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2014年10月04日23:39

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9月の読書記録

8月が暑さにあてられてなかなか読書が進まなかったのに比べると、9月はまだ読めたほうか?それから9月は結構バルザックを読んでいたかな?後、ナイスが多いのが嬉しい。でも今月は読書もいいけれど、ケアマネの勉強をちゃんとしないと…

2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:5264ページ
ナイス数:78ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/4147/matome?invite_id=4147

■文化記号論 (講談社学術文庫)
「今更『文化記号論』…」という感じで手に取ったけれど、読み終えてみて、やはり今更感が否めない…(笑)記号論ブームから二十年以上を経て、本書を読んでみると、どこか脆弱というか、その後大きな流れとなりえなかった限界のような物が垣間見られる気がする。それから、個人的には修辞学を扱った三章、四章がかなり分かりづらかった。特にこれらの章にはある程度注釈が必要だったと思うのだが…後、五章、六章ではキリスト教についてかなり言及されていたのが意外。キリスト教が記号論の脈略で語られるのは、割に珍しいと思うのだが…
読了日:9月30日 著者:池上嘉彦,山中桂一,唐須教光
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41604215

■日本の身体
全体としては興味深い内容なのだけれど、ちょっと緩いかな…というのが、第一印象。特に内田氏の発言がいつになく冗漫に思えた。それはともかくとして、普段垣間見ることさえない、様々なジャンルのプロが語る言葉はやはり重たい。特に文楽や能、雅楽など日本古来の芸術に携わる人達の姿は、効率ばかりが尊重される今の風潮への警鐘とも受け取れる。また、ロックやジャズなど異質の音楽を経て三味線や尺八などの楽器へ向かった人がいたということにも驚かされた。本書は「身体論」であると共に広い意味での「日本人論」であるとも言える。
読了日:9月28日 著者:内田樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41550716

■喧嘩の勝ち方 喧嘩に負けないための5つのルール
この本を読んで「喧嘩の勝ち方」を学んだというより、「やっぱり喧嘩何かなるべくしないほうがいいな」と思ってしまった軟弱者(笑)。それはともかくとして、個人的にはそんなに悪いイメージを抱いていなかった猪瀬直樹のどうしようもない無知(恥)蒙昧ぶりを本書によって初めて知ってちょっとびっくり。後、二人とも鈴木邦男をかなり高く評価しているのが印象的。かねてから佐藤氏と鈴木氏を対談させたら面白いだろうな…と思っていたから余計に。それから痛快だったのは曾野綾子への批判。本書を読んで更に彼女が嫌いになった(笑)。
読了日:9月26日 著者:佐高信,佐藤優
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41488613

■差異としての場所 (講談社学術文庫)
自分の無知と読みの浅さをさらけ出すようだが、「柄谷は一体何を目指し、何を是とし、非としたのか?」ということをつい考えてしまった。明晰な文体ではあるが、結局何が言いたいのか、よく分からず。それでも何となし刺激的なのでつい読み進めてしまう。こういう物の書き方をする人が、柄谷以降殆ど出てこなかったのは、当然だとも思うけれど、その一方で惜しい気もする。また、後書きでも触れている通り、本書は所謂ニューア・アカが持て囃された時代の評論が収められているということで、今一度柄谷の仕事を包括的に見直す必要性を感じた。
読了日:9月25日 著者:柄谷行人
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41461462

■「したくない」という自由 (第2巻) (〈セレクション・竹内敏晴の「からだと思想」〉(全4巻))
内容が重複している箇所がかなりあるので、読み進めるのが若干怠く思えるときもあったが、全体的には何かと示唆的。とりわけ告発される体操座りの害悪、「頭に来る」から「むかつく」へと変容していった怒りの表現。前者に関しては、以前から共感していたが、後者に関しては、全くと言って言い程気づいていなかった事実で、虚を突かれた思いがした。とにかく、「声を出すこと」、「体を動かすこと」という人間にとって根源的な営みが、今日どれだけ危機に晒されているか?ということをまざまざと思い知らされる。全ての教育者必読の書。
読了日:9月23日 著者:竹内敏晴
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41396365

