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2015年01月03日23:32
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【文字起こし】2015.1.3 ラジオ・フォーラム第104回 小出裕章ジャーナル【原発はなぜいけないのか� ヽ吠�裂反応が生み出すもの】
明けましておめでとうございます。
小出裕章さんのお話を書き起こす作業も、たね蒔きジャーナルの時代から数えて4年目になりました。
小出さんのお話を書き起こす作業は、私の反原発運動の原点です。
今後ともよろしくお願いします。
それにしても、新年1発目から日本という国の愚かさを話題にしなければいけないとは、ほとほと嫌になりますね。
あれだけの事故を起こしておいてどの面を下げて、外国に原発を売りつけることができるのか
ラジオ・フォーラム第104回
http://
小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://
京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://
小出裕章氏講演会情報
http://
【内容文字起こし】
パーソナリティ：湯浅誠（社会活動家）
湯浅：小出さんよろしくお願いします。
小出：こちらこそよろしくお願いします。
湯浅：明けましておめでとうございます（笑）。
小出：はい。不思議なことに年だけは流れるようですね。おめでとうございます。
湯浅：（笑）・・・今日はですね、まあそもそも中のそもそもなんですけど、1月のテーマは『原発はなぜいけいないのか』でございます。
小出：ふふっ（笑）、はい。
湯浅：あのー、リスナーの方の中には「何を今さら」って方も大勢いらっしゃるとは思うんですが、
小出：はい。
湯浅：まあそれ以外に、実は初めて聴くって方もおられると思いますので、すいませんがお付き合い下さい。
小出：はい。
湯浅：えーまず、今日のテーマはですね、「核分裂反応を人間は制御できるのか？」。
小出：はい。
湯浅：まず「核分裂反応」の核分裂とは、何なのか。それと、核分裂と原子力発電っていうのは、いったい何がどう関係してるのかっていうことについて、よろしくお願いします。
小出：はい。えー、核分裂の「核」というのは、まあ私たちが「原子核」と呼ぶもののことなのですが、ずーっとまあ長い人類の歴史の中で、いわゆるまあ・・・元素と言うのでしょうか、水素、酸素、炭素、まあ、鉄とかですね、アルミとか、そういう元素自身は、別の元素には変換できないというのが、これまでの常識だったのですけれども、えー1938年の末になりまして、ウランという元素を、別の元素、あるいは原子核に変えてしまうことができるということが、発見された、のです。
湯浅：はい。
小出：えー、その反応を、核分裂反応と言うのですが、ウランというのは結構大きな原子核なのですが、それが2つに、あるいはまあ場合によっては3つに分裂してしまって、全く違う原子核、元素になってしまうということが分かりました。で、その時に、膨大なエネルギーが出てくるということも、分かりまして、ちょうどその頃は、第二次世界戦争の前夜だったわけで、それを使って、爆弾を作れないか、ということをすぐ考える人たちが出てきたのです。で、結局何ができたかといえば、いわゆる原爆。日本というこの国は、広島と長崎に2発の原爆を落とされて、たくさんの人々が、苦難のどん底に落とされるということになりました。
湯浅：はい。
小出：まあそれを見てですね、原爆というのはもの凄いと、普通のこれまで人間が使ってきた爆弾とは全く違う爆弾だということに皆が気が付いたわけですし、えーこれまで使ってきた、まあ薪であるとか、石炭であるとか、石油であるとか、そんな反応とは全く違うエネルギーが出るのであれば、それを人類の平和のために使えるのではないかというような期待までが生まれてしまった、のです。
湯浅：うーん。
小出：で、それで生み出されたのが原子力発電という技術で、実は私自身も、原爆は悪いけれども、核分裂のエネルギーを、人類のために使いたい、原子力発電をやりたいと思ってしまった人間なのです。
湯浅：夢のエネルギーだっていうことで、発電に応用されたのが、原子力発電だと。
小出：はい。
湯浅：で小出さんも、青年の若かりし小出青年は、その夢に賭けた、
小出：はい。
湯浅：ということですね。
小出：（笑）、その通りです。愚かだったと思いますけれども、核分裂の反応に夢を抱いてしまいました。
湯浅：いえいえいえ。その夢のエネルギーが、夢じゃないということに、なっていったのは、核分裂が、結局コントロールしきれないということに、いつか分かったから、っていうことなんですかね？
小出：はい。まあたくさんの理由がありますが、もちろん今湯浅さんが言ってくださったように、核分裂反応を人類がコントロール、できない場合があるだろうと、もしそうなってしまうと大変な被害が出てしまうので、そういう技術は使うべきでないと私は思うようになりました。
湯浅：ふーん。他にどういう懸念点というか・・・
小出：えー（笑）、たくさんありますけれども、
湯浅：はい、はい。
