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2015年07月02日23:39

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指摘する人間は馬鹿野郎!?

新幹線非常ブザー説明文へ指摘
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3496973

非常Bの説明文を指摘、非難する人間は馬鹿野郎、とまでは言わなくても、トンネル内車両火災の危険性を理解していない事を露呈していますね。

ここ数年でも、JR北海道で「スーパーとかち」が確かギア脱落により脱線しトンネル内に停車、その後に燃料タンク破損により漏洩した燃料に引火し火災が発生、という大事故がありました。
トンネル内で立ち往生してしまった事により、被害が拡大したという内容でした。

http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2013-4-1.pdf

鉄道や航空機の安全対策は、過去の事故経験を元に再発防止策が取られ、その連続によって今日の「安全」が確保されているのです。

過去のトンネル内の事故で、その後の安全対策に大きな影響を与えたものは2つ存在しています。

1つは死者30名、負傷者714人を出した「北陸トンネル火災事故」でしょう。

事故概要
午前1時9分頃、北陸トンネル内を走行中の大阪発青森行き501列車 急行「きたぐに」(EF70 62牽引、10系客車15両編成)の11号車食堂車(オシ17 2018)喫煙室椅子下から火災が発生。それに気付いた乗客からの通報を受けた車掌の非常ブレーキ操作と機関士の非常停止措置により、列車は運転規定に基づいて直ちに停車した(敦賀側入口から5.3km地点)。
乗務員は列車防護の手配(対向の上り線に軌道短絡器を設置し、信号を赤にする)を行った上で消火器等で消火作業を開始したが、火勢が強まり鎮火は不可能と判断したため、車両の切り離し作業に取り掛かった。火勢の激しさとトンネル内の暗闇で作業は難航。1時24分頃火災車両より後部を切り離し移動した後、1時29分頃トンネル両端駅である今庄、敦賀両駅に救援を要請するとともに、引き続き火災車両より前部を切り離す作業に取り掛かった。しかし1時52分頃熱でトンネル天井に設置されていた漏水誘導用樋が溶け落ち、架線に触れてショートを起こし停電したため、列車は身動きが取れない状態に陥った。

もう1つは、営団地下鉄日比谷線神谷町駅車両火災事故でしょう。

1968年(昭和43年)1月27日
営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線神谷町駅付近で、回送中の東武鉄道2000系(6両編成)の3両目の主抵抗器付近から出火して火災を起こし、1両が全焼、1両が半焼した。
事故列車は、六本木駅で主抵抗器が赤熱して付近から発煙していることが見つかったために営業を打ち切って乗客を降ろし、霞ケ関駅の側線へ向けて回送中だったので幸いにして乗客の被害は発生しなかったが、火災発生が駅と駅の中間だったために消火に手間取り、乗務員や消防士ら11人が負傷した。なお、全焼した車両は車体・機器ともすべて造り直され修理扱いで復帰した。
火災の原因は、主抵抗器が過電流により過熱して、上部にある樹脂製電線管から出火し延焼したものとされた。この事故の1時間ほど前、この編成が中目黒行きとして運行中に主制御器の進段トラブルが発生し、その際3両目を含む第2ユニット開放の処置を行ったが、3両目の主制御器は並列段の進段途中で停止したままになっており、北春日部への折り返し運転時に運転士が転換器を操作しても(ユニットが開放されているため)極性が転換せず、走行中は常時発電ブレーキがかかっている状態となっていたのが主抵抗器過熱の原因である。
この事故で、当時の耐火基準の最高ランクだったA-A様式に該当する車両が1両全焼したことは可燃性の車両部品の使用を見直すきっかけとなり、事態を深刻と見た運輸省(当時。現在の国土交通省)は営団中野工場内での実車燃焼実験などを含む抜本的検討を行い、翌1969年(昭和44年)5月に従来の通達に代わる「電車の火災事故対策について」を通達することによって新たな耐火基準(いわゆるA-A基準)を定め、火災事故対策を強化した。この基準は世界的に見ても厳格なもので、以後の鉄道火災事故防止に貢献している。

特に北陸トンネルの事故を契機に、それまでトンネル内でも火災発生時は直ちに緊急停止手配という運行規則が改められ、また鉄道車両の不燃化・難燃化が奨められました。

トンネル内走行時に火災が発生した場合、基本はトンネルを抜けるまで「走る抜ける」のが基本鉄則なのです。
現時点で非常Bが押されると乗務員室に表示され、それを元に運転士は緊急停止手配を取ります。
非常Bが押された場所も表示されるため、車掌が現場へ急行、または通話機にて発報者へ状況を聞き対応。
基本的に航空機の様な「火災」を知らせるシステムは一部の列車を除いて搭載されていないのです。
つまり、火災発生時に非常ブザーを鳴らしてしまうと、トンネル内で停車してしまう危険性があるのです。
火災報知器や火災報知ブザーを設ける事、が唯一の対応策でしょうね。

さて車両の不燃化ですが、北陸トンネル事故以前にも、鉄道に関する技術上の基準を定める省令での地下鉄等旅客車で基準が設けられていました。
これは地下鉄及び長大トンネルを走行する列車に対する規格で、部品などの難燃化や前面貫通口の設置が定められていました。
北陸トンネル事故を契機に、地下鉄や長大トンネル走行列車以外にも適応が進んでいます。
この地下鉄等旅客車は鉄道新技術省令に統合される2002年3月31日まで存在していました。
今では、新造される車両のほぼ全てが地下鉄等旅客車でのA-A基準を満たしています。
これは、今回燃やされてしまったN700系も然りですね。

つまり、日本の鉄道は世界で最も難燃化されており、車両火災への対策は万全なのです。
これら背景があるため、非常ブザーの説明文が記載されているわけなのですよ。

根本的な問題は、「火災発生時に非常ブザーが押せない」ではなく、如何に「可燃物、危険物、爆発物の持ち込みを防ぐか」ではないでしょうか。

マスコミも、この点をしっかりと報道して欲しいものです。
重箱の隅を突っ突くように揚げ足を取るのではなくね・・

蛇足になりますが、北陸トンネル事故では当時の運転規定に沿って対応した乗務員は起訴され、その後のキャリアがふいになってしまいました・・

知られていない事実ですが、この北陸トンネル事故の前にも同じ区間で同様な車両火災は発生していたのです。
しかし、惨事にはならずに済んだために大きく世間に知られる事はありませんでした・・
それは何故でしょう。
それは、運転士が当時の運転規定に違反し北陸トンネル内を全力疾走、トンネルを出た所で緊急停止手配を取ったため、なのです。

規則に沿って対応した運転士は起訴されてキャリアを失い、規則に違反した運転士はお咎め無しでキャリアを全うする・・
何とも皮肉ですな・・

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コメント

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