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2014年06月01日13:47

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プラネテス感想

アニメ版プラネテス(全26話)、見終わったので感想をば。

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・あらすじ
時代は2070年代(2075年以降)。人類は宇宙開発を進め、月面でのヘリウム3の採掘など、資源開発が商業規模で行われている。火星には実験居住施設もあり、木星・土星への有人探査計画も進んでいる。毎日、地上と宇宙とを結ぶ高々度旅客機は軌道上と宇宙とを往復し、宇宙ステーションや月面には多くの人たちが生活し、様々な仕事をしている。

しかし、長い宇宙開発の歴史の影で生まれたスペースデブリ(宇宙空間のゴミ。廃棄された人工衛星や、ロケットの残骸など)は軌道上にあふれ、実際にたびたび旅客機と衝突事故を起こすなど、社会問題となっていた。
また、地上の貧困・紛争問題は未解決のままで、宇宙開発の恩恵は、先進各国の独占状態にある。このため貧困による僻みや思想的な理由付けによるテロの問題も、また未解決である。

主人公のハチマキは宇宙で働くサラリーマン。主な仕事は宇宙のゴミ「デブリ」の回収作業。いつか自分個人の宇宙船を所有することを夢みている。ゴミ拾いは大事な仕事だと自分を納得させつつ、当初の夢と現実の狭間でこのまま現実を受け入れるか、それとも夢を追い求めるか思い悩む。


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デブリ屋という一風変わった仕事を取り扱っているのがまず面白い。
広大な宇宙における小さな漂流物なんて大したことないだろうと思ってしまいそうなものですが、実際にそれが原因で事故が起こるシーンもあり、大事な仕事だということが伝わってくる。

SFアニメですが奇抜な設定などはありません。非常にリアルな世界観です。
SFというよりはヒューマンドラマに焦点当てた作品かなという印象。

前半は1話完結のエピソードがメインで、各キャラの掘り下げなどもここで行われます。
一話完結だけあって綺麗に物語が締められてEDに入るため、EDでは余韻に浸れます。毎回EDへの入り方がいいんですよねぇ。
個別回も良い話多くてついつい涙腺緩んでしまった・・・。
棺桶回、ユーリ回、国境回、課長&係長回、ラスト3話辺りが特に好き。


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後半はちょっと雰囲気変わって人類の木星進出という一つのエピソードに沿って結構キツい展開が続くんですが、これはこれで見ごたえありました。
夢に向かってなりふり構わずひたすら進むハチマキの姿には考えさせられるものがあった。
夢を叶えたかったら保険なんて考えてちゃダメなんだろうなきっと。田辺のことはもうちょっと気を遣ってあげて欲しかったけど・・・w


田辺は「愛が無いんです!」と何かと論理を愛に繋げる、強烈なキャラでした(自分は好きでしたがw)
ですが24話のシーン、極限状態で試される自分の「愛」。ここでひと皮剥けたというか、田辺の束に眠る愛がクレアが言うところの「薄っぺらい愛」ではないことの証明がなされ、魅力的なキャラになったように思いました。

「そして、それを繋げているのは――」今までの積み重ねがあってこその良いシーンですよねぇ。
まぁ物語の落としどころとしてはある程度予想の範疇でしたが、そこまでの持っていき方が非常に丁寧でお見事。
前半の個別回も全て後半に繋がっており、2クールあっても無駄な回がほとんどありません。


もう一つ、このアニメが凄いと思ったのは音への拘り。
無音演出が鳥肌もので、本当に自分が宇宙空間にいるような(行ったことないけど)臨場感が素晴らしい。
事故のシーンとかはBGMも相まって緊張感たっぷりで手に汗握ります。


少し残念に思ったのは、「人々の犠牲の上に成り立つ木星進出はどうなんだ」という問いに対する答えが有耶無耶になっていたこと。結局ハチマキは木星に行ってしまうわけですし。
簡単にどうこうできる問題ではないと思いますが、作品で取り扱っている以上は結論を出して欲しかったかな。
先進国の偉いさん達がみんな、ハチマキのように愛を悟れば解決するのかもしれませんが・・・それこそ夢物語ですよねぇ。
あと後半の展開がデブリ屋という設定にあまり関係なかったのが残念と言えば残念。
そういう意味では前半のヒューマンドラマの方が好みだったのかも。


しかしこの作品が素晴らしいことに変わりはありません。
あまり人を選ばない、万人に勧められる名作だと思います。
見てない人にも是非一度見ていただきたい。

原作漫画の方は少し内容が違っていて違った良さがあるらしいので、そちらも読んでみたいな。
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