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2014年04月10日05:54

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ハルちゃんのノート

わかめスープで有名な某リケンは、
「どんな物からでも“わかめ”が作れる」という画期的な技術開発に取り組んでいた。

その研究を任されたのは、いつも生のわかめを運んでは
“重かったぁ〜!”
が口癖だった女性研究員のハルちゃんだ。
もちろん、ハルちゃんだけだと心配なので、それなりに権威のあるオヂサン達がお目付け役として付いている。

この技術が現実のものとなれば、人類にとって輝かしいジャイアントなステップを踏み出すことになる。

特許が取れれば、会社には金が!
論文を専門誌“わかめネーチャン”に掲載できれば研究員には名誉が!
しかもノーベル製菓から“のど飴10年分”と言う賞品がもらえる可能性もあるのだ。

つまり、会社経営陣と研究員が一体となって、それぞれの目的のために頑張っていたのだ。

そして、会社は特許を出願して“P.A.F.”(Patent Applied For)状態に。
その後ハルちゃんは論文を“わかめネーチャン”に送り、無事に掲載された。
多分、同じような内容だったはず=会社は内容を把握していたはず・・・。
でなきゃ、特許なんか出願できんし、説明もできん。

ところが、ハルちゃんの出した論文にイチャモンがついた。
敵対する外部だけならまだしも、社内からも「未熟ちゃん」「カイザンちゃん」「ネツゾーちゃん」「ノート2冊ちゃん」なるあだ名を付けられたハルちゃん。

この世界は「早い者勝ち」である。

「早く特許出したいから、論文はあと回しで、手法をまとめてくれ! わかめ出来たんだろ?」
「え? ちょっとしたコツが必要で、ちょっと酸っぱいですけど、わかめは出来てます」
「OK,OK! じゃ、先に特許申請用の方な!」
「あ、はい。論文には時間かかりますけど・・・頑張ります」
社内の足並みは揃っていたのか、お目付け役は仕事しとったんか。

どうなる、ハルちゃん!

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