッド・モルト』な。」
「へ!?ば、ば…!?」急に狼狽し始める友人。
どうやら、シングルモルト、ブレンデッドの他にもう1種類あった事を初耳で知り、教えたがっていたらしい。
だが、ヴァッテッド・モルトという名称までは知らなかったようだ。
残念。銘柄は知らんかったが、そっちは知っている。
酒好きが高じて、「酒大学」というイベントで講義受けて勉強してた事があったが、
まさかこんなところで役に立つとは思わなかった…
ひけらかすつもりもなかったので、説明の続きを促すが…
友人、酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせて狼狽。
説明を続けるも、吹き出すくらいに噛みまくり。
「そ、そうや。こいつは単一の樽の原酒のみから作られてるんやけど、なんていうか分かるか?」
友人、精いっぱいの反撃。
「『シングルバレル』やろ?」俺、あっさりカウンター。
「…参りました。」友人ギブアップ。16分38秒、俺のKO勝ち。
でも、なんかうれしい気分だ。
酒の知識なんか、普段全く使う事はない。
専門家でもないので、覚えていても全く無駄と言っても差し支えはない。
ただ、覚えたら語りたくなるのが人の常である。
俺も友人のように知った事をもっと知ってる人に話してカウンターくらった事数知れない。
でも、そういう人とは話が合う。共通の知識持ってるからな。
自分一人で持っていても使わないただのクソ知識だし、ひけらかすのは嫌われる元なので絶対しないが、
こうやって知ってる者同士で語り合うのは何かと楽しい。
今後もいろいろと話したいものだ。向こうももっと知りたいって言ってるし。
ただ、好きなスコッチの銘柄教えてって言われたので気軽に答えてしまったが…
奢れって言われたらどうしよう。あれ、高いんだよな…
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