小出：仮に制御でき続けたとしても、核分裂反応というものを使ってしまいますと、核分裂生成物、いわゆる皆さんが死の灰と呼ぶものが、避けることなくできてしまうのです。そのできる量たるや膨大な量ができてしまいまして、例えば、今日では100万ｋｗという原子力発電所が標準になったのですが、その・・・原子力発電所1基を、1年運転させるためには、1トンのウランを核分裂させる。そして、1トンの死の灰ができるわけですけれども、広島原爆で核分裂させたウランはわずか800グラム。撒き散らした死の灰も800グラムだったのです。つまり、原子力発電所というものは、1基を1年運転させるごとに、広島原爆が撒き散らした死の灰の優に1000発分を超える死の灰を、避けることなく生み出してしまうという、そういう機械なのです。
湯浅：うーん。
小出：まあ福島第一原子力発電所はそれを今、環境に撒き散らしているわけですけれども、仮に大きな事故にならなかったとしても、生み出した核分裂生成物は消えないし、それを消す力を人類は持っていない。その毒物は10万年、あるいは100万年どこかに閉じ込めなければいけないという、毒物であって、私たちの世代が何か電気が欲しいと言って、原子力を使ってしまうと、10万年100万年もの私たちの子々孫々に、その毒物を押し付けるということをやってしまうことになります。そんなことは到底許されないだろうと私は思います。
湯浅：なるほど。まあ10万年後100万年後まで、子々孫々に影響を与え続けると、いうこと・・・を、止めなきゃいけないので、まあずーっと遡って、今原発を止めないといけないと、いうことになる、ということですね。
小出：はい。まあ・・・今すぐに原発を止めたとしてもですね、日本という私たちの国では1966年から原子力発電というのを始めてしまいまして、既に今日までに、広島原爆が撒き散らした死の灰の130万発分を作ってしまった・・・
湯浅：130万ですか！
小出：はい。
湯浅：はあ・・・。
小出：のです。もう気が遠くなると言うかですね、その危険をどうやって考えていいか分からないほどの物を既に作ってしまった、のです。まあ私たちの世代、まあ何十年かのこの間の、何か電気が欲しい、豊かに生きたいとかいう、そういう欲望のもとにですね、本当に信じがたいほどの毒物を生んでしまい、それをこれからも子々孫々に押し付けなければいけないと、いうことになってしまっているのです。もう本当にいい加減に目を覚まさなければいけないと私は思います。
湯浅：えー新年、あの・・・早々、気の引き締まるお話、ありがとうございました。
小出：いいえ。
湯浅：あの・・・今年も、引き続き考えていきたいですね。
小出：はい。
湯浅：小出さんどうもありがとうございました。
小出：ありがとうございました。
【文字起こし終了】
■東芝、カザフと原子炉輸出交渉 世界有数のウラン生産国
(朝日新聞デジタル - 01月02日 17:29)
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小出裕章さんのお話を書き起こす作業も、たね蒔きジャーナルの時代から数えて4年目になりました。
小出さんのお話を書き起こす作業は、私の反原発運動の原点です。
今後ともよろしくお願いします。
それにしても、新年1発目から日本という国の愚かさを話題にしなければいけないとは、ほとほと嫌になりますね。
あれだけの事故を起こしておいてどの面を下げて、外国に原発を売りつけることができるのか
ラジオ・フォーラム第104回
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小出裕章(京大助教)非公式まとめ
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京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://
小出裕章氏講演会情報
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【内容文字起こし】
パーソナリティ：湯浅誠（社会活動家）
湯浅：小出さんよろしくお願いします。
小出：こちらこそよろしくお願いします。
湯浅：明けましておめでとうございます（笑）。
小出：はい。不思議なことに年だけは流れるようですね。おめでとうございます。
湯浅：（笑）・・・今日はですね、まあそもそも中のそもそもなんですけど、1月のテーマは『原発はなぜいけいないのか』でございます。
小出：ふふっ（笑）、はい。
湯浅：あのー、リスナーの方の中には「何を今さら」って方も大勢いらっしゃるとは思うんですが、
小出：はい。
湯浅：まあそれ以外に、実は初めて聴くって方もおられると思いますので、すいませんがお付き合い下さい。
小出：はい。
湯浅：えーまず、今日のテーマはですね、「核分裂反応を人間は制御できるのか？」。
小出：はい。
湯浅：まず「核分裂反応」の核分裂とは、何なのか。それと、核分裂と原子力発電っていうのは、いったい何がどう関係してるのかっていうことについて、よろしくお願いします。
小出：はい。えー、核分裂の「核」というのは、まあ私たちが「原子核」と呼ぶもののことなのですが、ずーっとまあ長い人類の歴史の中で、いわゆるまあ・・・元素と言うのでしょうか、水素、酸素、炭素、まあ、鉄とかですね、アルミとか、そういう元素自身は、別の元素には変換できないというのが、これまでの常識だったのですけれども、えー1938年の末になりまして、ウランという元素を、別の元素、あるいは原子核に変えてしまうことができるということが、発見された、のです。
