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2014年04月05日18:07

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るっぺ問題

■福岡の「子どもシェルター」が閉鎖危機 どうして運営難に?
(THE PAGE - 04月05日 14:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=2831724
−−−−−
子どもに関する問題で、いま非常に怒りと戸惑いを覚えていることがあるので。
やや強引ではありますが、このニュースに関連づけて書かせて頂きます。
長文になってしまいますが、ぜひとも多くの人に考えて頂きたいお話です。

文科省による小学校1・2年向けの道徳教科書「わたしたちの道徳」の件です。
これ、最初の50ページを流し読みしただけでも俺には問題点続出に思えるのですが。
特に最初の読み物である『るっぺどうしたの』が「あまりにもひどい」と感じられるので、これだけ取り上げて書かせて頂きます。
まず、ぜひとも下記にアクセスして原文をお読み下さい。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/doutoku/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/03/12/1344239_1.pdf

内容は、さるの子どもの“るっぺ”が朝起こされてもなかなか起きず、友だちに正しくない態度や行動を指摘されてもまともに応対せず、ランドセルの中身をごっそり落としてしまい、砂場での乱暴な行為でたぬきの“ぽんこさん”に危害を及ぼす−というものです。
これは最初の読み物なので、教育現場では取り上げられる可能性が大きいし。
また、子どもたちにも印象深く残るものではないかと思います。

読んでみて、どう思われますか。
このように、単純に考えてしまうと、悪い子は迷惑だ−で終わりかねない話を、道徳教育の目立つ位置に置いてよいものでしょうか。

まず第一に、このような話は教育を受けさせる「子ども向け」ではありません。
実際にるっぺのような子はいるでしょうし。
そのような子に、どう対応すべきかという「教育者向け」の課題です。
しかもたいへん難しい課題で、この話を紹介したマイミクさんも指摘されてましたが、この子は軽度発達障がいの疑いが濃厚です。
まあ、そのような用語を使わなくても、子どもたちひとりひとりの発育に差がある中で、「分かっていてもうまくできない子ども」や「分かることができない子ども」を集団生活の中でどう溶け込ませるか。あるいは、どう指導していくか。
またその問題点を、その子の置かれた環境を考慮してどう解決していくか。
そのような、教育者にとっての問題提起としてあるべきケースです。

それが子どもたちの中に読み物としてポンと放り投げられたとき。
現場では、るっぺのような子どもがますます孤独になり、問題が大きくなる可能性が高いのではないかと思います。
まだ自分ひとりではどうにもできない子どもが「お前、るっぺだ」と弾かれ、その子が他には持っている美点さえもが理解されなくなる可能性が高いと思います。
この読み物は悪しきレッテル貼りの方向に作用するでしょう。

また、道徳の最初に負の要素の強い話を持ってくるのは適切ではないと思います。
その名の通り徳の道を教えるのが道徳だとしたら、人間はほっといても負の側に振れやすいのですから。
まず正しいことがあって不正の話に及ぶのが順序です。
その前に、この読み物は「きそく正しく気もちのよい毎日を」という章題から脱線し過ぎているのですから。
脱線した結果、読む子どもたちは「正しいことをひとつひとつ教え込まれること」から離れ、「悪い子は悪い」という大ざっぱで−それゆえ問題点満載な−価値観が植え込まれかねないのですから。
教育の順番としても、学びどころの取り上げ方としても、粗悪すぎると思います。
例を挙げれば、「夜更かしして朝起きられなかったるっぺが、友だちと野球をした日に疲れて早寝することになり、その流れで翌朝早く起きてみると気持ちよかった」−こんな話で充分じゃないですか。
「るっぺは、おひさまと仲良くするのもいいな、と思いました」で、いいでしょう。
まあ、不規則生活しまくってる俺が言うのもナンですけどね。

まだまだ書き足りないことはあるのですが。
とにかく、この−言うなれば−「るっぺ問題」は、学校教育で道徳をとりあげることの賛否「以前」に、深刻なものだと思います。
むしろ、道徳教育が必要だと考えている人たちにこそ、真剣に考えて欲しいぐらいです。
あなたがどのような思想傾向を持っているかとか、どの党を支持するとかは別にしても。
現実的具体的にこのような教材が子供たちに向けて存在していることを知り、自分で読んで、考えてみて頂きたいのです。
拡散を希望します。
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