今日もEspeciaのアルバム「GUSTO」を聞いている。
先月13日のタワレコ横浜店でのイベントで買ったもの。
これがもう、本当にいい。
まるで80年代から2014年にタイムトリップしてきたかのよう。あの時代のシティポップスやファンク、R&Bなどのテイストがきらびやかに散りばめられた名盤といっていいと思う。
ここまでやらなくてもいいんじゃないかと思うほど常軌を逸したボリュームと高品質。
結成2年でまだまだ知名度もなく、資金力だってあるとは思えないのに、最初のアルバムでこんなの作っちゃって大丈夫なのかと余計な心配をしてしまうほど。
いや、自分はそれほど80年代には思い入れもないし、80年代に主流だった音楽はあまり好きではない。だから、僕がこのアルバムを好きなのはノスタルジーなんかじゃなく、今のEspeciaの音楽だからこそ好きなんだと思う。
Especiaがアイドルなのかどうかはよくわからないけれど、少なくともアイドルの土俵で勝負しているグループである事は間違いないだろう。ところが、このアルバムの作りはまったくアイドルらしくない。
��16曲72分というボリューム。
�▲屮奪�レットには普通メンバーのポートレートが載っているものだけれど、掲載されているのはゴージャスなホテルのロビーやベッドルーム、バスルームなどのイメージショット。メンバーの写真はCDの裏ジャケにあるだけ。
��アルバムの構成としては、シングル曲を冒頭に置き、いわゆるキラーチューンを前半に集めるのが常套手段。このアルバムでは「No1 Sweeper」「ミッドナイトConfusion」「YA・ME・TE」あたりがそれに当たると思うのだけれど、これらの曲が出てくるのは、それぞれ9曲目、12曲目、15曲目。でも、不思議と前半を飛ばして聞く気にならない。最初から最後まで順番に聞きたくなる。
それでは実際にアルバムを聞いてみよう。
「Intro」は短いインスト。タワー・オブ・パワーかと思わせるブラスとドラムのイントロで、アルバムは幕を開ける。高揚感が高まる。
さあ、盛り上がろうかとしたところで続くのは、サックスソロから始まる「Bay Blues」。テンポを落としたスローナンバーでいきなりクールダウン。でもここで、Especiaの「Gusto」の世界に引き込まれる。先ほど言及したブックレットのイメージね。しかし、アルバム冒頭に最もスローな曲を持ってくるとは何と大胆な構成か。
3曲目の「FOOLISH」はミディアム調のファンクチューン。吉田美奈子の「LIGHT'N UP」あたりに入っていてもおかしくないようなナンバー。じわじわと体が熱くなる感じ。大好き。
シンセサイザーが跳ねる「アバンチュールは銀色に（GUST Ver）」で絶妙にペースを変える。独特なシンコペーションがクセになる。
「Mount Up」のギターのイントロのカッコいい事ったらない。サビのメロディーも好きだ。大人の恋愛の駆け引きみたいな歌詞が多い中、この曲だけ毛色が違う言葉が聞こえてくると思ったら、メンバーの三瀬ちひろが歌詞を書いていた。大大好き。
「前が見えないことなんて当たり前だったのに いつの間にか手探りが怖い」
6曲目「BEHIND TOU」。これもイントロが最高。ホーンが心地よいミディアムナンバー。この曲に限らないけど、控え目にリズムを刻むギターが気持ちよい。この曲も大好き。
「嘘つきなアネラ」では、もうとろけてしまいそうになる。これも良いな〜。
「Intermission」で場面転換して、このアルバム最大のハイライト「No1 Sweeper」へ。
イントロで舞うサックス。投げ出すような歌い方（もなりや暁音の歌い方には、最初はちょっと違和感があったのだけれど）。特に、サビのこれでもかとたたみかける展開は凄い。この曲はホント中毒性がある。好きというより、もうこの曲には取りつかれています。
「正気じゃいられないくらい踊ろうよ 手遅れになったっていい」
10曲目。ゆったりしたラップもはいる「L’elisir d’amore」でちょっと箸休め。
「海辺のサティ(PellyColo Remix」は8分にも及ぶインスト。途中でリズムの変化があったりして飽きさせないけれど、やっぱりちょっと長いかな。この曲のボーカル入りバージョンを収録してほしかった気もする。
12曲目「ミッドナイトConfusion(Pureness Waterman Edit)」は、ライブでは最高に盛り上がる曲。「EYES ON ME」！！アレンジはわりと軽いディスコ調。
「くるかな」も、ゆったりとした佳曲。
「雨上がりのあさがえり 仕事やすんじゃおっか」
14曲目「アビス」。これも名曲。イントロのギターと、そこにかぶさるホーンが最高っす。ソロでボーカルをとるところが頼りなげに聞こえるところが、せつなくてたまらない。最後のコーラス部分もいいんだな。アルバムの中では「NO1 Sweeper」と並んで、この曲が一番好きかも知れん。
「誰もいないこの海で 名前のない星 見つけるの 泳いでいたい 心のまま 迷子のまま」
「誰もいない 青の狭間で 溺れていたい お願い二度と もう帰れない 漂っていたい」
「YA・ME・TE！（GUSTO Ver）」は、Especiaらしい、勢いのあるナンバー。イントロのドラムとホーンが超かっこいい。間奏のサックスも超かっこいい。こういう曲にはもなりのパンチの効いた声がよく合う。はじめの頃は正直あまり好きじゃなかったのだけれど、今ではEspeciaの最大の魅力は彼女の声だと思っています。
そして、一夜の夢から醒めてネオンが煌く夜を徘徊しているかのような「Outro」で、アルバムは幕を閉じる。
こんな風に、一曲ずつコメントしたくなるアルバムです。
それにしても、こんなにEspeciaを好きになるとは思わなかったな・・・。
●No1 Sweeper(MV)
https://www.youtube.com/watch?v=e089x6ba1Zo
●YA・ME・TE！(MV)
https://www.youtube.com/watch?v=RAR1L1vVfHA
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