湯浅：はい。
小出：えー、その反応を、核分裂反応と言うのですが、ウランというのは結構大きな原子核なのですが、それが2つに、あるいはまあ場合によっては3つに分裂してしまって、全く違う原子核、元素になってしまうということが分かりました。で、その時に、膨大なエネルギーが出てくるということも、分かりまして、ちょうどその頃は、第二次世界戦争の前夜だったわけで、それを使って、爆弾を作れないか、ということをすぐ考える人たちが出てきたのです。で、結局何ができたかといえば、いわゆる原爆。日本というこの国は、広島と長崎に2発の原爆を落とされて、たくさんの人々が、苦難のどん底に落とされるということになりました。
湯浅：はい。
小出：まあそれを見てですね、原爆というのはもの凄いと、普通のこれまで人間が使ってきた爆弾とは全く違う爆弾だということに皆が気が付いたわけですし、えーこれまで使ってきた、まあ薪であるとか、石炭であるとか、石油であるとか、そんな反応とは全く違うエネルギーが出るのであれば、それを人類の平和のために使えるのではないかというような期待までが生まれてしまった、のです。
湯浅：うーん。
小出：で、それで生み出されたのが原子力発電という技術で、実は私自身も、原爆は悪いけれども、核分裂のエネルギーを、人類のために使いたい、原子力発電をやりたいと思ってしまった人間なのです。
湯浅：夢のエネルギーだっていうことで、発電に応用されたのが、原子力発電だと。
小出：はい。
湯浅：で小出さんも、青年の若かりし小出青年は、その夢に賭けた、
小出：はい。
湯浅：ということですね。
小出：（笑）、その通りです。愚かだったと思いますけれども、核分裂の反応に夢を抱いてしまいました。
湯浅：いえいえいえ。その夢のエネルギーが、夢じゃないということに、なっていったのは、核分裂が、結局コントロールしきれないということに、いつか分かったから、っていうことなんですかね？
小出：はい。まあたくさんの理由がありますが、もちろん今湯浅さんが言ってくださったように、核分裂反応を人類がコントロール、できない場合があるだろうと、もしそうなってしまうと大変な被害が出てしまうので、そういう技術は使うべきでないと私は思うようになりました。
湯浅：ふーん。他にどういう懸念点というか・・・
小出：えー（笑）、たくさんありますけれども、
湯浅：はい、はい。
小出：仮に制御でき続けたとしても、核分裂反応というものを使ってしまいますと、核分裂生成物、いわゆる皆さんが死の灰と呼ぶものが、避けることなくできてしまうのです。そのできる量たるや膨大な量ができてしまいまして、例えば、今日では100万ｋｗという原子力発電所が標準になったのですが、その・・・原子力発電所1基を、1年運転させるためには、1トンのウランを核分裂させる。そして、1トンの死の灰ができるわけですけれども、広島原爆で核分裂させたウランはわずか800グラム。撒き散らした死の灰も800グラムだったのです。つまり、原子力発電所というものは、1基を1年運転させるごとに、広島原爆が撒き散らした死の灰の優に1000発分を超える死の灰を、避けることなく生み出してしまうという、そういう機械なのです。
湯浅：うーん。
小出：まあ福島第一原子力発電所はそれを今、環境に撒き散らしているわけですけれども、仮に大きな事故にならなかったとしても、生み出した核分裂生成物は消えないし、それを消す力を人類は持っていない。その毒物は10万年、あるいは100万年どこかに閉じ込めなければいけないという、毒物であって、私たちの世代が何か電気が欲しいと言って、原子力を使ってしまうと、10万年100万年もの私たちの子々孫々に、その毒物を押し付けるということをやってしまうことになります。そんなことは到底許されないだろうと私は思います。
湯浅：なるほど。まあ10万年後100万年後まで、子々孫々に影響を与え続けると、いうこと・・・を、止めなきゃいけないので、まあずーっと遡って、今原発を止めないといけないと、いうことになる、ということですね。
小出：はい。まあ・・・今すぐに原発を止めたとしてもですね、日本という私たちの国では1966年から原子力発電というのを始めてしまいまして、既に今日までに、広島原爆が撒き散らした死の灰の130万発分を作ってしまった・・・
湯浅：130万ですか！
小出：はい。
湯浅：はあ・・・。
小出：のです。もう気が遠くなると言うかですね、その危険をどうやって考えていいか分からないほどの物を既に作ってしまった、のです。まあ私たちの世代、まあ何十年かのこの間の、何か電気が欲しい、豊かに生きたいとかいう、そういう欲望のもとにですね、本当に信じがたいほどの毒物を生んでしまい、それをこれからも子々孫々に押し付けなければいけないと、いうことになってしまっているのです。もう本当にいい加減に目を覚まさなければいけないと私は思います。
湯浅：えー新年、あの・・・早々、気の引き締まるお話、ありがとうございました。
小出：いいえ。
湯浅：あの・・・今年も、引き続き考えていきたいですね。
小出：はい。
湯浅：小出さんどうもありがとうございました。
小出：ありがとうございました。
【文字起こし終了】
■東芝、カザフと原子炉輸出交渉 世界有数のウラン生産国
(朝日新聞デジタル - 01月02日 17:29)
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