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2013年11月04日11:24

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惑星大戦争

惑星大戦争(1977年12月17日公開)

 昨日、スーパーヒーロータイムもプリキュアのお休みだったので、4月に録画したこの映画を、その時間帯に見た。

 劇場公開時には観に行ってない。
 最初に観たのはTVか? オールナイトで観たような気もする。

 昔観たときの印象は、「超つまらない」だった。今回は……。

 轟天の建造に取りかかるまでの話は、まあ面白かった。「宇宙大戦争」とか「妖星ゴラス」とか「怪獣総進撃」とか、あそこらへんあたりの東宝映画の雰囲気だ。そこまでの展開は、「お家芸」という感じ。昔の諸作品よりはドラマがチープだったけど。
 しかし、轟天の建造が始まってからは、ドラマらしいドラマが消滅してしまった。

 轟天号の乗組員の一人・ジミーは、一人遅れて基地に到着する。途中、敵に襲われるというアクションシーンもある。ジミーの到着に先立ち、基地にはジミー宛の電報が届いている。滝川博士(轟天艦長)と三好(後の千葉県知事)はそれを読んで思わせぶりな会話を交わす。その内容に関してはそこでは明かされない。
 三好がジミーに電報を渡したのは轟天が発進してから。その内容は、敵の攻撃でジミーの両親も兄弟も全て殺されたというものだった。
 ……じらしにじらした末に明かされた内容は「やっぱり」という感じのもので、いったいなぜそこまで引っ張ったのか分からない。普通に考えると、この電報をきっかけにジミーが復讐心を燃やして敵と戦って無茶をして……とかいう展開にでもなりそうだが、実際にはそんなことには全然ならなかった。
 というか、ジミーは金星の戦闘でものすごくあっけなく死んでしまう。「え、今ので死んだの?」という感じのあっけない死に方で、仲間がジミーの死を悼むという描写も全くなく、そのままお話は続いてしまう。
 ……おいおい、じゃああの電報のエピソードであれだけ尺をとったのは、何のためだったんだよ(^^;)。

 その「何のためだったんだよ」は他にも山ほどあって、例えば室井(沖雅也)がジュン(浅野ゆう子)と婚約したという話も、ストーリーに全然生かされない。
 ジュンは三好の方が好きだったのだが、三好はジュンを室井に譲るため、2年前に突然アメリカに行ってしまったそうだ。ありがちな設定だが、普通、こういう設定は、登場人物たちの間で葛藤や衝突や緊張感を作り出すために作られるものだ。
 ……ところが、映画の前半でこの設定が語られた後は、この設定はドラマに全く生かされない。婚約者同士だというのに室井とジュンがラブラブすることもなく、室井とジュンのラブラブぶりに三好が複雑な思いを抱くなんてこともなく、ジュンが「現在の婚約者」と「昔好きだった男」との間で心を揺れ動かすなんてこともない。
 ……じゃあ、なんでそんな設定を作ったんだよ(^^;)。
 ……しかも室井は、ストーリー上何の意味もないところであっさり死んでしまう。ジミーの時と同様、室井の死も他の登場人物たちからスルーされてしまう。その後、誰も(三好もジュンも)室井のことを思い出してあげない。おいおい(^^;)。

 中盤、敵は破壊された宇宙ステーションの乗員の死体に化けて、轟天に潜入する。
 普通、そういうことをする場合、その目的は「内部から轟天号の心臓部を破壊する」とかなんとかだろう。ところがこの宇宙人の目的は、浅野ゆう子を誘拐することだった。……なぜ!?
 誘拐された浅野ゆう子は、肌の露出が多い、身体にピッタリした黒い服に着替えさせられる。何のために!?
 宇宙人が何をしたいのか、全く分からん。

 三好たちは大魔艦の心臓部を破壊する目的で、大魔艦に潜入する。しかしいつの間にかその目的は、浅野ゆう子の救出にすり替わってしまう。
 最初4人で潜入するが、まず一人があっさり撃ち殺され、次にもう一人が撃ち殺される。残ったメンバーは仲間の死にショックを受けることもなく、仲間の死を悼むこともなく、死体を物陰に隠すとそのまま前進を続ける。なんなんだこいつらは。
 最後に宮内洋が殺されるが、敵のボス(銀河帝国司令官ヘル:睦五郎)はなぜか三好だけは殺さず、浅野ゆう子と同じ牢に入れる。驚いたことにこの牢は解錠するためのボタンが牢内についており、二人はあっさり脱出してしまう。おいおい(^^;)。

 金星は、とても金星に見えなかった。金星って、地表の温度は400℃、その上大気圧が非常に高く、地表で約90気圧あるはず(地球での水深900mに相当)。とてもじゃないがあんな軽装で軽々と動けるような世界じゃないと思うが……。「光速エスパー」の金星の方が、よっぽど金星っぽかった。

 敵が「銀河帝国」と名乗っているのも噴飯もので、名前だけはスケールがでかいが、画面上ではものすごい零細組織にしか見えない。こいつらと比べたら、大宇宙ブラックホール第3惑星人たちの方が、組織としてよっぽど強そうだ。

 リボルバー式カタパルトから戦闘機を発射するギミックは面白かった。しかしその同じリボルバーからリボルバービームが発射されるってのは、何がどうなっているのやら。武装を換装できるのか?

 滝川博士は轟天の設計途中に偶然エーテル破壊爆弾を開発してしまったそうだが、轟天の設計とエーテル破壊爆弾とがどう関連するのか、謎。宇宙船の設計の途中で偶然出来るような代物なのか?(^^;)

 その他、何から何までつっこみどころ満載で、いちいちつっこんでいたらきりがないのでここら辺で切り上げる。
 観ているとき体調が悪かった……ということもあると思うが、とにかく眠かった。轟天が発進してから後はろくにドラマが無く、単調な戦闘がだらだらと続くだけなんだもんな。眠いといっても、「大怪獣バラン」よりはマシだったが。
 とにかく、キャラクターに魅力が全くなく、キャラクターは割とたくさん出てくるのに人間のドラマが全くない、というのがまいった。どのキャラクターも人間味が無く、ただ「役割を淡々とこなしているだけ」という感じなんだよな。浅野ゆう子なんか、地球が大ピンチになっても婚約者が殺されても笑っているし。

 あとこれ、「スターウォーズ」に便乗して急遽作られた映画のはずだが、「スターウォーズ」よりも「宇宙戦艦ヤマト」の影響が強い気がする。というか、「スターウォーズ」の影響が感じられるのは、猿みたいな宇宙人が出てくるところだけみたいな……(^^;)。

 大滝秀治が国連宇宙局の松沢博士役で出演。
 36年前の映画なのに、既におじいちゃん役。この時何歳だったんだろう……と思って生年を調べてみたら、1925年生まれだから、52歳か。今の僕と1つ違いじゃないか。へー。

 平田昭彦が国防軍の司令、中山昭二が国防軍幕僚としてチラッと出てくる。二人が会話しているシーンをみると、まるで「ウルトラセブン」だと思った。
 だいたい、円盤形の宇宙船の大群が世界中を攻撃する……という画だって、「ウルトラセブン」みたいだもんな。「ウルトラセブン」同様、都市破壊シーンの中には「世界大戦争」の流用もあったし。

 メモ。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%91%E6%98%9F%E5%A4%A7%E6%88%A6%E4%BA%89
 http://blog.goo.ne.jp/langberg/e/e773780f4e5254342be1ff9e68a03234
 http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=9495
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