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2015年08月30日21:46

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Mirlard!(ミルラード) 第8話 戦争の傷痕 後編 その2

そうして、ロアは首都コルネシアの南にあるメルセウスの村へと
向かうことになった。メルセウスの村の村のはずれでコンラッドの家族が
ひっそりと暮らしていた。現在、コンラッドの姉のメティアが住んでいた。
そして、ロアは、メティアに話しかけた。
「あなたが、メティアさんですか?」
「はい、そうです。」
「私は、ミルラード王国の国王陛下に仕える魔剣士のロアと申します。
このたびは、あなたの弟のコンラッド君の遺体を引き渡しに来ました。」
そして、この後、ロアは戦争でコンラッドを討ち取ったその経緯と
そして、今回コンラッドの遺体を葬りたいという意向を伝えた。
それを聞いたメティアはただ茫然としていた。そして、弟を失った
悲しみに包まれた。だが反面、こうして弟の遺体が帰ってきたことへの
安堵の思いもあった。
「…戦争は、非情なものですね…。」
それにロアは何も答えられなかった。そして、メティアはコンラッドの
遺体を抱えて、
「少しの間、二人きりにさせてくれませんか。」
「分かりました。」
そして、メティアはコンラッドの遺体を抱えて自分の家の中に入っていった。
家の中では、メティアが悲しみに泣く声が少し聞こえてきた。
そしてしばらくして、それが祈りの声に変わっていった。
30分ほど、メティアはコンラッドと共にいたと思う。それから、自分の家から
出てきてロアたちに話しかけた。
「この度は、ご苦労様でした。そして、コンラッドのためにここまで遺体を
持ってきてくださってありがとうございます。お疲れでしょう。今日はここで
お泊りください。」
そうして、ロアたちはメティアの家で一晩泊まることになった。

翌日、コンラッドをお墓に葬る日が来たロアたち一行と、そしてメティアは、
コンラッドのお墓がある場所へと向かった。すると、ロアたちは目を疑った。
なんと、そこにいるのは、国王の一行であった。国王は、わずかな供を連れて
この村にやってきたのである。国王の一行が止まると、国王が出てきて
ロアたちの方にやってきた。
「これからコンラッドを葬りに行くのだな。我が国のために尽くしてくれた者。
私も立ち会いたいと思いここまでやってきた。」
「はい…。分かりました…。」
突然のことでただ、茫然となっていた。
そして、コンラッドをお墓に葬る時になった。お墓は、地下に階段があり、
通路になっていた、その通路の奥には、小さな部屋があり、食器やテーブル、
椅子も置いてあってそこで1人が生活できるようになっていた。
そして、部屋の端にはコンラッドの遺体を納める棺が置いてあった。
ロアがコンラッドの遺体を棺に納めようとしたが、悲しみが極まって
コンラッドの遺体を抱きしめてしまった。そして涙を流し続けた。
「コンラッド…済まないな…。本当はお前を殺したくはなかったんだよ…。
だが、この戦争を終わらせるためには、仕方がなかったんだ…。
とはいえ、おまえはまだまだこれからだったのに…。本当に済まない…。
…戦争は、本当に非情なものだよな…。」
「ロア…。」
レオンは思わず行った。そんなロアの姿に皆は茫然としていた。

その時、
「もういいよ、ロア。そんなに泣かないで。」
「えっ!!」
突然の声にロアは驚いた。そして、皆が驚き、戸惑い始めた。
すると、コンラッドの亡霊が現れたのだった。これには、皆が驚き、
恐れていた。
「そんなに驚かないでよ。みんながここまでしてくれて嬉しくなって
ここまで出てきたんだ。決して恨んでなんていないから…安心してよ。」
そして、ロアのそばにやってきて、
「ロア、もういいよ。僕は大丈夫だよ。恨んでも悲しんでもいないから
もう元気を出して。…あの時のことは戦争。どちらかがやらねばやられるんだ。
だから仕方ないよ。君は間違っていないよ。むしろ君のような強い剣士に
討たれたのは良かったと思ってるんだよ。だから、もう元気を出して…。」
「コンラッド…。」
そして、ロアとコンラッドは互いに抱き合った。そしてロアはひたすら
泣き続けた。
数分後、コンラッドは、国王に向かって言った。
「あの戦争でこの国を勝利に導けなくてすみませんでした。でも、今
この国がこうして良くなっていってることは嬉しく思います。
どうか、これからもこの国をよろしくお願いします。そして、
僕のためにはみんなで祈って下さい。そうすれば僕は救われます。」
「今までこの国のために本当にご苦労だった。ありがとう。そして
済まなかった。分かった。皆で祈ろう。そのために神父と牧師を2人づつ
連れてきた。さあ、皆でコンラッドのために祈ろう。」
そして、ロアたちとメティア、国王たちは皆でコンラッドのために
祈りを捧げた。

そうして、ロアは国王ランディネイト7世の返書を持ってミルラードへと
帰っていった。そして、ロアが買ったコンラッドのお墓の土地は、
国王ランディネイト7世が買い上げることになった。

終わり
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