■サバイバル宗教論 (文春新書)
内容はともかくとして、『サバイバル宗教論』という題名が気になる。最後まで読めばその意図は納得できるのだけれど、この題名だと余計な誤解を招くのでは?それはさておき、第一講の大半の紙幅をしめるイスラム関係の記述は正直読むのがしんどかったけれど、これまで読んできたイスラム関係の書籍で得た知識をある程度整理する役割も果たしてくれた。それからとりわけ興味深かったのは、キリスト教の神学論争のいわばいい加減さを指摘したくだり。その論争においては、決して論理的に正しい方が勝つわけではないという言及は何とも言えず重い。
読了日:9月23日 著者:佐藤優
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41389364

■ヒューモアとしての唯物論 (講談社学術文庫)
理解の程は甚だ怪しいけれど、とりあえず刺激的な論文集であるということだけは把握できた。ただ、本書を読んで著者柄谷が目指す物が一体何なのか?ということが改めて気になった。そもそも学部が英文科で、最終学歴は経済科院。文芸評論家ということで世に知られ、現在は哲学者を名乗っているという経歴が今更ながらに奇異に感じられる。そしてその訳の分から無さが本書の基底をなしているという事実に著者の特異な立場を改めて確認させられた次第。それから何かと否定的な評価を下しながらも、常に吉本隆明を意識していたということを再確認。
読了日:9月19日 著者:柄谷行人
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41293991

■あら皮 〔欲望の哲学〕 (バルザック「人間喜劇」セレクション(全13巻・別巻二) 10)
これまで読んできた「人間喜劇シリーズ」とはかなり趣が違うな…というのが第一印象。解説によると、本書はこのシリーズ最初期の作品だとのこと。納得。それはともかくとして、その最初期の作品の中で既に後に色々な作品を賑わす人物が登場しているのだから、バルザックの想像力はどこまで広がっていたのか?と不思議な気にさせられる。それはそうと、本書を読んで、つくづく自分には放蕩だとか浪費だとかいった生活スタイルに基本なじまないなと痛感。放蕩三昧を送ったラファエルがごく短い間、ポーリーヌと送った日々がこの上なく貴重に思われる。
読了日:9月17日 著者:バルザック,Balzac
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41242305

■ニッポンの書評 (光文社新書)
こうやって何だかんだと千冊以上の本の感想をネット上で公開している者にとって、非常に示唆的かつ耳に痛い内容であった。実際の所、自分が書いてきた感想はどれだけ人に読ませるだけの魅力を有しているのか?と…とりわけ興味深かったのは、大15講で公開された著者の書評の書き方。細かく付箋を貼ったり、書き込みをしたり…物を書いてお金を得るためには、普通人がしないようなことをしなければいけないのだな…というごく当たり前のことを思い知らされた次第。その一方でこうやって地道に感想を書き連ねることにも意味があると思わされた。
読了日:9月14日 著者:豊崎由美
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41148350

■福岡ハカセの本棚 (メディアファクトリー新書)
著者の本に対する深い愛を感じさせると共に、マップ・ラバーからマップ・ヘイターへの精神的遍歴をも描いたというところが本書の肝か。とにかく科学者でありながら、文系的センスも持ち合わせた著者による瑞々しい文体引き込まれて殆ど一気に読んでしまった。理数系苦手な人間にとって、そっち系の本の解説は正直若干読んでいて辛いところもあるのだけれど、それでも 最終的には読ませてしまうというのは、やはり著者の物書きとしての力量が故だろう。こういう文系センスのある科学者というのは、今後ますます希有な存在になっていくんだろうな…
読了日:9月14日 著者:福岡伸一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41148185

■フラニーとズーイ (新潮文庫)
村上春樹による新訳ということで、二十数年ぶりに再読。良くも悪くも「こんな内容だったっけ?」というのが第一印象。肥大した自意識に「ああでもない、こうでもない」ともがいている兄妹の話というおぼろげな記憶はあったけれど、あんなに宗教色が強いというのはかなり驚き。こういう内容だったら、もっと早いところ再読しておけば良かったと若干後悔。『キャッチャー〜』の主人公に通じるズーイの挑発的で人を食ったようなセリフが、なぜかここではかなり小気味良く響いてくるのが不思議。それと対照的に、グラス家の母親が愚鈍なのも印象的。
読了日:9月13日 著者:サリンジャー
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41129042

