■公園遊具も健康志向=背筋伸ばすベンチ、懸垂用鉄棒―高齢化背景に増加・国交省
(時事通信社 - 04月03日 17:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3354024
ドンドンドン!!
誰かがドアを叩いている。
まあ、どうせ向かいの家に住む、タナカのオヤジだろう。
アイツはいつも、オレの息子が公園で騒ぐ声がうるさいと文句を言いに来るのだ。
そんなにうるさいなら、息子に直接言ゃあいいのだ。
なんでわざわざ、オレに文句を言うんだ。
親の躾がなってない。
知るか、そんなもん。
ドンドンドン!!
ドンドンドン!!
うるさいなぁ。
おちおち寝ていられやしない。
しぶしぶ玄関まで這って行って、ドアを開ける。
ドアの外に居たのは、やはりタナカのオヤジだ。
おや、隣にはヨシダのオバハンもいるぞ。
「一体、なんなんですか?昼間とはいえ、こんな風に、ドアを何回もドンドンと叩かれたら、御近所迷惑じゃあないですか。」
オレは、タナカのオヤジに向かって言う。
「ナニ言ってるんだ!!オマエが早く出てこないからだろう!!」
タナカのオヤジは、持っていた杖を振りかざして、オレに食ってかかる。
それをまあまあと、必死にヨシダのオバハンが止める。
「見てのとおり、私は身体の具合が良くないんです。ドアを叩かれても、そんなに早く出てこれやしません。」
「それを言うなら、ワシだって同じだ。しんどくて布団の中で臥せっておるのに、朝っぱらから、アンタんトコの息子が騒ぐ声がうるさくて、おちおち寝ていられやしないんだ。
アンタ親だろ。
いい加減、何とかしてくれよ!!」
やはり、タナカのオヤジは、オレの息子が朝から公園で騒ぐ、ラジオ体操とゲートボールに苦情を言いに来たのだ。
「そうですよ。私たち迷惑しているんです。
昼間ならともかく、こう朝早くから、ワイワイやられたら、うるさくて寝不足になって困っているんです。」
ヨシダのオバハンもタナカのオヤジに同調する。
アンタのトコの息子だって、つい一昨年まで、ウチの息子と一緒になって、公園で騒いでいたじゃないか。
息子が居なくなったからといって、自分の息子のことは棚に上げて、公園で騒ぐ声がうるさいだと。
全く勝手なもんだ。
「あのなぁ、私の息子と言っても、息子はもう75ですぞ。孫もいる歳なんだ。
騒いでいてうるさいと思うなら、私にじゃなく、息子に直接苦情を言ったらどうかね。
それに、ヨシダさん。
一昨年死んだアンタの息子さんだって、私の倅と一緒になって騒いどったじゃないか。
よく胸に手を当てて思い出してみなされ。」
ヨシダのオバハンは、一昨年死んだ最愛の息子を思い出したのだろうか。
目にハンカチを当てて、オイオイ泣き出した。
そこでドアが開いた。
「ただいまー。お爺ちゃん。」
今年小学生になったばかりの曽孫のタロウだ。
どうやら、学校が終わって帰ってきたようだ。
タロウは、ランドセルを玄関にほっぽり出して、何処かに出掛けようとする。
「おいおい、タロウや。何処に遊びに行くんだい。
公園へ遊びに行くのはいいけど、騒いじゃいけないよ、御近所迷惑になるからな。」
オレがそう言うと、
「ナニ言ってるんだよ、お爺ちゃん。
公園は、お年寄りのおじいちゃん、おばあちゃんが占領していて、僕たち子供の遊び場所なんかないよ。
これから、隣町のヒロシくんの家で遊ぶんだよ。」
タロウはそう言って出ていった。
全く、えらい時代になったもんだ。
少子高齢化が進んで、町には老人ばかりがあふれ、子供の声なんか聞こえやしない。
公園にいるのは、老人ばかり。
その老人が我が物顔で公園に屯ろし、騒いでいる。
私が息子を育てていた頃は、まだ、公園には子供の声が溢れていた。
あの頃が懐かしい。
まあ、あの頃も、タナカのオヤジは、子供の遊ぶ声がうるさいと苦情を言いに来てたっけ。
だがそうやって子供を排除した結果、タナカのオヤジは結局、老人の騒ぐ声に悩まされている。
全く皮肉なもんだ。
少し前に削除した日記を再投稿しました。
最近、ちょっと忙しく、日記の更新とコメントの返事ができなくて申し訳ありません。
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