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2015年09月04日23:39

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『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』を観た。

(2014年 米・英 監督:モーテン・ティルダム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ キーラ・ナイトレイ マシュー・グード ロリー・キニア アレン・リーチ マシュー・ビアード マーク・ストロング チャールズ・ダンス)

劇場にて、鑑賞。

【第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが…。(シネマトゥデイより)】

原作は、アンドルー・ホッジス著『エニグマ アラン・チューリング伝』かな、たぶん。
これを脚色したグレアム・ムーアはオスカーを受賞している。

この作品を観たのは、実は半年前。思うように時間がとれずに、感想を今頃書いている(笑)
正直、内容がかすんでしまっているので予告編を観てみたところ…、ああそうだった!
なかなかどうして完成度の高さにビックリ仰天した映画だったことを思い出したわ…。

アラン・チューリングという人は、現在のコンピュータの礎を創った人ということで、その筋では有名な人らしいが、その人物像は謎に包まれていたそうだ。私は名前も知らず。まさか、こういう特異な人物だったとは驚きだ。

フォト


また、ベネディクト・カンバーバッチがお見事なのよねぇ。私はアラン・チューリングを
知らないが、きっと彼はこういう人物だったんだろうなあとカンバーバッチの演技から
しみじみと思った。人付き合いの悪い、傲慢な不思議ちゃん。でも、数学においては天才。

さて、他の映画でも時々登場する「エニグマ」。ドイツ軍が誇る暗号機だ。チューリングは、戦争を終結させるために、最強の暗号機「エニグマ」を解読することをイギリス政府から命じられる。これは、極秘の任務。決して他人に知られてはならず、口外してはならない。

この作品は、初めは孤高の存在だったチューリングが、仲間の存在を受け入れ、人間力を
高めながらいかにして「エニグマ」を攻略したかということの一部始終を描いている。
同時に、今まで明らかにされなかったチューリングの人物像と秘密が解き明かされてゆく。

頑なだった彼の心を溶かしたジョーン(キーラ・ナイトレイ)の存在も興味深かった。
当時、女性が男性と同じ職場で同じ立場で働くということは大変なことだっただろうと
想像できる。彼女も最初のうちは秘書として他の女性たちと一緒に働き、チームの一員と
なってからも、同じ仕事をしているのに給料はかなり低かったということだ。

この作品には戦場の様子はほとんど出てこない。でも、この出来事と並行して多くの
兵士が血を流し、命を落としているのもまた事実。そのことを思うと、チューリングたちの焦りはよく伝わるし、解読を果たした時の非常な決断もまたぐっと胸に迫ってくる。
これが、戦争なのね。戦争なんて、理不尽極まりない行為としか言いようがない。

そして、この後闘いがどうなっていったかは、『史上最大の作戦』などの多くの映画で描かれているわけで…。だけど、イギリス政府がこの極秘事項を50年もの間公表しなかったため、アラン・チューリングの功績はなかなか世の中に知られることがなかった。戦争を終結させるという大役の一端を担い、コンピュータの概念を初めて理論化した人物なのに…。

チューリングがなぜ孤独だったのか…。それは彼の「秘密」による部分が大きいのだろう。「秘密」への仕打ちはかなり衝撃的で、そういう時代だったのかと改めて思った。
ならば、できることなら生まれ変わって今の時代で是非、生き直してほしいものだ。

想い人の名前をつけたとてつもなくでかいコンピュータが、最後にはとても愛しく、悲哀に満ちているような気がした…。

これ、『アメリカン・スナイパー』と2本はしごして観たんだった。
今思えば、大当たりな2本立てだったわ〜。



『史上最大の作戦』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937946177&owner_id=3701419
『アメリカン・スナイパー』
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1944586440&owner_id=3701419
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