年明け早々いい話じゃないので、縁起を担ぎたい方はせめて三が日を終えてからお越し下さいww
去年からうっとこの店は年末年始、休まず営業……とやらになったわけでして。
世の中がどんな行事でどんなであろうと出勤ですよー。
通常よりも交通量は少ないとはいえ、車も居ますし歩行者も居ますわな。
そんな中。店のすぐ近くまでやってきたときのことです。
私の目の前を通り過ぎ、左折していく車の助手席に座った女性と、一瞬、たまたま、目が合った。
別に私が居たからと言って通行を妨げたわけじゃあない。
私が助手席を覗き込んだわけじゃあない。
女性は外を見ていた。
私がふと、視線を落とした。
その角度が、ほんの一瞬、交錯した。
ただそれだけのこと。
その刹那。綺麗に化粧を施された女性の顔が、嫌悪とも憎悪ともつかない物凄い表情になったんだ。
あまりの凄まじさに、目を逸らすことも忘れて女性を凝視しちゃったよ。
なに、いまの。Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) わたし、なんかした?!
……っていうより、ニンゲンのカオって、あそこまで歪むものなの?!
そんなに綺麗な顔してるのに?!
そんなに綺麗な化粧してるのに?!
そんなに綺麗な服着てるのに?!
お正月、お休みなのに?!
助手席に乗せて、運転してくれるパートナーがいるのに?!
なのになんでそんなカオするの!? そんなカオできるの?!
私が貴方にそんなカオをさせたの?!
そりゃもちろん、私の格好はお世辞にも綺麗なものとは言えません。
姿も醜かろう。
しかしながら、そんなボットン便所に浮かんで死んでるゲジゲジ見たときよりひどいカオしなくてもよかろうものを。
……いや、彼女がボットン便所に浮かんで死んでるゲジゲジを見たときにどんなカオするのか知りませんけどね?
おとぎ話の悪い魔女でさえ、あそこまで醜い顔はしてないぞ……。
私ももう、中年と呼ばれてもいいくらいの年月を生きてきたけどさあ。
あのときほど醜悪な顔というものを見たことは無かったぞ。
本当の美醜ってのは、パーツの造型や配置バランスじゃなくて、表情なんだな……と心底思ったわ。
思わず、『こわっ!』って口走っちゃったくらい怖かった。マジでマジで。いや、ほんとマジで。
素でビビったから!
美しく紅が引かれた唇が、むぎゅっと憎々しげにゆがめられたあの顔……きっとしばらくは忘れられない。
装飾が綺麗だっただけに、物凄く表情の醜さが際立っちゃったんだな……これ。
いやー、すげえ顔が出来るもんだ……人間ってのぁ……。
自分でも出来るかと思って鏡に向かってやってみたけど、無理。
あの表情は出来んわ。
見知らぬヒトと目が合った瞬間に凄まじい憎悪を浴びちまった私に、
どうか皆さん同情してくだせい。
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