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2014年12月23日23:30

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ベト9→ブラ1金の梯子

今日はベト9→ブラ1という音楽史俯瞰的梯子を敢行しました!

梯子その1:

○都民交響楽団2014年特別演奏会
開演:2014年12月23日(火祝) 14:00
会場:東京文化会館大ホール
曲目:
ワーグナー/歌劇「リエンツィ」序曲
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調『合唱付』
独唱: 清水 知子(S)、菅 有実子(A)、井ノ上 了吏(T)、伊藤 純(B)
合唱: 新都民合唱団
管弦楽:都民交響楽団
指揮:末廣 誠

FBお友達の鵜瀞様のご出演・お薦めにより拝聴。
都民交響楽団には独立して都民deクラローネとして活動するアマオケでは日本屈指のクラリネット集団がパートとして存在していて、今日は正面の席が買えたこともあり、主としてクラリネットの息継ぎやスワブを通すタイミングなどを中心に観察しました。

まずメインの前の「リエンツィ」ですが、前述のようにベト9再演に奔走したワーグナーがその頃作曲してたリエンツィを前プロに流すとは慧眼で(ごく最近たまたまそのことを知ったばかり)、リエンツィを聴いてるとワーグナーがベト9のスコアをけっこう当時研究していたんじゃないか?という気がしてきました。

次にメインのベト9ですが、本日の演奏は冒頭から最後まで全く緩まないというか疵とか隙とかの全くない演奏で(第2楽章のティンパニ3連打4発目が最初全然減衰しなかったので新解釈か!と思ったけど2回目から4発目が減衰したので減衰忘れだったらしい、というのがあったくらい)、基本弦楽器が美しいのですが、木管楽器がその妙なる調べに乗って非常にのびのびと演奏していたのが印象的でした。
クラリネットは予想通り突出した美しさで(おそらく○口さんでしょう)、思ったより1クラが主導権を取ってて第3楽章の4ホルンとの絡みも別に4ホルンに気を遣っているような素振りは全くなく朗々と主旋を吹きまくっていました。
息継ぎも第3楽章でわりと長フレーズの間でも平気で取っていて(さすがにスラーの真ん中ではないけど)スワブはわりと頻繁に通していました。
さすがにC管使ってる人はいませんでした…
しかし今日の演奏聴いてて、トリッキーな第2楽章は絶対C管で演奏するべきだと確信しました!あの小さいティンパニと同調させるだけでも意味あります。
合唱は指導が行き届いていて素晴らしかったですが、独唱は先日の川崎でも歌ったバスの伊藤さんがすごく良かったです。
いつも違和感あるレチタティーボの部分ですが、今日はバスの歌唱のせいか管弦楽があまり流れを分断しなかったせいかあまり違和感なくすーっと合唱の本題に入っていった感じです。
あと、打楽器のシンバルのおじさんがとてもよいフォルテを聴かせてくれました。
なんか話がいろいろになってしまいましたが、結論に戻ると冒頭から最後までストレートな盛り上がりのよどみがない演奏で、「これが第9だ!」というのを聴かせていただいた感じです!


今日の梯子は上野から関内まで京浜東北線で一本で、あまりに楽だったせいかなぜか関内駅で寝過ごしそうになりました。(最近目的地の直前に眠ってしまうことが多いのです)


梯子その2

○ヨコハマベイフィルハーモニー第1回定期演奏会
開演:2014年12月23日(火・祝)19:20
会場:横浜関内ホール(大ホール)
曲目:
シューベルト/交響曲第7番「未完成」
ブラームス/交響曲第1番
管弦楽:ヨコハマベイフィルハーモニー
指揮:松本宗利音

以前西湘フィルハーモニーにいたFlの池谷くんたちが作った楽団で、昨年ベト9を演奏した有志の人たちで立ち上げたみたいです。(なんかいろいろベト9づいています最近>自分)
指揮者は噂の?松本シューリヒトさんで、シューリヒトの奥様が名付け親とのことです!

さてシューベルトの未完成はちょっとティンパニの調律に不安な点があったものの演奏は非常に悠揚迫らぬ立派なもので、第1楽章第2主題前のホルンとファゴットの経過句の長伸ばしなどにシューリヒト的?解釈を感じた。
第2楽章は美しいと言うよりもしっかりと大地に根が張った印象で、こういう緩徐楽章ならスケルツォ後の第3楽章にも相応しいと感じた。

さてメインのブラ1は、全身が引き締まるようなすばらしい演奏。
こちらも梯子その1と同じく弦楽器に輪をかけて木管楽器が美しい!特に第2楽章のオーボエと第3楽章のクラリネットのソロは最高でした。じゅ。もあんなに艶やかに吹きたいものですが、ブラ1やるとなったらやはり2ndか降り番かを狙うでしょう…
ティンパニも不安は払拭されて最も大活躍で曲に非常なアクセントを付けて終演後も大きな拍手をいただいていた…
今日の演奏を聴いていて、梯子その1のベト9から続けて聴いて、従来からよく言われるベト9の延長上にはブラ1は全くないことがよくわかりました!(あるとしたらプログラムにシューリヒトさんが書いていたようにベト5の延長です)つまり今日の演奏から感じたことはこの曲は非常にロマン的であること!ベト9の次にこの演奏会の前プロ未完成を挿むとますますはっきりします。ベト9よりも明らかに未完成がロマン的で、未完成よりも明らかにブラ1がロマン的です。むしろベト9にロマン派の前兆が少しだけ入り込んでいるといった感じで、ブラ1はロマンチック全開の曲でした!今日の演奏でどうしてロマンチック全開と聴いたのかというと弦楽器を初めとする今日の演奏の奔流のような流れが古典的造形の世界を押し流してしまうようなそういうみずみずしさを感じたのです。
第1回創立演奏会という意気もあったとは思いますがこの勢いをぜひ継続していって欲しいです。
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