幕はホントに上がるのか？

　映画、「幕が上がる」　そして、舞台「幕が上がる」
　私はこの流れにおおいに期待しています。
　そして同様に、おおいに不安を持っています。

　彼女らの演技力がどうとかいうことではありません。
　この映画が成功するかどうかということです。
　具体的には、興行収入ということになります。

　この映画の監督をつとめる本広監督の「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ！」（2000年）の興行収入は、173.5億円。これはジブリとかのアニメをのぞいた邦画実写映画では歴代トップの数字です。
　173.5億円というのは、単純に映画のチケットを1800円として割ってみると、963万人の人が見たことになります。（実際には学生1500円とか映画の日1100円とかで、もっと多い数字になると思いますが）
　歴代トップの映画と比べても現実的ではないので、「アイドル映画はコケる」と評判の他のアイドル映画を調べてみました。
（あらかじめお断りしておきますが、ここで上げる数字は私がざっとグーグル調べで見つけた数字で、正確なものではないかもしれません）　
(人数は、興行収入の金額を1800で割った数字です）

　ＡＫＢの映画だと、
「ＤＯＣＵＭＥＮＴＡＲＹ ｏｆ ＡＫＢ４８ 少女たちは、今、その背中に何を想う？」（2014年）　興業収入1億円（3億円と書いているサイトもあった）　5.5万人（3億円とすると15万人）
　他に、ＡＫＢの映画は、2011年、1作目の興行収入は4.5億円、2012年は3.2億円、2013年は2.1億円という記載がありました。

モーニング娘。　「ピンチランナー」（2000年）　5.7億円　31万人

他に、ももクロも関係する映画でいうと、
「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」（2014年）　国内4億海外30億　22万人
「悪夢ちゃん The 夢ovie」（2014年）　5.8億円　32万人

　雑な計算なので、実際の数字とは大きく食い違っていると思います。
　しかし、ひとつの指標にはなります。

　大コケ、ときいていた「聖闘士星矢」「悪夢ちゃん」でも、この数字です。
　5億円の興行収入を上げるには、27万人の動員が必要になります。

　さて、現在のAngelEyesの会員数はどれくらいいるのでしょうか。
　最近ＡＥに入会した人の会員番号が25万番台でした。ＡＥの会員番号は110001から始まっているので、会員番号からすると14万人の会員がいることになります。
　しかし、この中には退会した人や複数アカウントを持つ人の番号も含まれているので、実質的な会員数は10万人ほどなのではないでしょうか。

　10万人が全員見たとして、10万かける1800円で、1.8億円です。
　そう考えると、映画という世界が　これまでももクロが勝負してきたフィールドといかに規模がちがうかわかると思います。
　
　これまでももクロはライブがメインのフィールドでした。
　たとえば、1万円のライブDVD、Blu-rayを10万人に販売すれば、10億円です。
　しかし、映画で10億円の興行収入を上げようとすれば、10億割る1800で、55万人の動員が必要なことになります。
　これは、既存のももクロファンだけでは達成できない数字です。

　つまり、この映画を「ももクロの映画」だと思われたら失敗するということです。
　告知のustでも、「モノノフがひとり五人連れてきてくれれば」といったことを言っていましたが、友人を誘うにしても、
「この映画、ももクロ主演なんだよ、見にいこうよ」
　そんなおすすめ文句はやめたほうがいい。私も友人から「このAKBの映画感動するから、見に行こう」「ベイビーレイズの映画なんだよ、見に行こうぜ」と言われても、たぶん行きません。
　アイドルの映画に、一般の人はもっと興味ありません。
　それよりは、
「踊る大捜査線の本広監督が久しぶりに作った映画で…」
「高校の演劇部の映画で、原作読んですごいよかったんだよね…」
　ももクロ臭を消して、単なる映画として広めるのでなければ、おそらくこの映画はヒットしません。
　私は、ももクロを応援しています。
　この映画が成功するために、ファンではない友人たちにあの手この手でおすすめして、映画館に足を運ばせるつもりです。

　1万円かける10万人で、10億円。
　1000円かける100万人で、10億円。
　数字は同じでも、そこに至る方法はまったく別のものになります。

　ももクロが次のステージに進むために乗り越えなければならない大きなハードルが、そこにはあります。
　
　幕が上がるには、モノノフだけの力では足りません。
　もっともっと、たくさんの力を……

この映画を、たくさんの人に見てもらいましょう！
家族、友人、同僚、先輩後輩、たくさんの人を映画館に連れていきましょう。

　6年後の新国立競技場でのライブを実現するために。
　オリンピックの夢を実現させるために。
　彼女らが、本当にメジャーな存在になるために。