■従妹ベット 下 (バルザック「人間喜劇」セレクション <第12巻>)
シリーズ中最速の早さで読了。新聞連載もの故の躍動感と話のテンポの良さにグイグイ引き込まれることに。とにかく前巻以上にユロがこれでもか!と言いたくなるくらいに落ちていく姿に目が離せない。幾度となく奥さんを泣かせ、周囲に多大な迷惑をかけ、ある程度反省するものの、結局元の木阿弥…という愚行を繰り返す。ある意味男の鏡と言えるのかも知れないが、僕的にはアウト(笑)。このシリーズでは珍しくハッピー・エンドに終わるかと思いきや、最後の最後で大どんでん返しが用意されているのが、バルザックの侮れないところ。一読あれ。
読了日:9月11日 著者:バルザック,鹿島茂,山田登世子,大矢タカヤス
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41076952

■従妹ベット 上 (バルザック「人間喜劇」セレクション <第11巻>)
『娼婦の〜』でも感じたことだが、とにかく老いらくの恋がこれほど悲しくも醜悪なものか…ということを痛感させられた次第。金銭的な面ではぬかりのないクルヴィルはともかくとして、ユロ男爵の自分の家庭を顧みないその狂いぶりには呆れるという他は無い。そしてその事態を操るユロの妻の従妹ベットの存在感が何とも不気味。それでいて、嘗ての恋人(?)ヴェンセスラスや共謀者ヴァレリーに示す忠誠心や愛情には純粋なものを感じさせるというのが、バルザックならではの妙。また彼女とヴァレリーとの関係に同性愛的要素を感じさせるのが面白い。
読了日:9月10日 著者:バルザック
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41057542

■イスラム教入門 (岩波新書)
二百頁強という紙幅にあまりに情報を詰め込みすぎたのではないか?というのが第一印象。ただでさえ中近東系の単語に対して苦手意識があるのにも拘わらず、嫌という程そっち系の単語が出てくるのに正直辟易。ただ、イスラム教が抱える特異性や、その特異性がももたらす複雑な問題があるということはある程度理解できた気がする。個人的には最終章は割愛して、もう少しイスラム教の本質的な部分を解説して欲しかった。後、「イスラム教の分化」の章はあまりに色々な分派が出てきて、その関係性が理解し辛かった。他の本で理解を補ったほうが良さそう。
読了日:9月7日 著者:中村広治郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40992242

■西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)
下巻を読んだときも感じたが、「学生時代に出てくれれば!」と思うことしきり。大方の西洋哲学史は悪しき意味で教科書的…もっと言えば無味乾燥なものが多くてとっつきにくい。そうした夥しい数の西洋哲学史に比べると、本書における読者に語りかけるような文章がどれだけ魅惑的に映ることか!かなり駆け足で読んだので、正直理解の程は怪しいが、できれば手元に置いておきたいと思わせるものがあった。そういう西洋哲学史を一人の哲学者が上梓することができたというのは、それだけで価値があるもの。哲学科の学生必読必携の書だと思う。
読了日:9月5日 著者:熊野純彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40926851

■燃える家
著者の意欲作、これまでになく力量が発揮された作品なのだろうけれど、どこか食い足りなさを覚えた。特に主人公徹の友人、相沢が女教師に問いかけるキリスト教問答(?)はいかにも多少知恵がついた生意気盛りの高校生が言いそうなことで、今一つ深みに欠ける。そのあたりをもっと突っ込んだものにしたら、本書の作品としての厚みもかなり違ったものになっていた気がする。それから、本作のクライマックスであるはずの徹と倉田との対面もどこか腰砕け。特に最後、徹の母親に彼女とのセックス三昧の生活を暴露される場面には思わず鼻白んだ。
読了日:9月2日 著者:田中慎弥
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40860832


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